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【サポートの難しさ】  とちの実 小川

2016年10月31日 | とちの実

とちの実で働き始めて10月で2年が経ちました。
どの入居者さんも個性が強く、十人十色だなぁと思います。

Nさんは私が働き始めた頃とてもしっかりしていて、一緒に料理をすると華麗な包丁さばきを見せてくれました。買い物に行った際、手袋を置き忘れているのを教えてくれたこともあります。
月日が経つにつれ少しずつ認知症の症状が進み、少しずつ色々なことが難しくなってきて、不安や苛立ちを感じているのをよく見るようになりました。

1F~3Fまで何度も往復したり、大きな声で「帰ります」と外へ出ていったり、どう話しても否定の言葉しか返ってこなかったりと対応が難しく感じる事が多々あります。
正直心が折れる日もあります…。
もちろんそんな面だけではありません。困った困ったと言っていると「どうしたの?」と声をかけてくれたり、失敗しちゃったと落ち込んでいると「そんなこともあるわよ」となぐさめてくれるのです。
自分の気持ちを訴えて来るときの必死な表情を見ると、Nさんも辛いのだなと感じます。
思い出せない事が増えたり、今までできていたことができなくなったり、パズルのピースがはがれ落ちるようにわからない事が増えていく。しかも自分では原因もわからず混乱してしまう。
認知症って怖い病気だなと改めて思いました。
身体の介護だけではなく精神的なサポートも大切だと気づきました。
Nさんが少しでも穏やかに過ごせるよう、1回でも多く笑顔を引き出せるようサポートしていきたいです。

10:00 | Posted by jizai

【思いの隙間】  ぶなの実1F 松林

2016年10月31日 | ぶなの実::ぶなの実1F

「今日の昼食何にしようか?」今日も始まりました食事の相談。入居者さんの答えは決まっていて「なんでもいいよ。お前さんの言う通りに従うよ。文句は言わないよ。」それを聞いたもう一人の入居者さんは「なんでも良いひ」と仰ります。
困ったスタッフは料理本をパラパラと広げたり、冷蔵庫にある食材から何ができるか聞きだします。さらにそこから、入居者さんと一緒に食事作りを行うので焦っているのが見ていて良く分かります。
自分自身も経験してきていることなのですが、このような光景をみて「毎日、毎日同じように同じことを聞かれる入居者さんは『何でもいいよ』と仰るのは当然ではないか。」と思うことがあります。
「入居者さんの出来る事を支援をする。」というスタッフの思いと、ぶなの実で生活をされている入居者さんは毎日、スタッフが変わっても時間になれば同じ事を聞かれることの思いの隙間をどう埋めていくかがこの仕事の専門性のひとつではないかと思います。
「おなかが空いたからご飯が食べたい。」「時間になったからご飯を食べなくてはいけない。」「今はおなかが空いていないから食べたくない。」食事に対する思いや感じ方は人それぞれ、その日その時で違います。その時に「何が食べたい?」と唐突に聞かれれば自分でもきっと「何でもいい。」と答えるでしょう。
ぶなの実の入居者さんのFさんはスタッフに頼りにされると一緒に台所に立って下さるのですが、これは私の強いこだわりで「お手伝い」という言葉は極力使わない、状況に応じてですが指示的な言葉は使わない様に食事作りの支援を行っています。入居者さんが自分で決めた食事を作るのに「お手伝い」という言葉を使うのはそこでスタッフが食事作りについて主導権を握っていることになります。指示的な言葉も同様です。あくまでも入居者さんが主体なのです。
私はFさんが得意なこと、頼りにされるといつの間にかほとんどの食事作りを行うことが出来るなど、Fさんの『有する能力』をたくさん知ろうとしている最中です。この記事を書いている前日も、とある仕掛けをして自然な流れで一緒に食事作りをすることができました。Fさんを知っていれば誰でもできる支援です。えっ?どんなことをしたかって?
これはぶなの実のスタッフに気づいてもらいたいので内緒です。それに自分で気づくことが出来れば隙間を埋めることが出来るのではないかと考えています。

09:10 | Posted by jizai

【6年目の1年生】  ぶなの実3F 宝田

2016年10月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

どうもお久し振りです、ぶなの実で働き始めて今年の9月で6年になりました。
入った時はまだ22歳だったのに気付けばもう28ですよひそりぁ入居者の方々に「ねぇねぇおじさん」って呼ばれますよね。
そんな私は今年の6月からぶなの実1階のBユニットから3階のAユニットで働くことになりました。
同じ建物とはいえ職員も違えば入居者さんも違います。置いてあるものの位置も違うし外の景色も違うのです。
いままで働いていた職員や入居者さんとの距離がちょっぴり離れて寂しいですが、1階でいろいろ学んだ事を今度は3階でピッチピチの1年生として頑張っていこうと思っています。

08:11 | Posted by jizai

編集後記

2016年09月31日 | 編集後記

今年は、猛暑、長雨と季節の変化が激しかったです。
水不足が話されていたのは今年のはずでしたが、そのあと長雨が降り続きました。
でも、日本は東西、南北に大変範囲の広い国土なので、西と東や北と南ではかなり気候が違ったようです。
介護の人手不足も、一様ではないようで、東京では介護の働き手が本当に足りないのですが、地方に行くとそうでもないような話も聞きます。
ただ、それは本当にそうでしょうか。
働く場所がほかになくなり、介護が地方の中心の産業になっているという側面もあるのではないでしょうか。
そこにいる高齢者がいなくなると、地方都市では仕事が無くなり、一挙に人口が都市部に集中して、国の体をなさなくなるのではないか。と不安に駆られます。(林田)

17:52 | Posted by jizai

9月号の「つげの実」の記事はありません

2016年09月31日 | つげの実

9月号の「つげの実」の記事はありません

10:53 | Posted by jizai

【初めまして・・・】  とちの実 

2016年09月31日 | とちの実

私は、6月でとちの実に入って、1年になりました。
バタバタと1年過ぎたような気がします。パソコンが苦手で、未だに、先輩職員に何度も聞いたり、教えて貰ったりと、日々迷惑ばかりかけています。嫌な顔せずに教えてもらい本当にありがたいです。グループホームは、初めてなので中々時間の流れに慣れる事が大変でした。まだまだ、覚える事がたくさんあります。
そんな私ですが、担当の入居者様の誕生日外出に行ってきました。企画から全部考えて、実行するまで、それはとても大変で、介護職10年目の私も初体験でした。まずは行き先を決めるのに、かなり悩みました。私の担当しているAさんは、私が入った昨年と比べると、大きくご状態が変わっていらっしゃるからです。
今のAさんと2人で外出出来るのだろうか・・・頭の中は不安しかなく、悩みました。Aさんが2回続けて怪我をしてしまい、外出は数ヶ月伸びていました。そしてやっと、5月に実行することが出来ました。最初に企画していた賑やかで人が沢山いる場所とは、逆なとても静かで緑の多い公園を選びました。芝生のベンチで二人でお弁当を食べました。
「おいしいね」笑顔で食べてくれました。トイレまで「足が痛いね」と言いながら頑張って歩いてくれました。帰りに「たまには、いいね」とポッと言われた一言にびっくり。
さあ、次の誕生日はどこに行けるかな、楽しみになりました。

10:52 | Posted by jizai

【三年が過ぎて】  ぶなの実3F 前山

2016年09月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ぶなの実Aユニットに入職して早いもので3年が過ぎました。
その間に、入居者様の顔ぶれも変わり、お亡くなりになられた方もいらっしゃいます。
しかし、この三年間で入居者様方に沢山支えられてこられたなと思うのです。
この仕事をしていて毎日楽しいことばかりではないですが、入居者様のささいな気遣いがとても嬉しかったり、外食で一緒に美味しい物を食べたり、そんな小さな事が日々のモチベーションに繋がっていると感じます。
これからも、入居者様と楽しいことを沢山共有していきたいです。
個人的には、体力がないのでこの夏を無事に乗り切ることができればと思っています…。(笑)

10:51 | Posted by jizai

【初めまして】  ぶなの実1F 山西

2016年09月31日 | ぶなの実::ぶなの実1F

初めまして。ぶなの実1階に5月から入社しました山西と申します。
入社のきっかけは、身内の介護をしたことから興味を持ちました。
入社して3ヶ月が経ち少しづつですが業務にも慣れてきました。
母と同年代の方が多いのと、正直わぁ~元気ひひとビックリしました。
最近話しかけてもくれるようになりました。よく笑います。
時に思い通りに身体が動かないことや、思い出せずやきもきしたり不機嫌だったり・・・その時どう接したら良いのかとても悩みます(汗)。
やきもきされてる時は、そっとしとく時もあったり、『できる事から』をご一緒に始めてそれが出来た時一緒に喜んだり笑ったりしています。
『あんたの笑顔見ると元気になるんだよ~』や、話せなくても私の手をさすって頂いたり、たまに忘れられたり・・・・・・
見てないようで見てくれているんだなと思いとても励みになります。
そういうことを少しづつでも重ねて行きたいと思います。
未熟者ですがよろしくお願い致します。

10:27 | Posted by jizai

編集後記 林田

2016年08月31日 | 編集後記

先ごろ、「鼻めがねという暴力」という本を、初めて書かせていただきました。
内容は、虐待やそれにつながる不適切なケアについて、どのように未然に防ぐか、また起きた時にどのような対応をするか。と言う内容を実体験と、それに伴う考察によって構成されております。

虐待がテーマであることと、それにもまして、自分が虐待をしそうになった過去や、うちの事業所で起きた虐待のことを書いておりますので、正直な気持ち、この話が持ち上がった時は、一度お断りをしました。
しかし、世の中では虐待を通り過ぎた事件が起きておりますし、虐待が起きていく背景を細かく書かれた本がありません。自分の体験を書くことにより、少しでも世の中の虐待が減り、そしていつかはなくなることがあればと言う思いで書かせていただきました。
 
当初、本を書くといっても実体験やこれまで考えていたことを書くだけだと思っていましたので、「さほどの苦労もなかろう。」と高をくくっていましたが、それはそれは大変な作業でした。何よりも、自分の過去との闘いをしなければなりませんでした。
さまざま方のご理解とご協力でできた本です。どうぞご一読いただければ。と思っております。

10:14 | Posted by admin

【焦らず、慌てず、諦めず】  ぶなの実3F 原田

2016年08月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ぶなの実で働き始めて3年以上経ちますが、その中でも出会ってから現在に至るまでの間、私にとって大切なことを教えていただいた入居者様がいます。Mさんという方です。
Mさんと出会ったのは1年半前になりますが、入居された頃は、思ったことをストレートに表現し、ご自身の考えを強く押し通される方であったので、正直なところ何を話したらよいかわからず、敬遠してしまうことが多かったのです。そしてある日、ちょっとした出来事が起こります。Mさんが突然ご兄弟のいる新橋へ行きたいとおっしゃって、外出されようと下へ行こうとしていました。私が、「いっしょに行きませんか?」と尋ねると、「いいわよ。一人で行くから。」とおっしゃって、そのまま下へ降り一人で駅へ向かわれました。まだ入居されて間もないころであったので、ご自身で戻ってこられるか心配になり、私も後ろから見守りながら付いて行きました。駅に着きご自身できっぷを購入され、そのまま地下鉄に乗り、目的地の手前の駅で降りられ、近くの喫茶店でお茶やコーヒーなどを嗜まれていました。幾度となく私が声をかけると、「来ないでよ。」と言われ、なかなか私の話を聞こうとされませんでした。もう自分の声かけでは聞いてもらえないかもしれないと諦めかけて、何度も代表や当時の管理者に対応方法を相談していました。そして見守ること約2時間。別の喫茶店でお茶を嗜まれていたときに、私は外からMさんの様子を30分ほどでしょうか、待っていたときに、ふとMさんが不安そうな表情をされたのです。私はMさんが寂しいのでは?と感じたので、再びMさんのところへ向かい、「そろそろ暗くなってきたのでどうしましょうか?」と声をかけてみました。すると、「そうね。もう帰ろうかな。でも、どうやったら帰れるかわからない。」とおっしゃったのです。私は「よかったら一緒に帰りましょう。」と話したところ、「ありがとうね。帰ろうか。」とおっしゃったのです。4時間ほど前は私と一緒に行くことを嫌がっていたMさんが、まるで別人のような印象を受け、その時私はとても驚いていたことをはっきりと覚えています。無事にぶなの実に戻り、Mさんは疲れたのかそのまま居室へ戻られました。
何も聞いてもらえなかったときは、焦ったり、慌てたり、諦めようとしましたが、表情や行動が変化する瞬間が、相手の気持ちが切り替わっているサインかもしれません。この瞬間を待つことも、とても大切なことだと感じます。この時に声をかけて会話をすれば、相手の気持ちを掴んでいけることに気付いた良い出来事でした。
今となっては、Mさんもぶなの実の生活に慣れてこられ、私達職員や入居者様と世間話などの会話を楽しんでいます。

10:05 | Posted by admin