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【編集後記】  理事長 志寒

2025年07月15日 | 編集後記

先日、入居者さんと歌詞本を見ながら「有楽町で逢いましょう」を歌っていたのですが、その曲紹介に昭和32年発表と付記されていました。68年前の楽曲と考えると、あらためて時の流れに途絶えず、歌い継がれる名曲の偉大さを感じます。とはいえ、私自身も物心ついたころには日劇はなく、有楽町に初めて降りた時には大型家電量販店がそびえたっていました。大学で上京したころ、私にとって上野駅は故郷の香りどころか、目の回る大都会でしたし、津軽海峡は北の海から渡らず、トンネルで越えました。歌に現れる情景も大きく時代差があるようです。
そこまで昔まで遡らなくとも、今ではダイヤルを回しませんし、電話ボックスもほとんど見かけません。切符を切られることもなければ、ペンフレンドもラブレターも過去のものでしょうか。かつてその歌詞に込められた思いは、今では何に託されているのでしょう。
そんなことを思いながら歌詞本をめくると「岸壁の母」が載っていました。戦後80年の今年、失われてもよい情景だってあります。待ち続ける母と帰らぬ子の情景は、二度と巡り来てほしくはありません。だからこそ、歌い継ぐべき思いもあるのでしょうか。

10:50 | Posted by jizai

【おしとやかな江戸っ子】  ぶなの実 宝田

2025年07月15日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ファイル 645-1.jpeg暑いしじめじめした日が続いていますね。熱中症になった!なんて言うニュースが毎日の様にやっていますので、皆さん水分ちゃんと摂りましょうね!
どうも、こんにちは。梅雨生まれのぶなの実の宝田です。
今日はそんな梅雨に新しく入居されたIさんについてお話をしたいと思います。
Iさんは女性の方で、入居される時に浅草育ちの江戸っ子との情報があった為、頭の中では「江戸っ子!?チャキチャキしていて、祭り大好きな元気いっぱいの人なのかな?」なんて勝手にイメージしていたのですが、いざお会いした印象は「おしとやか!」です!
話し方や振る舞い、そしてお茶の淹れ方にまで品があり、良い意味で想像していた江戸っ子とは全然違いました!
まだ入居されて2週間くらいなのでこれから沢山色んなお話やお出かけをして、Iさんの事を知っていきたいと思います!まずは浅草へ!!

10:49 | Posted by jizai

【編集後記】 理事長 志寒

2025年06月05日 | 編集後記

空気が少しずつしっとりと感じられ、梅雨の訪れを予感させる日が増えてきました。
きみさんちのアジサイのつぼみはまだ薄緑色。このアジサイは10年以上前に鉢植えのままで枯れていくのは可哀そうだと、あるご入居者が植えたものですが、その方が旅立ったあとも毎年、花をつけてくれています。
ファイル 644-1.pngまだ固くつぼんでいるクチナシを見かけると、買い物の途中に『くちなしの花』を口ずさんだご入居者を思い出します。そう言えば渡哲也さんに似てません?というと照れ笑いをしたその方も旅立って長く経ちました。
お二人とも、ご自身の生命をご自身なりにまっとうされ、その生活の中で輝いておられました。
軽々しく他人の幸福をはかったり、死生観を語ったりするほどの人生経験は持たない私ですが、季節の変わり目の花々はいつも、ご入居者の命を考えさせてくれます。
花々を愛でるゆとりと、季節を感じる気持ち。大事にしていきたいものです。

14:21 | Posted by jizai

【0さん、入院、そして退院】  ぶなの実 野口

2025年06月05日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ファイル 643-1.jpeg2月の28日にお部屋で何度か嘔吐があり、顔色も良くなく入院する事になりました。
当初は1週間程度の入院になるだろうと言われていましたが、むせ込みがみられ、痰吸引を1日に何回もしているから当分退院は難しいと言われていました。
嘔吐症、誤嚥性肺炎と診断されました。2週間が経ち、3週間が経ち、先生の往診の日、先生から「痰吸引する頻度が減ったから退院できますよ」と話がありました。
本当に良かったです。1か月も経ちますから、身体の変化や、食事、歩行等難しいのではないかと思っていました。
4月14日に退院されました。
久しぶりの顔合わせの時。入院する前に比べると見た目は少し痩せましたが、顔色も良く、笑顔のOさんがいつもの椅子に座られていました。
「Oさんお帰りなさい、全然変わってなくてよかったです」と声を掛けました。
Sさんと2ショット写真をとりながら、いつもの笑顔がみられました。
少し不安定ではありますが掴まり歩きで歩き、ご自身で食事も召し上がることが出来ています。
いつものぶなの実の雰囲気に戻りました。
本当にOさんの笑顔は皆を元気にさせます。入院生活お疲れさまでした。

14:20 | Posted by jizai

【お花見】  ぶなの実 蛯子

2025年05月07日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ファイル 641-1.jpg皆さん、こんにちは!ぶなの実の蛯子と申します。
ここ数日暖かい日が続き、過ごし易くなってきました。
今年は2年ぶりに4月4日に飛鳥山公園に入居者の方々とお花見に行ってきました。
丁度桜も満開でとても綺麗でした。
今年のお弁当は入居者さんと一緒に作成した手作りお弁 当です。
桜を観ながら頂いたお弁当は格別でした。皆さんとても美味しそうに召し上がっていました。唐揚げ、美味しかったな ~(^^♪ その後、輪投げゲームをみんなで行い、楽しく過ごしました。
残念だったのはOさんが入院されていたことです。
来年は一緒に参加出来ればと思いました。

09:40 | Posted by jizai

【編集後記】  理事長 志寒

2025年05月07日 | 編集後記

百聞は一見に如かずという言葉があります。当法人では、ご家族に入居者さんの生活のご様子をお伝えするために、各事業所の日常をそれぞれに写真に残しています。たとえ一枚の写真でも、撮影時の入居者さんのご様子から、事業所の雰囲気や支援の在り方がそれとなく伝わってきます。また、そのように撮りためた過去の写真を眺めていると、折々の入居者さんのふるまいや口癖、得意料理、自慢話、この世を旅立たれる間際の姿までが浮かんできます。お一人お一人の人生の歴史に比べれば、長くて十数年の生活はその歴史のごく一部なのかもしれませんが、それでも、大切な一瞬一瞬を残してくださったことが たまらなく嬉しく感じます。泣いたり、怒ったり、不安になったり。
ファイル 642-1.jpeg認知症の症状が見られた日もあれば、それでも満面の笑顔で過ごした日もある。そしてその笑顔の時間の方がずっと長かったことを思い出して、そのことに勇気づけられ、励まされ、日々の支援に精一杯に向き合うことができるのです。その写真の中には 私自身が映っている写真もあります。若かったな、瘦せてるな、髪が多いなと嘆きながらも、どんな爺さんになるのだろうと、少し楽しみにもなります。

09:40 | Posted by jizai

【自然な笑顔】  とちの実 渡邉

2025年05月07日 | とちの実

2025年 桜が開花するまでは厳しい寒さがありました。
3月中旬の朝、気温が一気に下がり、大粒の白い塊が降りつづきあっと言う間に地面は真っ白くなりました。
居室から居間に来られたAさんに、「Aさん、ここに来てください」と吐出口の窓際に手招きました。Aさんは普段から発語が少い方です。何を呼んでいるの?何なの?という表情で近づいてこられました。窓の外を指さして「ほら、雪」と言うと、一瞬驚いた表情から、(うわぁ雪だ)と言うように顔がほころび「凄いね」と言いながらほほえんでいました。
しばらく落ちる雪をながめていたので、雪景色をバックに記念撮影、とても素敵な写真が撮れました。
無事に咲いた桜も葉桜となり、次の出番は私達だというように、たんぽぽ、ツツジ、ハナミズキなどあちらこちらで、色とりどりの花が咲いていつもの道もキラキラとしてきました。 ある日の夕食、餃子が食卓にならびました。
私は、とちの実で餃子が献立にでると思い出す入居者様がいるのですが、そのエピソードを食後の余暇に話 題にした時のことです。
「私がここに来て間もない時、ある方のお皿にある餃子が物凄いスピードで減っていくので、〇〇さんは凄く餃子が好きなんだなと思っていたら、それらの餃子は全部床に落ちていたんです」と言った後、私の正面で静かに新聞を見ていたBさんが、「ハハハ」と声にだして笑い出したのです。そして「そりゃ、可愛そうね、ふふふ」といつも見たことが無いような楽しそうな顔で笑っていたのです。
その頃、私は新米で、餃子が食べられなかった入居者さんのことを支援することができなくて申し訳なかったと思っていたのですが、今は、このことで笑ってくれる方がいて、ちょっと救われた気持ちになりました。
些細なことでも、こんなに素敵な微笑みをされる皆さんです。
せっかく過ごしやすい季節になったので、散歩や買い物などへお連れできれば、もっと楽しい笑顔をみられるのではないかと思います。

09:39 | Posted by jizai

【初めまして。】  ぶなの実 カナルサビタ

2025年04月17日 | ぶなの実::ぶなの実3F

初めまして。ネパール出身のカナルサビタです。ぶなの実で働き始めて約1年が経ちました。

入居者さんと仲良く、楽しく過ごしています。スタッフのみんながとても優しく接してくれています。分からない事がまだいっぱいありますが、優しく教えてくれます。たまに苦手な事ももちろんありますが、介護の仕事が好きでこの仕事を選び、おじいちゃん、おばあちゃんの事が大好きなので、すぐ気持ち切り替えるようにしています。ずっとここで仕事を続きたいと思っています。そして、介護福祉に受かるために、頑張って勉強しています。

私は料理する事が好きです。前に牛乳と米から出来る料理を作ったことがあります。ネパール語ではkheerと言います。ライスプディングみたいな料理です。みんな美味しいと言って食べてくれたのが嬉しかったです。ネパール料理などを作って、入居者さんに食べてもらいたいです。

ぶなの実で働くことが出来て良かったと思っています。みなさん、本当にありがとうございます。まだ分からない事がいっぱいありますので、みなさん教えてください。宜しくお願い致します。

09:52 | Posted by jizai

【編集後記】  理事長 志寒

2025年04月17日 | 編集後記

ある事業所を訪れた際、とある入居者さんが「お酒が飲みたい~」と仰っていました。「おつまみは何にしますか?」「お酒は何がいいですか?」という職員の問いかけに、はっきりとご意見を仰っています。

そのやり取りについ参加してみたくなった私は「日本酒はどうですか?」とご質問すると「日本酒も美味しい」とのこと。そして「昨日も飲んだ!」と続けます。「誰と飲みました?」と尋ねると「知らない人!でも仲良くなった!」と。「桜も咲きましたのでお花見ができますね」との言葉には「昨日も花見したよ!」と返ってきました。

これらは必ずしも現実に起きたことではありません。ですが、いまこの会話のひと時、美味しいお酒、素敵な飲み仲間、美しい桜が咲き乱れる風景が、この方の心の中に広がっているのでしょう。それが客観的であるかどうか、事実であるかどうかなど、どうでも良いことと感じさせるくらいの幸せな光景。そしてその光景を生み出したのは豊かな感性、心の力です。

認知症当事者の佐藤雅彦さんは「認知症は不便だけど、不幸じゃない」と仰っていました。私たちの幸不幸、人生の在り様を決める主体は、私たち自身である。当たり前のことかもしれませんが、改めて学ぶことができました。

09:52 | Posted by jizai

【景色】  とちの実 林

2025年04月17日 | とちの実

先日、母方の祖母が介護施設に入居する事になりました。
私の母は息子とは違い凄く真面目でしっかりしており、祖母はその上位互換といった印象でした。しかし真面目な性格が災いしたのか、周りに迷惑をかけたくないとマンションで一人暮らしをしていた祖母ですが、ある時転倒して足を骨折してしまい半日以上倒れたままであったそうです。その時はセコムが異常を察知してくれたお陰で事なきを得ましたが、祖母はそのまま入院。手術が出来る年齢でもなく、リハビリはしていたようですが治るのはかなり先になるそうです。
上記の理由で一人暮らしが不可能になった祖母の介護をする事に抵抗はありませんでした。
所謂おばあちゃんっ子でしたし、この仕事での学んだ事も多少なり活かせるのかなと漠然と考えていたのです。
両親が当然のように介護施設の情報を集めているのを目の当たりにして私は理解が出来ませんでした。自分の親を知らんヤツに預けるって意味わかんないでしょ、普通に考えて。
私の母を施設に預ける事を想像すると尚更理解できず、腹も立ってきます。
ですがそれは母も同じでした。それでも24時間毎日介護は無理なのだ、と。『仕方なく』なのだと。

そりゃそうだ。生みの親で育ての親、母にとっての母なのだ。
そしてそれは、ここで暮らしている人達、その家族にも当て嵌まる事です。
世界中の介護施設は祈りの場なのだ。離れてしまうがどうか幸せに過ごしてくれ、と祈られて入居しているのだ。
カッコつけた言い方をしていますが、ハッキリ言ってしまうと『仕方なく』居る人もいるということ。そう感じた時に自分達が、入居者の方達に何をしてあげるべきで、何をしてあげられるのか。
自分は、祈りにどう応えれば良いのか。祖母に何を祈れば納得できるのか。
確かな事は、その祈りは届いていると私は伝えて欲しいのです。

考えも文章もまとまらないです。
とちの実 林

09:51 | Posted by jizai