この度ぶなの実を退職することとなりました。
これまで皆さんが何を考え、何をどう感じ、何を望んでいるかを考えてはきましたが、それぞれの方々から支えられ、教えられたりの日々であったと痛感しています。
そしてぶなの実を退去された、お三人。
この原稿を書きながら、涙がこぼれました。皆さん、本当にありがとうございました。
どうぞ、いつまでも、いつまでもお元気でお過ごしください。
2012年01月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F
この度ぶなの実を退職することとなりました。
これまで皆さんが何を考え、何をどう感じ、何を望んでいるかを考えてはきましたが、それぞれの方々から支えられ、教えられたりの日々であったと痛感しています。
どうぞ、いつまでも、いつまでもお元気でお過ごしください。
2012年01月02日 | とちの実
こんにちは。寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。この号がみなさまのお手元に届く頃には、新しい年、2012年になっていることと思います。
昨年は3・11大震災という悲しい出来事があり、原発事故の対応など、日本にとっては大きな転換を迫られる激動の年であったと思います。
とちの実では、6年間ほど生活されていた入居者様が亡くなられました。また個人的なことですが、自分の祖母が99歳の誕生日を2週間後に控え、亡くなりました。
人の死について、考えることの多い年でした。死は人間にとって平等に訪れるけれども、予期していたもの、心の準備のあったもの、一秒後の未来を考えていた矢先にやってくるもの、など様々で、そこは平等ではないと思う。災害や事故で命を奪われた方のこころの在りようを想像すると、無念という言葉が浮かぶ。
が、しかし、どうなのかわらかない。誰にも死が訪れるのなら、そしてどのように死ぬのかは誰にもわらかないのであるから、人はその時のことを考えるのではなく、今を生きればいいのかも知れない。それでも、災害や事故、戦争や貧困などが人の命を奪っていくのには、大きな虚しさを感じます。
人間って何なのだろう、何のためにこの世界にいるのかな。生きるってなんだろう、何のために生きるのかな。なんて考えたりするのです。
わたしは、40歳を前にして、未だにその辺のところが、よくわからないんだな。でも、何のためにという以前に、人が人間として日々の営みを繰り返していることに、とても魅力を感じるし、意義があるようにも思う。
ある日、テレビで見た、大震災で被災し、船も流されてしまった漁師の方の言葉がこころに残る。「自然の猛威には、こてんぱんにやられた。3月11日は負けた、ギブアップ。でも、その後は負けるわけにはいかないんだ」この言葉に、人間が本来持っている力強さをすごく感じる。いちどは、負けた。でも、その後は負けるわけにいかない。人間の、再生力を感じる。この、人間の生きる力、力強さに、おそらく死の虚無感は消えていくのだろう。
とちの実の入居者さんと接していると、このような思いを感じることが多い。人間の本当の力強さや、生きていく心構えであるとか、生活を営んでいくことのかけがえのなさとか。
今を生きていくという感覚が、こころの根っこになるように、日々生きていけたらいいなと思います。
2011年12月23日 | とちの実
こんにちは。とちの実の仲座です。今回は初めて旅行企画担当になった事を書こうと思います。
とちの実では10月25日に羽田空港日帰り旅行に行ってきたのですが、私自身初めての企画担当だったので何から手をつけていいのか分からず、てんやわんやでした。でも、チーフをはじめ、先輩スタッフの皆さんで協力してくださりなんとか企画書もでき、いざ出発!!となるとまさかのMさんが乗り気ではなくなっている・・・!!
私の頭の中では切ないBGMが流れてきそうなほど残念な出来事でしたが、自分の詰めの甘さにやってしまったーと申し訳ない気持ちで一杯でした。
Mさん、来年はぜひ一緒に行きましょうね♪
そんなこんなで貸切バスに乗って揺られる事1時間半。
その間バスの中ではレインボーブリッジやスカイツリー、高層ビル群や京浜運河などを眺め、気持ちも上がってきた所で空港の天ぷらやさんでご飯を食べ・・(Hさんいつも以上に美味しかったのか完食されていましたね)カウンターに座られていたSさん、すごく雰囲気がお似合いでしたよ。
食後は本日のメインである展望デッキへ。そこでの秋晴れの空と風と景色の心地よさといったら!Yさんもフェンスにしがみついてダイナミックな飛行機を眺められていました。
ここで私もかなり入居者様達以上に高揚していました。
いや~良かったね!!とKさんやTさんと話しながら大満足で帰る中、気になるのはMさんやとちの実で皆を待ってて下さっているKさん、残念ながら入院中で参加出来なかったYさんの事だったりホームに着くまでの緊張感もあったりと、あっという間な1日でありました。今回は日帰りでしたが1泊となるともっと日常ではお目にかかれないような表情が見れるのかな?と思うと頑張りたいと思う気持ちに繋がります。
今回参加された皆さん、本当に素敵な笑顔をありがとうございました^O^
2011年12月14日 | つげの実
11月9日に、つげの実で、日帰りの旅行に行ってまいりました。行き先は、品川のプリンスホテルで、地上38階の景色のよい懐石料理のお店で食事をして、その後に、アクアスタジアムという水族館で、アシカのショーを観覧しました。
食事は、個室でしたので、ゆっくりと落ち着いた雰囲気で、少し曇ってはおりましたが、すばらしい景色の中で食事をすることができました。本来は、コース料理で、1つ1つ料理がでてくるのですが、少しいつもとは違った豪華な気分を感じていただきたく、すべて並べていただきました。
普段は、少しずつ時間をかけて召し上がられるYさんも、すぐにぺロリと召し上がっておられビックリさせられました。
Fさんは、38階からの景色がとても気に入ったようで、食後、窓越しに座っていつまでも眺めていたいご様子でした。
アシカショーでは、それぞれ好みの席に座り、愛嬌のあるアシカの動きに、みなさん笑顔が多くみられ、ときには、ステージから、水しぶきも飛んできて、アシカの躍動感ある動きを感じることができました。
旅行では、毎年そうですが、入居者様たちの、いつもとは違ったお姿や表情を見させていただき、みな楽しんでいらっしゃったと思います。また、みなで元気に行かれたらと願っております。
2011年12月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F
10月末に、ぶなの実Bユニット初の旅行に行ってきました。目的地は日光!小学校の修学旅行以来です。
初旅行という事もありまして、かなりミラクルな一泊でした。笑が、ミラクルな事もありつつ、ホテルの部屋ではカオスな一夜を明かすという、、、笑
全てがお初なものですから非常に疲れましたが、とてもよい経験になりました。
して今回は、その中でも一番のミラクルな出来事をお話ししようかなと。
二日目は午前中にチェックアウトをし「華厳の滝」に向かいました。
華厳の滝は入り口からエレベーターに乗ります。エレベーターが着いた先には70段の階段があり、エスカレーターもなく、手すりが付いているだけです。
70段、、、往復で140段。凶器でもあり、狂気。
登り切るであろう入居者さんと、途中でリタイヤするであろう入居者さん…と、いった感じに職員もなんとなく予想しておりました。
ところが!リタイヤするのでは?と思っていたMさんは手すりにつかまりふらつく足に気合を入れて、最後まで登りきったのです。Mさんは盲目の為、日常の発言も、後ろ向きな事が多い方だったのですが、そんなMさん「観光客が多いから、迷惑にならないようにしないと。ここまで連れてきてもらったのだから、登りきりますよ!」とおっしゃったのです。
階段を登りきると、滝を前に、水しぶきを感じていたのでしょうか、片手を上げ、ゆらゆらと手を動かしていました。
更に、追加ミラクル!帰りの階段も、手すりにつかまり下りきったのです!
戻ってきた時のMさんの表情は「どうだ!」と言わんばかりに自信に満ち溢れていました。
これが、大人の男の余裕、、、美味しそうにソフトクリームを召し上がる姿。。。
付き添っていたチーフは「男気を感じましたよ!」と興奮気味。
私はMさんのケア担当なのですが、旅行での担当は別の入居者さんだった為、この現場に居ませんでした、、、チーン。泣
補足として、私は華厳の滝も見ることなく、旅行担当の入居者さんと、ベンチで日向ぼっこしておりましたとさ。
2011年12月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F
ぶなの実が開設して早いもので約1年半になりました。当時から働いている私は、今現在で12名の入居者様と出会い、いろいろな思い出が甦ります。
●目が見えにくいながらも声で聞き分け、スタッフの名前を全員覚えてくれていたSさんは、特別養護老人ホームから病院へ。「大和田さーん」と呼んで頂いた事、嬉しかったです。
●経管栄養でがんばり、力強く手を握って時々「おはよう」と言ってくれたTさんは特別養護老人ホームへ行き、お亡くなりになりました。あの朝は「今日も1日がんばろう」という気持ちにさせてくれました。
●胃がんでお亡くなりになったNさんは、最後に私と一緒に誕生会で、巣鴨地蔵まで行きました。今思えば、痛みをこらえながらも笑顔でいてくれたのですね。犬や子供が大好きだった事、印象的でした。
この3名の方は、もうぶなの実にはいらっしゃいませんが、元気をたくさん頂きました。ありがとうございました。
私事ですが、10月に母の親友が事故に遭い、1ヶ月以上経った今でも意識が戻りません。私にとっても、第2の母の様に親しい関係の方です。
目は開きませんが、かすかに口や手は動き「まだ生きていたい」という想いが、手の温かさや握ってくれる力の強さで分かります。「生きていく力」はすごい!
現在、入居されている9名のぶなの実の皆さんも入・退院を繰り返される方が多いですが、奇跡を何度も見せてくれます。支えていきたい方が、私の周りにはたくさんいらっしゃいます。そしてまた、私も多くの方に支えられて、生きています。奇跡を信じて、私に出来る事は力になりたいと、毎日を送っています。
皆さん、これからも宜しくお願いします!
2011年11月23日 | とちの実
こんにちは、とちの実の西田です。寒い季節となってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
9月の話になりますが、敬老の日に合わせてとちの実でも敬老会を行いました。
とちの実の最長老Tさんに乾杯の音頭をとっていただき、注文してあった懐石弁当を頂きました。そのお弁当箱に宮内庁御用達(!)という文字を見つけて入居者さん達も盛り上がって、普段よりも少し贅沢なお食事を楽しまれていました。
お食事をとることの出来ない入居者さんにはアロマのお花を贈り香りを楽しんでいただきました。Kさんのお部屋は現在チェリーの優しい香りで包まれています。
せっかくなので、全体で楽しめる何かを贈りたいと思い、どんなものが喜ばれるのか考えをめぐらせましたが、これがなかなか定まらず、入居者さんたちにリサーチしてみたりスタッフにアドバイスを求めたりして、童謡や歌謡曲などのCD、カラオケセット、落語やお笑いのDVD、などなど色々と候補が上がるなか、結局「男はつらいよ」のDVDを贈りました。
どんな物を贈ったら、どんな反応が返ってくるか、贈り物を選ぶ時はいつもドキドキします。相手のことを、笑顔を考えて、思案する時間は楽しいです。
今回は私と違う時代を生きている方々、手に取るCDやDVDのタイトルも、明治、大正昭和と幅広く、私の知らないものばかり。寅さんは時代背景が入居者さんに受け入れやすいかな・・・と考えて購入しました。
敬老会当日はバタバタしており落ち着いて鑑賞できなかったのですが、後日、寅さんを見ると、その時代に触れたような気持ちになり、とちの実の皆さんもこんな雰囲気の中で生活していたのかなあ?と想像が膨らみます。
今年は恐ろしい震災もあり、家族や友人など身近な人々と向き合うことの大切さを強く感じました。
贈り物を考えながら入居者さん達へ思いを馳せる時間も、向き合うことへ繋がっていくと思います。人と人との繋がり、向き合うことをないがしろにせず、ひとつひとつ築いていきたいと、皆でのんびり寅さんを観て、敬老の日の贈り物から、そんなことを改めて考えさせられました。
2011年11月14日 | つげの実
今年もあと、残り少なくなり、あっという間の1年だったと感じています。
入居者さん達みなさん協力し合いながら、食事を作ったり掃除をしたりしてくださり、みなさん、手際よくやってくださっています。男性の入居者さんも料理はしたこと無いと言いながら野菜を切ったり、盛り付けまで最後まで丁寧にやってくださいます。
夜には、最近読んでいる本の話を色々してくれる入居者さんもいます。映画や音楽の話をよくしてくださり、イングリッドバーグマンがお好きと仰っていたので、先日、家にあった「ガス燈」のDVDをお渡しすると大変喜んでくださり早速観てくれていました。他の入居者さんとも映画でも観にいきたいなと思いました。
今年は大地震もあり、入居者さん、スタッフみんなで外へ避難したこともありました。その時は、こういう時はどうすれば良いのか色々考えさせられました。
今年も残り僅かですが、つげの実の入居者さんが毎日元気に健康で過ごしていただきたいです。
よろしくお願いします。
2011年11月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F
こんにちは、ぶなの実Aユニットの井口です。ぶなの実のFさんの事を紹介させていただきます。
Fさんは、今年の7月から体調不良で1ヶ月ほど入院して体重が10キロ以上やせて入歯も入れられず食事を口から摂ることも出来ず寝たきりの状態で退院されました。
私がFさんと会ったのは退院した2日後でした。
他のスタッフには、「かなり出来ないことが多くて知らないと言われたスタッフもいた」と聞かされました。
でもお昼寝をしているFさんの様子を見に行ったときに、私に気付いて第一声が「ご飯まだなの」でした。そのあとも「美味しいもの食べさせてよ」「ここでは、ご飯だけが楽しみなの」と入居当時に一緒に料理していて私は料理を作る人というイメージがあるようです。
でも実際には、トロミをつけて水分摂取したり、料理はミキサーにかけて細かくして見た目も悪く美味しくないとがっかりさせていました。
数日たち目の前でホットプレートで焼きそばを作り、取り分けてミキサーにかけていると、置いていた菜箸でホットプレートから焼きそばを食べ始めました。
すぐに気が付きましたが嚥下を上手く出来たことから、そのまま食べていただきました。
それから1ヶ月、段階を踏みながら皆で意見を交換し見極めながら、今では普通に食事が出来ています。
林田代表からは病院では個々に対応できないことも多く、やらないことが増えて退院後には能力がかなり落ちてくることはあることだ。
でも元の環境に戻り退院前の生活環境を思い出しながら、ご自身で今までしていた生活を作り出すことが出来るのがグループホームの良いところだと仰っていました。
もちろんご自身の努力もすごいですが、声をかけ、一緒に過ごす他の入居者様やスタッフがいて1つの形になるのかなと考えます。
まだまだ未熟ですが、これからもFさんが出来ることが増えるようにお手伝いしたいと思います。
現在のFさんは排泄チューブをつけていますが、スタッフが協力することで掴まり立ちや伝い歩きが出来るようになりました。
2011年11月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F
早いですね~!私は以前、勤めていた会社が倒産となり、失業保険と蓄えで、のんびりとは言いませんが、マイペースに職を探しておりました。
そして、求人広告で見つけたのが、この会社(有)自在です。資格もなく、介護経験など全くない状態、しかも認知症の症状など知るはずもなく、この会社に採用されました。
惹かれた理由は、なんと言っても事業所のネーミング!
きみさんち・のんびり家・お寺のよこ・とちの実・つげの実・そしてぶなの実!なんとも癒される名前なんだ~と、いいじゃん!と…でも、果たしてこの私に介護が勤まるのかと、不安もありました。…が、思い切って飛び込みました。
採用です!やった~!との事で、今に至るわけですが…
最初は、Aユニットでお世話になりました。
Aユニットは比較的落ち着きがあり、何だか女子寮の雰囲気があり、楽しい毎日を過ごさせて頂きました。「私、むいているかも…?」と思ったのも確かです(笑)
ですが、私が担当するのはBユニットでした。Aユニットとお別れするのは寂しいけれど同じ建物だし、がんばろ~ってな具合に、甘く考えておりました。
Bユニット開設当時、最初に入居されるAさんは、代表いわく「最強(とても生きる力の強い方)が入居されるかも知れない」と、そんな事も聞かされた事を覚えております。ですが、そんな事言われても、あまりしっくり来ず、まぁ、私の考えも甘かったのか…実際、とても強い方でした(笑)…いや、他にももっと凄い方はいらっしゃるかも知れませんが、私の中では最強でした。
Aさんが入居された初日も(細かく話すと長くなるので省略)圧倒されました。
入居されて何日目かのある日、自宅へ帰りたいという思いが募ってすごい勢いで、出て行きました。ですが、行きは何事も起こらず、無事だったのですが、帰りに事は起こりました。
帰宅途中にその知人が居るとAさんが言われ、知らないビルに入って行かれたのです。
私は焦りで、パニック状態でした。ビルの中の社員の方達が一斉にこちらを見るし、知人が見当たらないのを確認すると、2階に上がり、また探そうとされる。
そこの社員の方には「何の御用でしょうか?」と聞かれ、その間に私はAさんに精一杯、ここには知人が居ない事をアピール!…ですが、自立支援!という事が頭をグルグル!!どうすりゃいいの~(泣)
この時は正直辞めたくなりましたね(笑)対応の仕方が分からなかったのです。
今なら、もっとうまく出来ますが…(笑)
私達も人間です。分かっているけど、うまく感情のコントロールが出来なかったり…
基本的な事ではありますが、まずは人には欲求があり、私たちを必要とされる方は認知症だという事を頭に置いておくことですね♪