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【自然な笑顔】  とちの実 渡邉

2025年05月07日 | とちの実

2025年 桜が開花するまでは厳しい寒さがありました。
3月中旬の朝、気温が一気に下がり、大粒の白い塊が降りつづきあっと言う間に地面は真っ白くなりました。
居室から居間に来られたAさんに、「Aさん、ここに来てください」と吐出口の窓際に手招きました。Aさんは普段から発語が少い方です。何を呼んでいるの?何なの?という表情で近づいてこられました。窓の外を指さして「ほら、雪」と言うと、一瞬驚いた表情から、(うわぁ雪だ)と言うように顔がほころび「凄いね」と言いながらほほえんでいました。
しばらく落ちる雪をながめていたので、雪景色をバックに記念撮影、とても素敵な写真が撮れました。
無事に咲いた桜も葉桜となり、次の出番は私達だというように、たんぽぽ、ツツジ、ハナミズキなどあちらこちらで、色とりどりの花が咲いていつもの道もキラキラとしてきました。 ある日の夕食、餃子が食卓にならびました。
私は、とちの実で餃子が献立にでると思い出す入居者様がいるのですが、そのエピソードを食後の余暇に話 題にした時のことです。
「私がここに来て間もない時、ある方のお皿にある餃子が物凄いスピードで減っていくので、〇〇さんは凄く餃子が好きなんだなと思っていたら、それらの餃子は全部床に落ちていたんです」と言った後、私の正面で静かに新聞を見ていたBさんが、「ハハハ」と声にだして笑い出したのです。そして「そりゃ、可愛そうね、ふふふ」といつも見たことが無いような楽しそうな顔で笑っていたのです。
その頃、私は新米で、餃子が食べられなかった入居者さんのことを支援することができなくて申し訳なかったと思っていたのですが、今は、このことで笑ってくれる方がいて、ちょっと救われた気持ちになりました。
些細なことでも、こんなに素敵な微笑みをされる皆さんです。
せっかく過ごしやすい季節になったので、散歩や買い物などへお連れできれば、もっと楽しい笑顔をみられるのではないかと思います。

09:39 | Posted by jizai