百聞は一見に如かずという言葉があります。当法人では、ご家族に入居者さんの生活のご様子をお伝えするために、各事業所の日常をそれぞれに写真に残しています。たとえ一枚の写真でも、撮影時の入居者さんのご様子から、事業所の雰囲気や支援の在り方がそれとなく伝わってきます。また、そのように撮りためた過去の写真を眺めていると、折々の入居者さんのふるまいや口癖、得意料理、自慢話、この世を旅立たれる間際の姿までが浮かんできます。お一人お一人の人生の歴史に比べれば、長くて十数年の生活はその歴史のごく一部なのかもしれませんが、それでも、大切な一瞬一瞬を残してくださったことが たまらなく嬉しく感じます。泣いたり、怒ったり、不安になったり。認知症の症状が見られた日もあれば、それでも満面の笑顔で過ごした日もある。そしてその笑顔の時間の方がずっと長かったことを思い出して、そのことに勇気づけられ、励まされ、日々の支援に精一杯に向き合うことができるのです。その写真の中には 私自身が映っている写真もあります。若かったな、瘦せてるな、髪が多いなと嘆きながらも、どんな爺さんになるのだろうと、少し楽しみにもなります。