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2018年05月05日 | 編集後記
今年は、冬が厳しく、また寒暖の差が激しいせいか暖かさに体が慣れるのに時間がかかっている気がします。
寝ても寝ても眠いですし、「仕事したくない病」にもすぐにかかってしまいます。
そんなある日、私の親しい友達から「しばらく沖縄に行こうかな。」と話をされました。
最長3か月程度行くということなので、想定外でした。私は、てっきり数日のはなしだと思っていました。
同じ時代にグループホームを立ち上げ、頑張ってきた友達のこの発言にかなりびっくりして、機会を変えて3回話を聞きました。
最初は、燃え尽き症候群になって、もう経営をしていくことに疲れたのかと思いました。
会社の規模も同じぐらい、同じような課題や問題を抱えてきて、そのことを相談しあってきた友達です。ここ数年、本当に職員が足りず、また、入職してもあっという間に辞めていく。と言うことの繰り返しで、私たちもほとほと疲れましたし同じような境遇の仲間と話すと、いつもこの話になります。
ですので、燃え尽きるのも仕方ないと思いました。
しかし、話を聞くとそうでもないのです。彼が言うには「これから10年15年と頑張るためには、ここで、ゆっくり今後のことや自分のことを考えたい。」とのことでした。
彼は、いつも仲間が周りにいる人です。しかも、一人暮らしをしたことが無く、一人の時間がどうしてもほしくなったようでした。
学生の時に一人暮らしをして、人恋しさや寂しさを味わった私からすると、「??」と思うことですが、彼は真剣でした。
家族もいて、会社もある中で一大決心だと思います。
孤独を味わいながら、「人を支える。」というこの仕事のことを考えるのは、確かに必要だと思います。
これから先、まだまだ問題は解決できないでしょう。しかし、粘り強く対応して行くには、本当に自分たちが行わなければならないことを私も考えて行動しなければならないと強く考えます。
その友達が、元気な顔で考えてくれたことを楽しそうに話してくれるのを楽しみに待ちたいと思います。(林田)
2018年05月05日 | つげの実
つげの実、「女の戦い」がついにパート4まで続いています。
今回は、つげの実での女性利用者様3名の関係です。(うちら陽気なかしまし娘~♪だれが呼んだか知らないが~♪女3人寄ったら~♪。女性漫才師でこのように歌っている3人組いらっしゃいましたよね。)
よく、3人グループというのは、ケンカをすると、決して3人バラバラにケンカするのではなく、ちょっとしたややこしい関係になりませんか。
私がその3名の利用者様を拝見して思った事です。
2人の利用者様がケンカをすると、その3人目の利用者様を味方に付けようとします。例えば、ケンカをしたおひとりのほうは、3人目の利用者様にわざと、よく話しかけ、仲の良いところをケンカ相手に見せつけようとします。それと、お互いに3人目の利用者様に相手の事(ケンカの原因)を話します。3人目の利用者様は、そのケンカをしたふたりから、相手の良くない所を聞かされるのです。その3人目の利用者様は、とてもアネゴ気質で仲間意識が強い方と見受けます。それぞれの話をちゃんと聞いてあげています。きっとそれぞれに思うところがあるのでしょう。
ただ、少し冷却期間があるのですが、そのうちいつのまにか、また元のように仲良しの陽気な「かしまし娘」に戻っているのです。女性とは全く・・・。
基本、平和主義な私は毎回ヒヤヒヤしながら仲裁に入ったり、ある程度当事者同士でと見守ったりと・・・(ふーっ)。
しかし、3人組(トリオ)というのは、このように誰か一人が間に入り調和が取れているのでしょうね。二人(コンビ)や四人(カルテット)だと真っ二つに分かれてしまうので、別れてしまうと仲
直りの修復が難しいような感じがします。トリオが一番調和がとりやすいのでしょうね、きっと(笑)。
それでは、また・・・。
2018年05月05日 | とちの実
先日、書店にて、死に方について書かれている本を見つけました。
「死」というと、余り良くないイメージですが、その書籍はイラストが殆どなので、どちらかというと楽しく読めました。
宗教や国によって考え方は違いますが、私個人的には『神様(という表現もいいのかわかりませんが)から「修行をしてきなさい」と言われて何度も生まれ変わる』という考えです。
「介護の仕事をしたい!」と思って飛び込んだ介護の仕事ですが、初めての職種で辛くて何回も辞めたいと思いました。
ですが、月日が経つと少しずつ出来ることも増え、入居者様とのお互いの距離感が分かるようになり、楽しいと思えることが増えました。
辛いことも楽しい事も、この時代に生きている私に与えられた修行なのでしょう。
今ここで一緒に過ごしていらっしゃる入居者様も、とちの実のスタッフも、みんな生まれ変わって出会っているのだと思います。
入居者様とスタッフの人生の一部に少しでも一緒に過ごせた事を嬉しく思います。
お互いに同じ様に思っていただけたら嬉しいです。
そして次の時代でも今まで関わってきた人たちと出会いたいので、生まれ変わってもまた『私』でいたいです。
2018年05月05日 | ぶなの実::ぶなの実3F
2018年が幕を開け、早くも4ヶ月が過ぎようとしています。季節も冬から春へ、暖かい季節となってきました。そんなぶなの実の皆さま、職員も含め大きく体調を崩すことなく元気で過ごしております。
さて前回、どっこいしょの記事にさせていただいたご退去されたKさんに、職員3名と一緒に会いに行って参りました。東京の西の方の施設に移られてから約3ヶ月が過ぎた頃にお会いしたのですが、相変わらず?私にはツンツンした態度と申します
か、いつものKさんのご様子でした。私は「そうそうそれそれ!」と心の声(いや、声に出していました。)が出ました。男性職員にはとても優しい雰囲気を出すKさん。それもいつもと一緒でした。
Kさんに会いに行くまではどんな風に変わっているのかとても心配でしたが、それほど変わられていないKさんにお会いして安心しました。勝手な想像ですが、大型施設に行くと寝たきりになってしまうという発想がありました。Kさん自身の生きる力もありますが、職員の皆さんの力でもあることに感謝したいです。
2018年03月28日 | 編集後記
先日、あるYouTubeを見ていたら、「その職業を選んだ理由は楽だから。」と話している人がいました。確かに、長時間働くことが良しとされた時代ではありませんし、私も長時間労働をただ行うことは反対です。
しかし、楽という概念を上位に挙げていくことは、少し立ち止まらなければならないかなと思うこともあります。
楽と言う言葉の中には、思考をしない。と言う要素も入ってきます。考えるということは、実は非常に疲れる行為であり、体力も必要とします。
人間は、他の動物と比較して大脳を進化してきました。その代償として大脳のエネルギー消費率は、他の器官よりとびぬけて大きなものになっています。つまり、燃費が悪いのです。
燃費が悪いということは、お腹が空きやすいのです。日本人が飢餓から脱却したのは戦後の話です。それに引き替え
飢餓は何万年も続いてきました。ですので、人間の脳は、お腹が空くことを避けるために必要でなければ考えることをしなくなるのです。
しかし、これからは考えずに済むということが世の中を大きく変える可能性があります。
AI(人工知能)の存在です。
せんだって、AIに関する二つの番組を見ました。一つは将棋の世界、もう一つは機械が故障した時の対応に関する話でした。
どちらとも、AIの対応は人間と同等もしくは人間以上の能力を発揮するようになっています。どちらのAIも当然自己学習能力がついています。それを開発した方々が話をされていたのですが、どのようなプロセスで、どのような考えで、実際の行動(将棋では指し手、故障の対応でしたら必要な物品の選択)を取ったのか、説明ができません。と言われていました。
つまり、人間が考えることをしなくても、AIが考え対応してくれる時代はそう遠くないのです。そしてその対応力は、すでに人間以上の能力を持ってきているのです。
そうしたら、楽(考えずに済む)を基準にしたら、そのほとんどをAI任せにしていくことになります。
私たちが、認知症対応型共同生活介護という事業に対し、「有する能力に応じた自立」を目的に2000年から方針転換をしたときに感じたことがあります。
考えなくてよい生活は、入居者さんたちにとって楽なのだと。しかし、自分で考えて行動することを奪われた入居者さんは、生きているのではなく、生かされているように見えます。
人間は、飢えと闘いながらもなお、考え行動し生き抜いてきました。それは、命をつなぐことであり、その対価として満腹の幸福感のほかに、達成感や協力する喜びを得てきたのだと思います。
AIが生活に入ってくることは避けがたいでしょう。しかし、自分で考え行動するということの重要さと喜びを決して忘れてはいけませんし、まして、自分が、支援者であるにもかかわらず、人が考え行動することを奪うことは許されません。
AIが一般化するなかで、本当の意味で人間らしい仕事というものは、私たちのような職業に残っていくのではないかと思っています。(林田)
2018年03月28日 | つげの実
入居されてから外部のご友人と麻雀旅行へ出かけるNさん。
多い時では毎月。「今回は負けちゃった。でも楽しかったー。はやく次も行きたいよ。」と笑いながら話すNさん。
あの日、私は新宿駅までNさんを送ることになり、一緒に行きました。つげの実を出てから駒込駅まで歩く。切符を買う。電車に乗って新宿駅まで。
サクサク行動するNさんのうしろをついて行く、私、新山。新宿バスターミナルでNさんのご友人を待つ。かなり待ちました。Nさんから聞いていたご友人の方をイメージしてた通り黒服に包まれた、芸能人なみにオーラを放った3人組が向こうの方からやってくるではありませんか。
(おおお、めっちゃかっこよすぎるやろーー。と新山、心の声がなぜか関西弁になる。笑)
私は「Nさん、もしかしてあちらの方が、ご友人様ですか?」と聞くと「おーーーーー。」と席を立ちご友人と抱きつくNさん。
その時、つげの実で見せる顔から別の顔を見せたNさん。キリッと背筋が伸びる。
そして新山が「はじめまして。新山と申します。宜しくお願い致します。ペコリ」と挨拶をすると最高高齢者のご友人の方が丁寧に挨拶すると他のご友人の方も続いて挨拶。
短い時間でしたが、その神秘的な空気に触れ、Nさんのかっこいい生き方をイメージした通り一致した瞬間でもありました。「いってらっしゃいませ。」と新山は、つげの実に戻る。
後日帰ってきたNさんに話を聞いたところ、その麻雀旅行は20年続いているそうです。
2018年03月28日 | とちの実
今年のお正月は、初めて担当になり、元旦に皆でおせち料理を頂きました。
お正月らしいお花を飾り、女性の入居者さんは、「きれいだね、松があるからお正月らしね」と、喜んでくれました。
綺麗に盛り付けられたおせち料理を、皆さんお腹いっぱい食べました。そして、11日に新年会をすることになりました。
お寿司を食べて、プレゼントを配ることになりました。プレゼントの中身はそれぞれで、その人が使えるものにしました。タオルやカップ、お皿とそれぞれでした。プレゼントを配る時の、皆さんのキラキラした目がとても印象に残
ます。貰った袋をしっかりと握っている人、すぐに開けて隣の人と見せ合う人、皆さんそれぞれに楽しそうでした。
悩んで選んだ物もありましたので、良かったと思いました。
その後、カルタをしたり、紙のピーピー笛で遊んだりしました。やっぱり、何歳になっても女性は、お花とプレゼントが好きという事ですね。
ステキな笑顔が見られた一日でした。
2018年03月28日 | ぶなの実::ぶなの実1F
OKさんに献立を尋ねると「私はなんでも良いよ」「みんなと一緒で良いよ。」と仰り、自分の希望を仰ることはありませんが、お菓子を選ぶ時だけは特別です。
夕食の買い物に出掛けた際、お菓子売り場が目に入ると「ちょっと待って!あのお菓子見せて!」と仰り、積極的にお菓子を手に取ってじっくりご覧になられます。
中でも甘いお菓子が大好きで、同じくお菓子好きな私と趣味が合います。そして、「甘いものと一緒にしょっぱい物も買って行こうよ」と、太る道への甘くてしょっぱい言葉を仰います。
そんなOKさんは、買い物に出かけると、普段、お話をされない昔の事やご家族の事などをたくさん話されます。そうすると、どんなに店が混んでいてもニコニコ笑顔の上機嫌で帰宅され、とても満足そうなご様子です。どんな重い荷物でも「大丈夫、大丈夫」と仰って、沢山持ってくださいます。
OKさんはお身体の関係で、車いすで生活をされています。出かけたいときや希望のあるときに実現できない事もあります。そういった生活の中でも「自分でできることは自分で」という強い意志を持たれています。生活支援の大半を私たちが代行することが多くなりがちですが、OKさんの強い意志や得意な事を小さな事でもいいのでたくさん見つけ、支援に繋げて行くことの大切さを学ぶことが多い日々です。
ただ…OKさんは最近、体重が増加傾向にあります。なので、お菓子は控えて頂きたいところですが、色々と学ばせて頂いていますので、ちょっと位なら良いかな…って思ってしまいます。これがお菓子よりも甘い言葉ですね。OKさん、今年は少しづつでも良いので運動もしましょうね。