log

【無法松の一生】  とちの実 中島

2020年07月13日 | とちの実

今年ご入居をされたAさんは、歌をうたうのがとてもお好きな女性です。
ご入居したばかりの頃は、余暇の時間に職員のほうからちょっと歌いませんか?とお誘いをする格好だったのですが、最近はご自分から「歌いましょうよ」としばしば仰り、日中、ふと気がつけば同じく歌のお好きなBさんと一緒に、歌の会を開いて楽しまれている様子が見受けられます。
お二人とも私の知らない時代の歌をうたっておられることが多いのですが、あるときAさんが、どこか馴染みのあるメロディーをお一人でハミングしていました。耳をそばだてて聴いてみると、村田英雄の無法松の一生でした。
じつはこの曲、かつてとちの実で十年間ほど生活をなさっていた、Kさんという男性の十八番だったのです。私も何度も聴かされて2番まで歌詞を覚えていましたので、歌ってみせると「ありがとう。わたしこの曲大好きなのよ」と、Aさん。Bさんもノッてきて一緒に何度も繰り返して三人で歌いました。
その夜、私がAさんの部屋を巡回したときにちょうどAさんが起きていらっしゃいまして「また無法松歌ってちょうだいね」との言葉を頂きました。Aさん、Bさんとの交流が一歩進んだ気がして、とても嬉しい出来事でした。
長く勤めているとこういうこともあるのですね。
Kさんありがとう!

10:39 | Posted by jizai

【時を経ても、決して消えない記憶に触れて。】  とちの実 倉島

2020年05月26日 | とちの実

ある早朝、早起きをした三名の入居者さんのお話の中で。
時間も早く、付近が閑静な住宅街な事から、皆この辺りは静かねぇ。と言った会話が続く中、一人がお歌でも歌いましょうか。と切り出した途端、この曲知っているかしら?これはどうかしら?と話に花が咲き始めた頃、徐々に時代が遡り、戦時中の歌が出始めました。そこから話題は皆さんの幼少期の話へと変わっていきます。蒸したさつま芋がご馳走だった事や、農家へ食べ物を分けて貰いに人が集まったこと、疎開をしている間に都会は軒並み焼け野原と化した事など、とても平成生まれの私にとっては想像し難く壮絶な物ばかりでした。あまり思い出したく無い記憶もあるかもしれませんが、今を生きる私達が目を逸らさず、伝え聞き、後の世代に語り継ぐ事が大切なのだと気付かされた気がしました。まだ介護の世界に入り三ヶ月足らずの身ですが、この少子高齢化の時代に自分に何が出来るのか、何を必要とされているのか、今一度考え直す、良い機会を頂いた一時になりました。

10:34 | Posted by jizai

【新型コロナウイルス影響の中】  とちの実 小谷野

2020年05月06日 | とちの実

新型コロナウイルスの影響でスーパーなどの買い物は職員が対応しており、入居者様の外出の機会が減ってしまっています。
例年恒例行事だったお花見も今年は中止とさせていただきました。
また、訪問は医療関係者のみと対応をしているで、ご家族との面会も断らせてもらっています。
入居者様に不便な生活を、また、ご家族の中には不安に思われている方もいらっしゃると思います。
ですが、ご家族にはケアプランと一緒に1ヶ月間でどのような生活をされているかを、文章と写真で報告させていただいているのですが、その返信にご家族から一言、職員に対して、感謝のお言葉をいただけると、このような状況の中、やりがいを抱く1つになっています。
屋内でしたが、花屋で花飾りを頼み、その花でお花見という形でパーティー的な事をさせていただきました。
今の状況がいつまで続くか不透明な状態ですが、入居者様に笑顔になっていただく機会を増やし、その様子をご家族に報告し安心してもらえるよう支援していきたいと思います。

10:29 | Posted by jizai

【居間で集う】  とちの実  渡邉

2020年04月07日 | とちの実

2019~2020年の年末年始にかけて、新しいご入居者さんが3名入所され3~4ヶ月過ぎようとしています。
ご入所当初、Aさんは帰宅願望が強く「帰ります。うちの者誰が迎えに来るかしら」とかなりの頻度で職員に質問されました。対応しても不穏があり落ち着きがありませんでした。いまでも、「何時に迎えにくるかしら」と口にされますが、同時期に入所されたBさん、Cさんと居間で会話をされている時間も長くなり、この間は、帰らなければならない事を忘れているようです。
BさんとCさんも、入所前はお部屋に閉じこもりがちの方だと聞いていましたが、意外と居間で長く過ごされています。それはAさんが日頃からよくおしゃべりをする方なので、Aさんの側で一緒にお茶をのんでお話をされています。
ご自分の加減でそれぞれの居室に戻ったり、居間にきたりされています。

ただ気になることは、この入所間もないご入居者さんに以前からいるDさんが加わったテーブルの座席はなぜか固定されたかのようになっており、古い入居者さんとの関わりが無いわけでは無いですが、少なく感じます。悪いふうに言うと他の人を寄せ付けないような空気を感じます。または、同時期に加わった者同士肩をよせあっているのでしょうか?

ただ、あまりにも同じメンバーで長い時間会話をしていると、帰宅願望があるAさんの不穏が現れたとき皆が影響され、それぞれが言いたい放題になって、「また同じことを言っている」とか、「帰らない、ここにいるはずだ」というようなみんなが頭の上にはてなマーク?をつけて会話をするので、不穏の渦が出来てきます。そうなる前に職員の介入が必要になってくる状況が発生することも、少なくはありません。

以前からいる方と新しいご入居者さんとの、コミニティー形成が課題とも思われますが、まだまだスタートしたばかりだし、それぞれ、その方らしく毎日のペースで過ごされていると思いますので、当面はこの居間でのご様子は見守らせて頂きたいと思います。

2020年の春は、新型肺炎の拡大でとんでもない自体になっていますが、近所の公園でも花見はできると思いますので、ご入居者さんが健やかに、明るい毎日過ごせるように努力したいと思います。

15:27 | Posted by jizai

【3人の方がご入居されて】  とちの実 中島

2020年03月13日 | とちの実

とちの実では昨年の12月と1月の2か月間で3人の入居者さんをお迎えしました。皆さん女性です。
まずはAさん。美容師さんです。会話がお上手で、「あなたその服の色ステキね」といった言葉かけをよくされています。褒められた人は必ず喜びますし、美的感覚もさすが鋭いなと思います。Aさんは日中は何度も「(家に)帰りたい」「帰らないと・・」「帰り方がわからない」と不安そうに仰います。職員としてはAさんに穏やかに過ごしていただくために、「パパさんが後でお迎えにいらっしゃいますよ」と、事実ではないことを話してその都度落ち着いていただいているのですが、他にもっとAさんにとってよいアプローチがあのではないかと考えているところです。
次にご入居されたBさんは物静かな方ですが、事務所の横を通るときにはいつも声をかけて下さいます。昔バレエをしていたそうで、なるほど、スラッとされています。日中、お部屋でカーテンを閉めてお一人で過ごされることが多いので、職員が訪問してお話しをしたり、食事作りにお誘いしたりといった働きかけをしています。ご入居当初、お風呂に入りたくないと仰ることが続いたのですが、女性職員達が粘り強く支援をしてくれたのと、ご本人の適応能力で、最近は納得の上で気持ちよく入浴をされることが増えているようです。
そして最後にご入居されたCさん。常時杖を使って歩行をされます。杖が必ず必要という入居者さんの対応をするのは、じつはとちの実では初めてで、とても勉強をさせてもらっています。階段も頑張ってお一人で上り下りされます。これからも永く歩き続けてもらえるように支援をしていきたいと思います。Cさんにとちの実のアルバムをお見せしたところ、私の昔の写真を見つけて下さり、「女の人みたい」「女の人だ」と繰り返して笑っていらっしゃいました。「妻は私のことをオネエだと思っていたらしですよ」と話すと更に笑っておられました。

慣れない人同士でやはり話がしやすいようで、最近のリビングの様子は、一方のテーブルにAさんBさんCさん、他方のテーブルには以前からの入居者さん・・・と、グループが分かれていることが多いです。
2ヶ月の間に3人もの方がご入居されたのは開設時を除けば初めてのことです。なるほど、コミュニティはこう変わることもあるのか。と感慨を覚えました。
新旧の入居者さんがお互い支え合って生活できるように、これから時間をかけてコミュニティの支援をして参ります。

15:17 | Posted by jizai

【学びの日々】  とちの実 佐藤

2020年02月24日 | とちの実

寒い季節になりましたが、今年は暖冬のようです。
とちの実では、新しい入居者様が3名加わり、バタバタしています。
新しい入居者様が安心して生活出来るよう、何が出来て何をお手伝いすれば良いのか見極めがとても大変です。
ですが、新しい入居者様たちの生活レベルの見極めの前に信頼関係を築き信頼を得なければ、生活レベルの見極めも困難です。
新しい入居者様たちへ、どう接し、信頼関係を築くのがベストなのか、未熟の私には判断が難しいところです。
現段階では、丁寧な言葉づかいと丁寧に接し、不安を与えないようにコミュニケーションを取ること。また、不安感が表情に出れば、話を傾聴する。
この繰り返しを日常生活では行うよう心がけています。
しかしながら、新しい入居者様達へ接する時間が長いと、今までとちの実で生活されていた現居住様たちが私達のケアが疎かになっているのではないかと、不安になることも度々起こります。
そのバランスを取るのが凄く難しく、経験の長いスタッフに助言を求めなんとか業務をこなすのに一生懸命です。
私が福祉業界に入りもうすぐ1年になりますが、3大介助に関しては人並みに出来るようになりましたが、入居者様たちとのコミュニケーションはまだまだ慣れません。
日々学びの姿勢で勤務してれば、いつかは入居者様たちとの信頼関係と良いコミュニケーションが取れると思い、頑張っています。

09:16 | Posted by jizai

【クリスマス飾り付け】  とちの実 平畑

2020年02月10日 | とちの実

12月7日にとちの実では、ご入居者様と一緒にクリスマスツリーの飾り付けをしました。
普段お食事されて、すぐに横になられてしまう方も、ツリーを見て、「私ここに飾る・・」といった感じで飾り付けの取り合いされているように見えました。
出来上がりは綺麗に飾ることができ、皆さんで「綺麗だねー」と言ってしばらく、目がキラキラされておりました。その後に、皆さんと一緒にプリンを食べながら「ローマの休日」の鑑賞致しました。女優さんがとても綺麗で、「いいわねー」とお話されている方もいらっしゃいました。鑑賞後、「サンタさんにお願い事はなんですか?」とスタッフの方が声をかけているのを聞いていたら、「何が良いかな・・・?」と悩んでおられていたので、私は、「私なら現金が良いですね~」と言うと、「現金いいわね・・・」と笑い声が聞こえました。結局皆さんはお願い事が沢山あったようで、決まらなかったようでした。笑
ホント、一年経つのが早かったです。お別れ、そして出会い・・・。
そういえば、私の実家ではクリスマスケーキというのがなく、母が作った餅が出てました。
いわゆる・・・クリスマス餅ですね。子供ながら、ケーキが食べれる家庭が羨ましかったです。その反動でしょうか?実家離れてからは、一人でケーキをワンホール食べると言った私の中の行事でした。とちの実ではクリスマスの日は何か企画あるみたいなので、あともう少しで、クリスマス。 楽しみですね。

08:24 | Posted by jizai

【クリスマス飾り付け】  とちの実 平畑

2020年01月10日 | とちの実

ファイル 460-1.jpeg12月7日にとちの実では、ご入居者様と一緒にクリスマスツリーの飾り付けをしました。
普段お食事されて、すぐに横になられてしまう方も、ツリーを見て、「私ここに飾る・・」といった感じで飾り付けの取り合いされているように見えました。
出来上がりは綺麗に飾ることができ、皆さんで「綺麗だねー」と言ってしばらく、目がキラキラされておりました。その後に、皆さんと一緒にプリンを食べながら「ローマの休日」の鑑賞致しました。女優さんがとても綺麗で、「いいわねー」とお話されている方もいらっしゃいました。鑑賞後、「サンタさんにお願い事はなんですか?」とスタッフの方が声をかけているのを聞いていたら、「何が良いかな・・・?」と悩んでおられていたので、私は、「私なら現金が良いですね~」と言うと、「現金いいわね・・・」と笑い声が聞こえました。結局皆さんはお願い事が沢山あったようで、決まらなかったようでした。笑
ホント、一年経つのが早かったです。お別れ、そして出会い・・・。
そういえば、私の実家ではクリスマスケーキというのがなく、母が作った餅が出てました。
いわゆる・・・クリスマス餅ですね。子供ながら、ケーキが食べれる家庭が羨ましかったです。その反動でしょうか?実家離れてからは、一人でケーキをワンホール食べると言った私の中の行事でした。とちの実ではクリスマスの日は何か企画あるみたいなので、あともう少しで、クリスマス。 楽しみですね。

18:03 | Posted by jizai

【まあ。のんびりいきましょう】  とちの実 小谷野

2019年12月18日 | とちの実

とちの実に今年で88歳になられた入居者様がいます。畑仕事をされていた方なので、足腰はしっかりしており、調理も得意でテキパキ行われています。
誕生日のお祝いに遠出して美味しいものでも食べてもらいたいなと思っていたのですが、4月に足を骨折してしまい、入院となってしまいました。お見舞いに行くと病院食があまり美味しくないとボヤいては、とちの実に帰りたいと言われていました。その後、リハビリ病院に転院しリハビリ生活。当初は10mほどの平行棒を往復するだけで、疲れていた様子がありましたが、1週間ほどするとあまり疲れた様子も無く、平行棒を歩く回数も増えていました。その後もリハビリを続け、フロアを理学療法士さんと一緒に歩かれるまで回復し、とちの実に戻られました。ただ、リハビリ含め約3ヶ月となった入院生活のため、体力の低下が見られており、外出するときは車椅子を押して行き、途中疲れた様子があれば座って移動してもらっています。
そんな生活の中でどんな事がしたいですか?と聞いたところ、「うーん。まあ。のんびりさせてもらっているからね。それで良いよ。」と今の生活に馴染んでいただいているようです。介護職員としては、骨折した以前と同じく元気な生活に戻って欲しいと思っていたのですが、『のんびり』という言葉にどこか焦っている自分が居たのかなと思いました。
今まで大変な人生を送られていた方なので、ここでの生活は『のんびり』とした生活をしていただければと思います。
ただ、来年の誕生日のお祝いでは美味しいものを食べに行ってもらいたいです。

08:11 | Posted by jizai

【新しい風】  とちの実 渡邉

2019年11月30日 | とちの実

とちの実では、7月から10月にかけてご退去される方がおられ現在は6名様の状況です。
短い期間に立て続きのご退去をされたので少し寂しい様子になっていました。しかし職員が一人増えた為、現任訓練期間でいつもの人員配置より多い日々を過ごしています。
全体的には人は少ないのですが、穏やかながらもにぎやかさを感じる様子があります。
その職員もなれてきた頃、昼食に外食したいと言う声があり、9月下旬に予定をたてましたが残念ながら当日は台風の接近で強風が吹いており、皆が屋内に居るしかない状況になりました。
そこで、退屈しそうな余暇をどう過ごそうかと悩んでいたところ、以前敬老会で行った「テーブルボーリング」の事を思い出したことと、数日前に桃をコンフィにしてヨーグルトに入れたデザートが好評だったので、ご入居者様との買い物で「また作りたいね」とみかんの缶詰を買っていたので、「ボーリングをして、後でデザートを食べよう」とご入居者様に提案したら、ほとんどの方が、快く参加すると言ってくださいました。
しかし、前回は部屋に閉じこもり、全く耳も傾けなかった男性のご入居者様(A様)は、どう言ってくださるだろうと気が重かったので自分が誘うのではなく、入職して間もない新人職員に、まずは「デザートを食べよう」と誘ってきて欲しいとお願いをしました。
A様は、意外と早く居間に下りてこられ、ボーリングの準備と他のご入居様が揃ったテーブルをなにげに見ながらいつもの座席にすわられました。
すぐさま、ボーリングを開始の声をあげ、「どなたが一番になげてくださいますか?」というとB様が目をキラキラさせてこちらを見ているので、お願いをすると少し笑顔で拒みながらも、すぐに立ち上がってボールを投げる位置にいかれました。そして、すごい闘志を燃やされ奮闘されました。そのおかげで他の方にもスイッチが入ったかの様に次々と皆様がボールを投げ、失敗するとガックと身体を崩して苦笑い、周りのみなさんも「あーあ」と残念がり、沢山倒されると全員で手を叩いてワーワーと大盛りあがりでした。そんな中、心配していたA様も時々、「ああしろこうしろ」と皆に発していました。勢いにのって、新しい職員たちから「次はA様やってくださいね」と声をかけると「オレは、やらないよ」と言いながらも、割と早いタイミングで立ち上がりチャレンジしてくれました。勢い良くボールをなげて沢山倒れると、皆から大きな歓声が上がりました。少し照れくさそうにしていたのがとても印象深いです。しかもこれまでのA様だと
考えにくかったのですが、2巡目もトライしてくださったのでとても驚きました。A様が皆の輪の中で溶け込んでいることが新鮮に感じられました。
疲れすぎないところでクールダウン、手作りデザートを皆で食べている間も興奮が冷めない様子でした。
ご入居者様の表情豊かな様子がみられて、新しい職員も驚いていましたが、私が感じたのは、顔ぶれも代わり、最近、少し雰囲気が変わったことが良い風を吹かせてくれたのではと感じています。
新たにお迎えする方がどのような風を吹かせてくださるか?
今は、とちの実の風を温かくしてお待ちしたいと思っています。

08:44 | Posted by jizai