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【十年選手】  とちの実 中島

2024年11月08日 | とちの実

グループホームの平均入居期間は3年なのだそうです(日本認知症グループホーム協会調べ)。とちの実に今現在の入居者さんの入居年数は計算したところ5.4年くらいでした。長くご利用を頂けてとてもありがたいです。
平均が5.4年なのでそれよりも長い人もいますし、ご入居半年くらいの人もいます。そしてなんと(?)、とちの実には 10年以上の入居者さんがお二人いらっしゃいます。おひと方のAさんは年が明けるとご入居丸12年です。ご入居時にはなかなか環境に馴染めませんでした。ハンガーストライキみたいなことをなさったり、俺はアパートを借りて出ていくと不動産屋(の前)まで行かれたりしていました。しかし、今ではすっかりとちの実の生活に馴染まれて、洗濯、掃除、食器洗い、お買い物と能力を発揮し、活き活きと生活をされています。最近は毎日のように私と、「Aさん、洗い物がたくさん溜まってますねぇ。誰かやってくれないですかねぇ?」『どうぞどうぞ、ご自由に!』「じゃあお言葉に甘えてAさんにお願いしようかなぁ」『えー!?』という小芝居みたいなやり取りをして笑い合っています。
もうお一人の十年選手のBさんも、来年でご入居から丸12年になります。ご入居時はまだ50代でした。ご入居前の面談で服用中のお薬を伺った際に「認知症の薬を飲んでいます」と仰っていたというのが印象に残っています。Bさんは元々医療関係のお仕事をなさっていたそうです。なのでご病気に関しての知識はお持ちでしょうから、ご自分のこれからのことに人一倍不安を感じておられたのではないかなと思います。遠慮しがちなお人柄のため、他の入居者さんに対して萎縮なさることがないようにと、皆気をつけて支援をしてきました。私が一緒に食材のお買い物に行ったとき、「お菓子も買っていきませんか?」と提案すると『やったぁ!』と言って喜ばれていたのが印象に残っています。とてもキュートな人だなと思いました。今現在はご病気が進行したことやお怪我の影響で、自力で動いたり意思疎通をすることは難しいご状態ですが、昔からお好きだったというハーゲンダッツアイスや音楽、サザン、ユーミン、竹内まりやなどは変わらず楽しまれています。
そして今年の11月で丸10年になるCさんもいらっしゃいますので、また別の機会にエピソードをご紹介させて下さい。こんな感じでお一人お一人の入居者さんを長年に渡って支援させてもらえているのはとても幸せなことだと思っています。

16:25 | Posted by jizai

【餃子が食べたいと申したか】  とちの実 林

2024年10月18日 | とちの実

先日、入居者様2名と一緒に近所の(餃子がメインの)中華料理屋に外食する機会がありました。切掛けとしましては、Aさんが前日「餃子が食べたい」と言われ、約束を交わす。Bさんは当日テレビで放送されていた中華料理特集を見ている際に「餃子が食べたい」と言われたのでお誘いした事でした。
まぁここまでは普通の出来事なのですが、いざ(餃子が店名に入っている)中華料理屋に赴き、メニューを手渡すと『野菜炒め定食』と『レバニラ定食』を頼まれたのです。セットではないので餃子は付属していません。
「え、餃子は?」と訪ねますが「野菜が好きだからいい」「これが食べたいから大丈夫」と返ってきました、そうですか…。
せめて私だけでも店の売りである餃子を食さねば無作法というもの(?)。餃子定食を注文し、食べ終えた所でお二人に尋ねます。
お昼に餃子を食べなかったので、お土産に餃子を買って帰り、夕飯をそれにしないかと。
二人の返事は「んー、まぁ別にいいけど」「まぁ何でも」でした。
あれ?「餃子かぁ…」みたいな空気?
腑に落ちない何かを感じつつ、お会計と一緒に餃子を購入しようとしていると「それじゃ足りないよ。たくさん食べたいからもっと買いなよ」と横から指示を飛ばしてきます。
どうやら、私には先輩方の真意を汲み取るのはまだ難しいようです。
精進しましょう。はい、頑張ります。
ちなみに王将ではなく満州の方です。現場からは以上です。

09:37 | Posted by jizai

【昔取った杵柄】  とちの実 倉島

2024年09月27日 | とちの実

昔タクシー運転手をしていたと言うMさんは、普段は寡黙で、自ら趣味や昔のお話等をされる方ではありません。ですが、この話題になると期間や車種の話など、会話のキャッチボールが弾みます。駅前のスーパーにMさん含め3人でお買い物に行った時には、タクシーとのすれ違い時に指を指しながら「おぉ、俺はあれやってたんだ。」と言う発言から、道中その会話を自慢気にされていました。
この方に限らず、皆様、スポーツであったり、料理や食べ物の話題であったりと、お一人おひとり何か しら心に強く残っているお話をいつもされています。
ですが、数人の方からはまだその何かを聞き出せず、会話が上手く弾まないといった事もあるので、その方のルーツや趣味を辿り、皆さんとの交流を深めなければと努力しています。
かく言う自分は平成の世に生まれ、まだ昔と言えるほどの年月も生きてはいないかもしれませんが、何か一つでもそういった自慢出来る物を作らなければと模索している今日この頃です。

10:50 | Posted by jizai

【コロナ禍を経て】  とちの実 小谷野

2023年07月31日 | とちの実

コロナ禍の3年間で生活習慣も変わりましたが、5月に新型コロナが5類に以降してから以前の日常を戻りつつあると思いますが、一番の違いが旅行などの遠出だと思いますが、コロナ過前は一年に一度は入居者の皆さんと遠出しており、ようやく今年に入り実施出来ることがありました。
ファイル 613-1.jpeg行き場所もスカイツリーと決まり、6/6と日程も決まると色々と準備もありますが、一番の懸念事項は天候。3月末にお花見に行ったのですが、晴れたものの気温が低く現地についてすぐに帰るという事態とありました。
ファイル 613-2.jpeg今回、晴天とはいかなかったもののまずまずの天候となり、入居者様の体調の変化も無く出発となりました。事故渋滞に巻き込まれ時間が押してしまいましたが、おやつを食べたり、おしゃべりしたり、各々バスからの景色を楽しんだりと意外とリラックスした雰囲気の中、スカイツリーに到着しました。
ファイル 613-3.jpeg昼食に予約していたお店に向かい、皆さんうな重を堪能され、普段、少 食の方も含め、ほとんどの方が残さず召し上がれていました。
いざスカイツリーの展望デッキへ。エレベーターへ向かう途中や待つときにすれ違った修学旅行生に対し、笑顔で挨拶されたりする様子が見られていました。展望デッキに着いて、「こわい〜」と聞かれましたが、時間が経つと慣れてきたのか、電車を見つけて「模型みたいだな。」と言われたり、アサヒビールの本社や新宿の高層ビル郡をみつけたりと眺望を楽しまれていました。
帰路は特になくスムーズにとちの実に帰宅となりました。
その後日も楽しかったなど笑顔で言わる方や、近所の方へのおみやげを配ったりに行ったりとされるなどの様子も見られこちらも楽しい気持ちにさせていただきました。

09:46 | Posted by jizai

【後悔しない最期をむかえる】  とちの実 渡邉

2023年06月30日 | とちの実

毎年のことですが、「GWは何処かいきますか?」「休みはいつから何日間?」などと、世の中は賑わっています。
実はわたくし、何故かこの時期、あまり良いことがないのです。
今年も残念なことですが、入居者A様と永遠のお別れをすることになってしまいました。
A様は、かなりのご高齢ですが、ユーモアもあるお元気な方でした。しかし昨年の夏、脳梗塞を患われ入院されました。そして数ヶ月後、とちの実に帰って来られましたが、車椅子の生活を 余儀なくされ、暮らしは以前とは一変されました。
そして4月の中旬から水分がとれなくなり、点滴の処置を受けることになりました。
ご家族さまは、お身体の状態について医師の話を聞かれたうえで、「とちの実」で最後まで過ごすとご判断されました。ご本人様も入院をすると家族に安易に会えなくなるということが大きく、「ここにいる」とおっしゃられました。
ある日の夜勤でのことです。体動が多く、ベッド柵に手を打ち付けそうになっているので、手を握ると私の手を握り返されたのです。そして、「あなたと一緒にいきたい、寂しいから」とおっしゃれました。
何か察しているのかと切ない気持ちになりました。
私は何と返答してよいのかわからないまま、手をにぎっていました。
別の日に、童謡をCDから耳元でながし、側で口ずさむと、一緒に歌をうたってくれました。その次の日も一緒に歌いたいと、同じように寄り添いましたが、少し顔を頷かせる様子だけでした。ゆっくり、ゆっくりと変化していくなか、約半月ほど、職員は入れ替わりですが、皆、誠心誠意をこめて支援していました。
ご家族様も、時間が許す限り面会をつづけておられました、きっと大事な会話が出来たのではないでしょうか?
そして、A様は、ご家族様の見守りの中で旅立たれたのです。
最期は「その人らしく」が理想ですが、運命は分かりません。A様の様にご家族に看取られることはごくわずかかもしれません。
だれもいつとは全く予測でききない分、どの立場でも素直に出来る限りの思いを伝えられたらいいなと思いました。

10:37 | Posted by jizai

【こんにちは】  とちの実 テー

2023年05月31日 | とちの実

とちの実で働いているテーです。
今やっている介護について書きたい思います。
そろそろ、来月15日になったら1年になります。先輩達優しくて教えたので、夜勤もできるし大変なこともなかったです。
とくには日本のおかずもよくわかるし、入居者さんのこともよくわかりました。
介護についてまだわからないことがたくさんあるあるけど、ゆっくり勉強しています。
入居者さんが、安心して楽しめることを、自分で決められてできるように支えるのが、私の仕事です。
介護の仕事は興味があれば毎日たのしいし面白い仕事です。
私にとって良い仕事だと思います。
それで入居者さんのために笑顔で毎日頑張っています。

15:11 | Posted by jizai

【お花見に行きました】  とちの実 中島

2023年04月30日 | とちの実

とちの実で毎年桜の時期に皆で出かけていたお花見。2020年から始まったコロナ禍でずっと中止を余儀なくされていましたが、今年はやっとやっとで石神井公園に桜を見に行くことができました。コロナ騒動が始まって3年数ヶ月、お花見はじつに4年ぶりです。4年の間で入居者さんのご退去、ご入居があり、今回は3名の入居者さんがお花見初参加となっています(体調の関係で行けない人もいました)。
さて当日はお天気にも恵まれまして、みんなでお弁当を食べて歌をうたって盛り上がり、公園内を散策して・・・ といきたかったのですが、今年は桜の開花が早く、あいにく日にちはまだ3月の末。季節が逆戻りしたかのように風は冷たく、「寒い!寒い!早く帰ろう!」と入居者さん満場一致。桜を横目におやつを食べて記念撮影をして慌ただしく帰路につくことになりました。
とちの実に帰ってからは、仕切り直してみんなで春の訪れを乾杯。お弁当を美味しくいただきました。
「・・・まぁ、行かないよりはよかったですね。」とAさん。
世の中的にもいろいろなことが正常化してきています。今年からは感染予防 に勿論留意しつつ、入居者さんにお出かけの機会を提供できたらと思います。

08:58 | Posted by jizai

【こんにちは!私はとちの実で働くのは1年になりました。】  とちの実 ヤダナー

2023年03月31日 | とちの実

日本では毎月お祭りの日がありますよね。ここでもお祭りの日ににゅうきょしゃさんのためにパーティーをしています。例えばクリスマスの日にクリスマスツリーをかざったり、せつぶんの日に豆まきをするのをにゅうきょしゃさんといっしょにしています。
私がにゅうきょしゃさん一人一人をゆうどうして、ドアを開けて「おにはそと」というて豆をなげました。なげるときAさんが楽しそうに見えるいい顔でわらてるし珍しい笑顔だからしゃしんをとっておきました。わたしたちもうれしかったです。これからにゅうきょしゃさんを幸せにして楽しく働きたいです。

09:20 | Posted by jizai

【年心機一転】  とちの実 林

2023年02月28日 | とちの実

一富士二鷹三茄子を初夢で見ると縁起が良いと昔から言われていますが、初夢以外でもそんなものは見たことがありません。皆様、遅まきながら新年あけましておめでとうございます。
早いものでこちらに勤めてから2度目の年越しでございます。務め始めと比べ、幾分かは様になってきていると良いのですが、現実はそう甘くはなく。良かれと思い行動したとて、相手からすれば余計なお世話。そのような齟齬が今でも起こってしまいます。お互い人間、ある程度は仕方がないと思います。
が、仕方がないで終わっては何も変わらず、どちらも停滞してしまうでしょう。
歩み寄る前に、相手の事情、背景、意思を連想し、お互いが解り合う事がまずは大事なのではないかと考えるようになりました。実践できているかは別として。
2023年、特に節目の年でも何でもないのですが、今年は去年よりも思いやり、相互理解を深め、より入居者さん達との仲を深められる年になれたらと思います。
まだまだ未熟ではありますが皆様、どうぞ今年も宜しくお願い申し上げます。
ただの抱負と新年の挨拶になってしまいました。

09:09 | Posted by jizai

【刻一刻と過ぎ去って行く時間。】  とちの実 倉島

2023年01月31日 | とちの実

皆様明けましておめでとう御座います。
昨年も桜が満開だ、今年の夏はそこまで熱くないね、と過ごしているうちにあっという間に過ぎて行きました。入居者の皆様は大晦日には「あらもう?」、新年を迎えると「もうお正月なの!?」と日々、時の速さに驚かれている様子です。そんな時ふと自分は思いました。とある哲学者の提唱した、「ジャネの法則」と言う物をご存知でしょうか?歳の若い者にとっての一年は、生きた時間に占める割合が多いのに対し、高齢者にとっての一年は今までの人生に対し占める時間がとても少なく、過ぎ去っていくのが極めて速く感じる。と言う理論です。まだ三十余年しか生きていない若輩者である自分でさえ時の速さに驚く中、入居者の皆様はどれだけ目まぐるしい時の移ろいを感じているのだろうかと。だからこそそれほど速く過ぎて行く時を、どれだけ充実した後悔の無い人生を送れるようサポートできるのか、改めて熟考し、考え直される年越しとなりました。
追伸:皆様がよく言う「人生○○才過ぎると何倍速」、そこから更に…。なんて会話をしますが、あれ、気の所為では無かったんですね(笑)

18:05 | Posted by jizai