先日、悲しいお別れがありました。11月9日にNさんが永眠されました。享年95歳でした。いつも4階に行くと掃除をして下さっていたNさん。Nさんが座っているのはほとんど見たことがありません。いつも「暇だから、何か仕事ない?」と仰っていました。また、仕事をお願いすると「ありがたや~。ありがたや~」と感謝をされます。今日はそんなNさんの事を少しお話ししたいと思います。
Nさんは2023年4月にご入居されました。ご入居前の面談記録を見て、驚いたのを今でも覚えています。なんと93歳!
ぶなの実では90歳を超えてからのご入居は今までなかったのです。最初、お会いするまではドキドキでした。ですが、その不安もNさんにお会いすると一気に吹き飛びました。歩き方もスタスタ歩き、食欲も旺盛、お話しも大好きで沢山お話をして下さいました。ご自身でもお話し好きが分かっていたのか、話が長くなってくると「以上、終わり!!」と話を切り上げていました。今では他の入居者さんや職員も話が終わった際には「以上、終わり」と話を締める事もあります。
また、Nさんに私が結婚した事をご報告した時には涙して喜んで下さったのを今でもはっきりと覚えています。「結婚する前は良く目を開けて見極め、結婚してからは目を瞑って耐えるのよ」とアドバイスも下さいました。私の結婚指輪を見るたびに「またそんなキラキラさせて~。でもあなたの方がもっとキラキラしているか!あっはっは~」と笑っておられました。また、「ここでも料理作って、家でもやらなきゃいけないのでしょ。大変ね」と気遣って下さいました。私が「ここではNさんが沢山やって下さるから、全然大変じゃないですよ」と伝えると、ゴマを擦る真似をして「またまた~、そんな上手い事言って。わしからは何にも出ないぞ」とよく仰っていました。
Nさんと過ごした日々はかけがえのない時間となりました。ここには書ききれないほどの沢山の思い出があります。節分の際には鬼を演じきられていました。Nさんの鬼は一味違います。最初は威勢よく「諸君、今年も鬼がやって来た!心しておくように」と仰っていましたが、皆さんに感謝の気持ちと優しさ、またユーモアを伝えてくれる鬼でした。笑いの絶えない豆まきでした。そんな優しい鬼が見られないのがとても残念です。おそらく天国から見守ってくれている事でしょう。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
