log

【一緒に過ごせたことに感謝です】   ぶなの実3F 森川

2012年05月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

Fさんが3月17日にご逝去されました。86歳でした。
Fさんはぶなの実に入居されてから、2度入院されています。
昨年6月、Fさんが妹様と昔よく行っていたという銀座へ、お誕生日の外出をしました。担当だった職員によると、いつも買っていたという老舗のモナカを久しぶりに食べることができて、とても喜んでおられました。また、屋根なしの観光バスの乗車を予定していましたが、朝から雨でした。ところが、お昼ごろには止み、そのバスにも乗れたそうです。とてもよい1日になりました。
それから約1ヵ月後、体調を崩し、一度目の入院をされました。
退院された時には、体力が落ち、少しの飲み物でむせるような状態でしたが、次第に回復され、同じく昨年10月に、ぶなの実初の一泊旅行へ一緒に行きました。旅館のお食事を美味しそうに召し上がっているビデオが残っています。退院してきた頃の面影は無く、その楽しい瞬間をFさんと一緒に過ごせて、私は幸せに思いました。
二度目の入院が旅行から約1ヶ月後の11月。最初のように、少々体調が悪くても、ぶなの実へ戻ってきてまた元気になってもらえると私は思っていました。
年が明け、雪が降り、春の足音が聴こえ始めた頃、Fさんはぶなの実へ戻ってくることができなくなりました。
お出かけも、旅行も、行く事ができた「あの日々」が、もう戻ってくることはありません。もちろん、行く事ができてよかった、と思えば、寂しい中でも嬉しい気持ちになります。しかし、こうして、今日一日もいつか「あの日々」になってしまうと思うと、言葉にならない切なさが沸きます。
そんな切なさを感じながら、Fさんと素敵なあの日々を一緒に過ごせた事を、Fさんに感謝したいと思います。ありがとうございました。

15:59 | Posted by admin

【Tさんの人と繋がる力の凄まじさ】   ぶなの実1F 佐藤

2012年04月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F

こんにちは、ぶなの実の佐藤です。
去年からしきりに「繋がる」という言葉が使われています。
僕は最近、CLUBに遊びに行ったりするのですがそこでは、本当にその場で会った人たちが仲良く腕を組んだり友達になったりと、繋がる事があります。僕はと言うと、その輪の中に入れそうで入れず、やきもきしている事が多く、そんな時はいつもTさんを思い出します。
Tさんは外出する事が大好きでいつも一人で外へ出かけて公園等へ行きます。そして、誰にでも道行く人には挨拶しますし話しかけて、最初は皆戸惑うのですが、何回かすると相手から声を掛けてくる。
今や、「この公園の顔ね」等と地域の方に言われる程です。
そんな、Tさんと先日買い物へ行った時に、いつも通りにTさんが荷物を持つとなったのですがちょっと重かったようで、信号待ちの時に「重いー、しっかりするんだ!この馬鹿バアサン!!」等と自分を激励されても、やはり重かった様子で「ダメだ!ちょっと、ここに置かせて」と全く知らないお姉さんの自転車の荷台に買い物袋を置いたのです。
僕は「えぇ!そんなのありか!!」と目ん玉が飛び出してしまい、そのお姉さんに何か説明せねばと動いたのですが、すぐさまTさんが「ごめんなさい、バカ婆さんで。お姉さんは綺麗ねぇ、うふふ。」と声をかけるとお姉さんは「ふふふ」と笑って、信号が青になりTさんが「どうも」と言い、お姉さんは「気をつけて下さいね」と言い去っていきました。その事が僕には凄い衝撃的だったのですがTさんは「普通じゃない?」なんて言っていましたが、僕には全く普通な事じゃなくて、羨ましい事で新たな世界を見た!という感じでした。
今度、CLUBに行った時はTさんの事を思い出せば、スッと輪の中に入っていけるような気がします。
この前、金髪の高校生と何やら話しているTさんを見ながら、そんな事を考えました。

15:58 | Posted by admin

【こんにちは。今回2回目の登場!!】   ぶなの実3F 前田

2012年04月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

「はじめまして。」
はじめまして。今年の1月10日からぶなの実でパートで働いている前田です。以前もグループホームで働いていた事がありましたが、ひとくくりにグループホームと言う施設でもこんなにも毎日の生活が違うんだなぁ。と感じています。ぶなの実で働き始めてまだ二ヶ月余りしかたっていませんが、この二ヶ月ほどで、いかに以前の自分は過剰な介護や自己満足の介護をしてきてしまったんだと感じました。
これからは、ご入居者様、一人、一人と少しずつ、ゆっくり向き合って一緒に生活をしていければと思っています。そして自分自身も成長して行きたいと思っています。どうぞ、よろしくお願い致します。

15:58 | Posted by admin

【こんにちは。今回2回目の登場!!】   ぶなの実3F

2012年03月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

前回はパートとしてでした。昨年10月から正社員になりました。パートも合わせますとぶなの実に働き始めてから1年半立ちます。あっと言う間の1年半でした。
1年半前は緊張と不安ばかりで毎日がドキドキ。今回は2名の入居者様について書きます。
始めに私のケア担当のOさん。
私が入社する1週間前に入居されました。私とOさんはほぼ同じ時をぶなの実で過ごしています。
Oさんはとても笑顔が素敵で気を遣ってくれます。なかなか本心までは伝えてくれません。何でも話せる中になるまでとことん付き合って行こうと思います。
続いてIさん。
Iさんは私の今亡き曾祖父にそっくりです。私の中でとても親近感が湧きます。
1年半前のIさんはとても静かで歩行状態もふらつきがあり食事量も少なく自分からは入居者様やスタッフに話しかける事はなく常にうつむいていて遠慮していました。今はとても明るく歩行もしっかりし食事量もおかわりするくらいどんどん食べます。冷蔵庫を自分で開け好きなものを食べます。
1人でお菓子やビールをコンビニまで買いに行きお部屋で食べたりと楽しんでいます。 スタッフをお茶に誘ったりと1年半前のIさんとは想像つかないくらい元気です。とても驚いてます。同時にすごく嬉しいです。
「今年はどんな事があるのかな?」って期待と楽しみを胸に秘めながら日々入居者様と一緒に過ごそうと思います。

15:58 | Posted by admin

【12月から常勤になりました!!】   ぶなの実1F 宝田

2012年03月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F

半年前このどっこい書を書いた時はまだパートでした、まだまだ未熟な常勤ですがこれからも頑張って立派な常勤になれるようにがんばります!!
そして今日はYさんの事についてお話をしたいと思います。
入居した当初はご飯もあまり食べず、職員が話しかけたりしてもあんまり笑ったりしてもらえませんでした。
どうすれば良いのか最初は手探りでいろいろ考えてみたけれど、結局毎日のように会い、一緒にいる時間が増えていくうちに笑顔も食欲も増えていきました。
いつも往診に来てくれる先生にも「最近Yさんいっぱい話すようになったし笑顔も増えたわね!」と言ってもらえるようにもなりました。なので大事なのはまず信頼関係を築く事なのかなぁ~って思いました。
でもいくら僕とかと話したりして笑ってくれていても、やはり旦那さんには敵いません(笑)旦那さんの顔を見た時や話しをしてる時のYさんの笑顔が一番輝いてますもん!
だから今年は少しでもその笑顔に近づけるように頑張りたいですね。
そしてYさんと言えばとっても子供が好きで、キューピー人形も5体くらいお部屋にあったりします。テレビで赤ちゃんや子供が出てくると、その子供の行動にあわせて、笑顔の子供には「あら可愛いわね~」とか、走ってる子供には「危ないわよ!」とか、ヨチヨチ歩きをしてる赤ちゃんには「ほらっこっちおいで~」などなど本当に子供が好きなんだな~って思います。だから今年はテレビじゃなくて公園とかに行って子供を一緒に見に行きたいと思います。そんな素適なYさん今年も宜しくお願いします!

15:57 | Posted by admin

【自宅訪問】   ぶなの実3F 小原

2012年02月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

12月にOさんの以前住んでいた自宅へ行ってきました。
何故そうなったかは、良くお家に妹さんが居るから帰りたいと言っていた事や、以前使っていた仕事道具を支援に使えないかと考えたからです。
自宅へ帰ったからといってすぐに問題が解決するものではないと思っていますが、少し気が楽になるのであれば…私が運転し、お家に到着。
さっそく、
「住んでいた兄弟は?」
という話。
私が、「もうおりませんよ…」としばし同じやりとり。
そして2階に兄や妹の部屋があると2階へ。
いないのを確認して、持ち帰りたい物をカバンへ詰め、階段を降りる。
歩行状態があまり良い方ではないので、どうするのかな?と思っていたら「座っております!」
と宣言してから、一段ずつ座って降りる…なるほどこれならまず転ばない。
1階でまたあれこれ話し、最終的に落ち着いたようで帰ってきました。
…と思いきや、ぶなの実に戻ってくるなり「ここ前と同じ場所じゃない。」と、しかめっつら。さらには、「広島の本家へ帰る」
Oさんがぶなの実が居心地のいい場所と思い、生活して頂けるにはまだまだ先が長そうです。
居心地の良いと思って生活して頂けるよう、長い目で支援していきたいと思います。

15:57 | Posted by admin

【Tさんの日常】   ぶなの実1F 鈴木勇

2012年01月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F

28歳を越えて以降、1日も1ヵ月も1年も早く感じてきました…。
ぶなの実で仕事をして約1年半たちます。
仕事をしていて挫けそうになることがあります。主に支援のこと、自分が思っていることを上手く説明できないこと、食べて、祈って(瞑想)、飲んでもストレス発散されない時です。
そんな時はある女性が私に言った言葉を思い出します。
「向き不向きをどう乗り越えるかは自分次第」
聞かされた時は心の中に溜まった不安な気持ちや逃げ出したくなる気持ちがスーッと抜けていきました。
「自分に向いてないな…。」って思うことでもまず、やろう!という気持ちになります。今でも仕事を続けていられるのはこの言葉のおかげです。
ぶなの実に入居して1年以上たつTさんは毎日朝から「何が何だかわからない!」と言い自身の頭を叩きます。
この行為は1年以上たっても変わらず、いつもどのような言葉をかけようか悩んでいました。黙って頭を撫でてみたり、「頭を1回叩く度に細胞が800個なくなるみたいです」と訳のわからないこと言ってみたり、今ではもう何も言わず、他の入居者さんが自然に「やめなさい」と言うのを待つようになりました。
誰もいなければ、「Tさん、ここはホームの中だけど、外にいると思ってごらんなさい、太陽の光、気持ちいい風、知らない人、南無大師、南無大師」と私は言います。
でも反応は薄いです。「誰よ!?知らない人って!」と言われます。
そんなTさんですが、外にいる時は凄く穏やかになります。太陽の光を浴び、風を感じ、深呼吸しているTさんは幸せそうに見えます。近所の方と話をしてぶなの実に戻ってくるのが日常です。この日常が変わらなければいいな~って私は思います。

15:56 | Posted by admin

【感謝】   ぶなの実3F 西村

2012年01月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

この度ぶなの実を退職することとなりました。
これまで皆さんが何を考え、何をどう感じ、何を望んでいるかを考えてはきましたが、それぞれの方々から支えられ、教えられたりの日々であったと痛感しています。

  • 働き者で何歳になっても女性ということを忘れずにいるチャーミングなYさん。夜中に起きてきて、様々な話しを聴かせてくださいました。

  • 眠いのに、トイレ誘導をした際、謝る私に「いや~あんたも大変だね~」と逆に労いの言葉を掛けてくださったNさん。

  • 外出の際、「前はあそこで休まないとここまで歩けなっかたんですけど、今は一気にここまで歩けるようになったんですね~」と。しっかりご自身の歩行を把握されていた男性のIさん。防災訓練等の皆さんへの素晴らしい挨拶、忘れません。

  • 大らかで、ウィットにとんだ会話に感心させられたIさん。カクアリタイと思わされること多くありました。体調の悪いFさんの背中を黙って擦る姿に涙が出そうになりました。

  • 私の手を握り、ご自身の額につけて「ありがとう」と感謝を表現してくださる笑顔のステキなOさん。

  • 常に孤独を抱え込みながら、辛口トークで強がっているKさん。体調の悪い方の世話をしながら、

  • 夜間のパット交換時、その旨を伝えると、「は~い、すみませ~ん」と返答してくださった失語症のIさん。その一言で私の疲れはフッ飛びました。

  • 「あなた私と一緒に暮らさない?私の家は広いわよ!」と誘ってくださり、「私は働きますよ」と意欲をみせてくださるSさん。

    そしてぶなの実を退去された、お三人。

  • 義姉様の感動的な絆の話にドラマや小説の様だと自らも語ってらした知的なSさん。

  • 自分の洋服にもかかわらず、盗ったと疑いをかけられ、自らそれを隠してしまったNさん。その理由と隠し場所を私にだけ打ち明けてくださったのは、つい昨日のことのように思い出されます。

  • 胃ろうだったTさんは、ベッド上で私が歌った民謡に合いの手を入れてくださいました。

    この原稿を書きながら、涙がこぼれました。皆さん、本当にありがとうございました。
  • どうぞ、いつまでも、いつまでもお元気でお過ごしください。

    15:55 | Posted by admin

    【男気というものです】   ぶなの実1F 鈴木佳

    2011年12月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F

    10月末に、ぶなの実Bユニット初の旅行に行ってきました。目的地は日光!小学校の修学旅行以来です。
    初旅行という事もありまして、かなりミラクルな一泊でした。笑が、ミラクルな事もありつつ、ホテルの部屋ではカオスな一夜を明かすという、、、笑
    全てがお初なものですから非常に疲れましたが、とてもよい経験になりました。
    して今回は、その中でも一番のミラクルな出来事をお話ししようかなと。
    二日目は午前中にチェックアウトをし「華厳の滝」に向かいました。
    華厳の滝は入り口からエレベーターに乗ります。エレベーターが着いた先には70段の階段があり、エスカレーターもなく、手すりが付いているだけです。
    70段、、、往復で140段。凶器でもあり、狂気。
    登り切るであろう入居者さんと、途中でリタイヤするであろう入居者さん…と、いった感じに職員もなんとなく予想しておりました。
    ところが!リタイヤするのでは?と思っていたMさんは手すりにつかまりふらつく足に気合を入れて、最後まで登りきったのです。Mさんは盲目の為、日常の発言も、後ろ向きな事が多い方だったのですが、そんなMさん「観光客が多いから、迷惑にならないようにしないと。ここまで連れてきてもらったのだから、登りきりますよ!」とおっしゃったのです。
    階段を登りきると、滝を前に、水しぶきを感じていたのでしょうか、片手を上げ、ゆらゆらと手を動かしていました。
    更に、追加ミラクル!帰りの階段も、手すりにつかまり下りきったのです!
    戻ってきた時のMさんの表情は「どうだ!」と言わんばかりに自信に満ち溢れていました。
    これが、大人の男の余裕、、、美味しそうにソフトクリームを召し上がる姿。。。
    付き添っていたチーフは「男気を感じましたよ!」と興奮気味。
    私はMさんのケア担当なのですが、旅行での担当は別の入居者さんだった為、この現場に居ませんでした、、、チーン。泣
    補足として、私は華厳の滝も見ることなく、旅行担当の入居者さんと、ベンチで日向ぼっこしておりましたとさ。

    15:52 | Posted by admin

    【生きていく力】   ぶなの実3F 大和田

    2011年12月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

    ぶなの実が開設して早いもので約1年半になりました。当時から働いている私は、今現在で12名の入居者様と出会い、いろいろな思い出が甦ります。

    ●目が見えにくいながらも声で聞き分け、スタッフの名前を全員覚えてくれていたSさんは、特別養護老人ホームから病院へ。「大和田さーん」と呼んで頂いた事、嬉しかったです。
    ●経管栄養でがんばり、力強く手を握って時々「おはよう」と言ってくれたTさんは特別養護老人ホームへ行き、お亡くなりになりました。あの朝は「今日も1日がんばろう」という気持ちにさせてくれました。
    ●胃がんでお亡くなりになったNさんは、最後に私と一緒に誕生会で、巣鴨地蔵まで行きました。今思えば、痛みをこらえながらも笑顔でいてくれたのですね。犬や子供が大好きだった事、印象的でした。

    この3名の方は、もうぶなの実にはいらっしゃいませんが、元気をたくさん頂きました。ありがとうございました。
    私事ですが、10月に母の親友が事故に遭い、1ヶ月以上経った今でも意識が戻りません。私にとっても、第2の母の様に親しい関係の方です。
    目は開きませんが、かすかに口や手は動き「まだ生きていたい」という想いが、手の温かさや握ってくれる力の強さで分かります。「生きていく力」はすごい!
    現在、入居されている9名のぶなの実の皆さんも入・退院を繰り返される方が多いですが、奇跡を何度も見せてくれます。支えていきたい方が、私の周りにはたくさんいらっしゃいます。そしてまた、私も多くの方に支えられて、生きています。奇跡を信じて、私に出来る事は力になりたいと、毎日を送っています。
    皆さん、これからも宜しくお願いします!

    15:52 | Posted by admin