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【旅行の裏話・・・】  とちの実 中島

2016年11月30日 | とちの実

この記事を書いている今は9月の後半です。まだまだ台風情報が気になりますが、少しずつ秋めいてきました。秋といえば行楽のシーズンですね。とちの実では毎年秋に旅行を企画しているのですが、今年は秩父に泊りがけで遊びに行こう、ということになっています。 開設して12年目になるとちの実ですが、泊まりがけで旅行に行くのは実に6年ぶりで、今回でまだ3度目です。 入居者さん方の体調が安定していて、尚且つ職員の人手や技術も充足していなければ宿泊旅行はなかなか難しく、今年計画を進められていることをとても嬉しく思っています。
楽しい楽しい旅行ですが、職員、特に企画担当者にとっては一つの試練ともいえます。 まずは入居者さん方と相談をして希望を汲み取る・・・・、ここまでは話に花が咲いて楽しいばかりなのですが、担当者の仕事は膨大です。行く先がバリアフリー化されているか、交通手段、もしもの急病の際に行くことのできる病院が現地にあるかといった調査、一定の予算内で入居者さん方に最大限楽しんで頂くための価格調査、必要があれば現地へ下見に行き、限られた職員の人手をどうやってやりくりするか、場面ごとのシミュレーションを繰り返し、計画の進捗状況を毎月の会議で報告し、壁にぶち当たったときでも、粘りが足りない知恵を絞れと私に尻を叩かれる(笑)、といった具合です。なにより、入居者さんのことをよく知っていないと計画は立てられませんし、職員同士のチームワークも重要になりますし、生活を支援する者たちとしての総合的な力が問われます。それだけに、旅行先で入居者さん方のキラキラした、いつもと違う表情を見ることができたときは、まさに冥利に尽きるというものです。
ちなみに、私は幸運なことに過去の2回の旅行のどちらも、企画担当者として携わらせて頂きました。その時のことについて、ある入居者さんから、「あの時はお天気が悪くて・・・水族館に行ったのに閉まっていて・・・」と8年経った今でも言われています(´;ω;`)。 その度に、「いい思い出になったね」と二人で笑い合っています。
さて、今回はどんな旅になるのか、次々回あたりのどっこいしょを、乞うご期待です。

08:52 | Posted by jizai

【サポートの難しさ】  とちの実 小川

2016年10月31日 | とちの実

とちの実で働き始めて10月で2年が経ちました。
どの入居者さんも個性が強く、十人十色だなぁと思います。

Nさんは私が働き始めた頃とてもしっかりしていて、一緒に料理をすると華麗な包丁さばきを見せてくれました。買い物に行った際、手袋を置き忘れているのを教えてくれたこともあります。
月日が経つにつれ少しずつ認知症の症状が進み、少しずつ色々なことが難しくなってきて、不安や苛立ちを感じているのをよく見るようになりました。

1F~3Fまで何度も往復したり、大きな声で「帰ります」と外へ出ていったり、どう話しても否定の言葉しか返ってこなかったりと対応が難しく感じる事が多々あります。
正直心が折れる日もあります…。
もちろんそんな面だけではありません。困った困ったと言っていると「どうしたの?」と声をかけてくれたり、失敗しちゃったと落ち込んでいると「そんなこともあるわよ」となぐさめてくれるのです。
自分の気持ちを訴えて来るときの必死な表情を見ると、Nさんも辛いのだなと感じます。
思い出せない事が増えたり、今までできていたことができなくなったり、パズルのピースがはがれ落ちるようにわからない事が増えていく。しかも自分では原因もわからず混乱してしまう。
認知症って怖い病気だなと改めて思いました。
身体の介護だけではなく精神的なサポートも大切だと気づきました。
Nさんが少しでも穏やかに過ごせるよう、1回でも多く笑顔を引き出せるようサポートしていきたいです。

10:00 | Posted by jizai

【初めまして・・・】  とちの実 

2016年09月31日 | とちの実

私は、6月でとちの実に入って、1年になりました。
バタバタと1年過ぎたような気がします。パソコンが苦手で、未だに、先輩職員に何度も聞いたり、教えて貰ったりと、日々迷惑ばかりかけています。嫌な顔せずに教えてもらい本当にありがたいです。グループホームは、初めてなので中々時間の流れに慣れる事が大変でした。まだまだ、覚える事がたくさんあります。
そんな私ですが、担当の入居者様の誕生日外出に行ってきました。企画から全部考えて、実行するまで、それはとても大変で、介護職10年目の私も初体験でした。まずは行き先を決めるのに、かなり悩みました。私の担当しているAさんは、私が入った昨年と比べると、大きくご状態が変わっていらっしゃるからです。
今のAさんと2人で外出出来るのだろうか・・・頭の中は不安しかなく、悩みました。Aさんが2回続けて怪我をしてしまい、外出は数ヶ月伸びていました。そしてやっと、5月に実行することが出来ました。最初に企画していた賑やかで人が沢山いる場所とは、逆なとても静かで緑の多い公園を選びました。芝生のベンチで二人でお弁当を食べました。
「おいしいね」笑顔で食べてくれました。トイレまで「足が痛いね」と言いながら頑張って歩いてくれました。帰りに「たまには、いいね」とポッと言われた一言にびっくり。
さあ、次の誕生日はどこに行けるかな、楽しみになりました。

10:52 | Posted by jizai

【試合にも震災にも負けない力】  とちの実 松本

2016年08月31日 | とちの実

どっこいしょでは初めまして。とちの実の松本です。
さて、熊本地震が発生して2ヶ月経過致しますが、久しぶりのマグニチュード7クラスの直撃ということで話題が風化しておりません。

そんな大地震に大幅に影響を受けたサッカーチームがあります。
ロアッソ熊本。元日本代表、オシムチルドレンの代表でもある巻誠一郎選手が現在所属しているこのチームは開幕時より絶好調で首位を争っておりました。去年は開幕時から勝てずに最下位を争う状況でしたが、打って変わって好調ということで様々なチームのサポが「ついぞ昇格か」と注目しておりました。

その状況が一変したのが、熊本地震でした。彼らは被災者となりました。試合もできずにトレーニングもおぼつかず、被災者の心の支えとして振舞ってきました。自らもボロボロになりながら震災に対して毅然と振る舞う事はプロの鑑だと思います。
そして、地震発生日に直ぐにホームページを立ち上げ、様々な援助を募り、倉庫を借りて自らも陣頭に立った巻誠一郎選手の冷静さと情熱はいざという時に出会った人間として是非真似をしたいと思いました。

10:03 | Posted by admin

【Mさんの笑顔】 とちの実 小谷野

2016年06月14日 | とちの実

とちの実で働き始めて3年になるんですが、働き始めたころあまり関わりが無かったが入居者様がいました。その
方は1日のほとんどを部屋で過ごされていたからです。
ですが、3ヶ月が過ぎ半年ほど経つ頃には居間で過ごすことが多くなってきました。
居間の掃除をしたり、玄関先や道路まで掃き掃除をされたりときれい好きな面が見られるようになりました。です
が、あまり笑うことが無く、笑顔も見られませんでした。
話は変わりますが、とちの実にはちょっとした花壇とプランター、植木鉢がいくつかあります。近所の方のご厚意で
葉牡丹、紫陽花などを頂いたりこの時期になるとキュウリの苗を頂けます。
その方は趣味として植物の世話をされており、毎年、紫陽花が綺麗に咲くのはその方のおかげだったりします。
キュウリも大きく育ち、近所の方から『大きく育ったわね。』なんてお言葉をいただけたりします。
今年はプランターを新調しキュウリとトマトを種から植えてみました。3月下旬に種を植えたのですが、後から調べ
てみると種植えの時期が早かったようで、植えた後、1ヶ月ほど芽が出てこず、「まだ出てこないよ。」「いつになった
ら出てくるの?」としきりに尋ねられる様子がみられていました。5月に入るとキュウリの植えた場所からいくつか芽
を出すようになりスタッフを呼び「見て見て。出てきた。」「ほらまた出てきた。」と笑顔で報告して下さいます。そんな
時、『こんな顔で笑うんだ。』と思いました。働き始めた頃では想像の出来なかったなという思いです。
日々、日の当たる場所にプランターを移動されている様子を見てハラハラする気持ちと今日も元気だなと思う気持
ちと半々な感じです。
これからトマトも芽が出て来ることですし収穫時期にはドヤ顔で「俺が育てたんだ。」と言われるんだろうなぁ。

09:40 | Posted by admin

【想う気持ち】  とちの実 渡邉

2016年05月15日 | とちの実

入所から、1年半前にご入居されたT様、お部屋にこもりがちで、うつ的症状もあって入所当初は言葉を選びながら恐る恐る接していたことを思い出します。しかし、今でも声かで気を使うことが無いと言えません。
T様は、ご自分の意見を発せられる時に上手く発語出来ず、言葉が出てこないこともあり、かなり自身を喪失されている傾向があり、「死にたい」などのネガティブな発言があるのです。
私なりに、これまで少しずつの時間を重ねて、その時その時の状況にあわせて、お話かけをさせてもらっています。
T様が伝えたい言葉をゆっくり読み取りながら気持ちを汲み取る努力をしてきました。しかしながら、未だにT様の深い辛さを理解して、安らいだ気持ちになって頂くことはとても困難なことであり、まだまだ努力が必要だと感じています。
会話の途中で、「あー もう何も考えたくい」「考えられない」などと拒絶される事も多く、「ありがとう」と言わなくてはいけないところで「ごめんなさい」と言ってしまったり、まだまだ自分の対応が未熟で、T様のニーズに答えられない事、そして、T様も気持ちを私にわかってもらえない事でもどかしい思いもしているのではと、落ち込むこともあります。
これから先、ご支援のなかで改善出来ることも、新たな問題も入り組んで変化のある日々が訪れるだろうと思われます。
私は一日の始終に、必ずT様のお部屋を訪ねて、「今来たところです よろしくお願いします」、「今日は帰ります。今度はいついつきますね」と伝える事を自分の中で決めて実行しており、今後も続けようと思っています。
そんな中、今年に入って嬉しい気持ちになることがありました。何度か私が帰宅する際にT様は、自室(2階)の窓から顔を覗かせて、手を降ってくださるのです。
もしかしたら、初めて気づいた時以前より私が帰るのを見守っていてくださったのではないか?又、退社する際は、着替えをしたり、出る時間はまちまちになるので、いつから待ってくださっているんだろう?と申し訳無い気持ちも生まれました。
それから、帰る際はT様の部屋の窓を必ずみて帰るようにしていますが、時々姿が見えない事もあり、少し寂しいきもちと心配な気持ちになります。そして自分の今日の対応を振り返り反省することにしています。
このように、T様から私は嬉しい気持ちを頂き、そして考える気持ちを出させてくださいました。しかし、私からは日常にプラスになることができているのか大きな課題がありますが、1年半前よりT様の「笑顔」は増えてきていると信じています。

11:33 | Posted by admin

【食べること】  とちの実 中島

2016年04月10日 | とちの実

もう何年も前のこと。朝食の席にて、ある男性の入居者さん(Aさん)が、しかめっ面をしてご飯をかきこんで食べておられるのを見ました。ときどきそういったご様子がありました。あまり美味しく食べているようには見えない。取り立てて食前に気を悪くするようなことはなかったと思うし、嫌いな料理を食べているわけでもない。こちらでは計り知れないお気持ちがあったのでしょう。 じつは私はこのAさんが美味しくなさそうに朝食を食べる姿が好きでした。食べたくないときは食べないという選択も、ときによいと思います。それはAさんもよくお分かりだったと思います。しかしAさんは食べる。頑張って食べる・・・。 私はAさんのその姿から「俺は何がなんでも生き抜くぞ!」という決意を感じて、胸にぐっときたのをよく覚えています。 私達はできるだけ、入居者さんに美味しく楽しく食べてもらえるように支援をしますが、頑張って食べる、というのもいいものだなと、そのときに思った次第です。
それから何年かしてAさんは食べることが難しくなり、また、私達の力では支えることができないご状態となり、とちの実をご退去されました。あれほど食べて生きる意思を表出していたAさんを最後まで支援できなかったことは本当に申し訳なく、歯がゆく、落ち込みました。他にもっとできることがあったのではないかと。
食べることについて、Aさんから学んだことは今、私ほかとちの実の職員のバックボーンになっています。生活支援の中でも食事に関することはとりわけウェートが大きく、幅広く奥も深いです。また、ご
高齢の方にとっての思わぬ危険も隠れています。入居者さんに能力を発揮してもらい、安全に楽しく美味しく食べて頂けるよう、今後とも支援の質の向上を目指していきたいと思います。

16:03 | Posted by admin

【介護の現場から見る衆議委員選挙】  とちの実 小谷野

2014年12月09日 | とちの実

12月14日に選挙がありました。各政党のマニフェストを見比べて思ったことを書いてみようと思います。
今回の解散理由として消費税10%増加を見送り、アベノミックスの見直しとしています。
個人的な意見として消費税増加には賛成の意見を持っています。その理由として増税分で「保育士・介護職員の処遇改善」「待機児童解消」「低所得の高齢者支援」の取り組みを行うはずだったのですが、今回の見送りに伴いこれらの問題も先送りになりました。
人員も確保しにくく、離職率の高い職業で「人材育成する時間が持てない」というのが現場で思うことが多く、離職して違う職業に付いている知り合いも何人かいます。
続けている知り合いに話を聞くとどこも同じで「人材が育たない。」と聞くことが多くあります。下が育たず、現状の職員が疲弊していくという悪循環がどこでもあるのが現場で働く職員の現状です。
2025年には5人に一人が高齢者となる日本です。はっきり言って「待ったなし」の状態が続きます。これらの問題に特効薬はなく、地道にコツコツとやっていくしかないです。
政治家の方々にはしっかりやってもらいたいと思い、投票してきました。

08:17 | Posted by admin

【有難うございます】 宮崎

2014年10月28日 | とちの実

とちの実で働き始めて約3年になります。入居者の御逝去や退去、体調の変化での救急車の出動要請や、反対に新しい入居者さんを迎えたり、とても目まぐるしい3年だったと思います。
入居人数9人の小さな施設で、退去された方含め14名の利用者さん達との出会いは、とても価値のあるものでした。
職員に対し手をあげられたり、ひどい言葉を投げつけられたり、入居者さんの遠方見守り中に、その入居者さんに見つかっておまわりさんに突き出されそうになったり(悪いことしてないのに嫌な汗をかきました)、お金も持ってないのにバスに乗ろうとされて、必死に止めたり(泣きそうでした)、本来深刻になってしまいそうな状況だったけど、その方たちの世界観に触れるたび、怒ったり、笑ったり喜怒哀楽をフルに活用させていただいた環境だったと思います。本当に入居者の皆さまには感謝してもしきれません。有難うございます。
入社するときに有難うの気持ちを忘れないという思いは、今も継続できたか反省し切りです。
新年に向け新たな1歩を踏み出す弾みをつける年の瀬にしたいと思います。

17:44 | Posted by admin

【入居者さんと外出】   とちの実 渡邉

2014年09月14日 | とちの実

とちの実で仕事をはじめて1年半がたちました。担当させもらってる入居者Y様とはちょうど一年前にも、お誕生日企画で氏の思い入れのある巣鴨へ二人で出かけ、散策しました。
まだ氏のこともあまり知りえてない頃で不安が一杯あり、無事に行程をこなし帰宅することばかりが気がかりの外出でした。
そして、今年は満90歳を迎えられ、私にとっても二回目のお誕生日の企画を考えなければならなかったのですが、去年とは少しY様の身体状況も変化があり、無事に楽しんでもらうことができるか不安がありました。
氏は、月に一度体操教室へも行かれるくらい元気だったのですが、今年3月末頃から、脚腰に痛みがあり、受診にて坐骨神経痛の診断をうけました。その後、数日間リハビリへもかよわれました。
この頃から、日常の動作を行なうたびに「痛たた、痛たた」と口癖のように発せられ、身体をかばって、無理の無いようにした為、めっきり活動量が減ってしまい、散歩や買い物へでかけても、行きは歩いて帰りは車椅子でないと体力が持たなくなったようです。
これまでの氏のお誕生日企画、ほとんど外出をして外食をすることが多く、ご家族もこのような対応を望まれています。このような状態で、どこかに出かけることができるのか不安でしたが、氏と相談して、先日(9月上旬)池袋サンシャインの水族館へ2人で出かけることにしました。
当日は、あいにく曇り空から小雨がふる状況でしたが、タクシー、電車、地下道と屋根のあるところを移動することができ濡れることなく目的地へたどり着くことが出来ました。
水族館で水槽をきょろきょろ見ている氏に話しかけると、笑顔をみせてこたえてくれました。ただ、少し感じたのは、やはり車椅子ではなくご自分で歩いて色々と見たいところへ移動したかったのではないかな?と感じました。
水族館のメインでアシカショー(約15分)を見たのですが、雨はやんでいたのですが、少し肌寒くて気になりました。
たびたび「大丈夫ですか?中にはいりますか?」とお声かけしたのですが、「大丈夫」としっかり観賞されました。
体調を気にしながらもその後、サンシャイン内のレストランで食事を摂ることにしたのですが、まったく心配するどころか、いつもより決断力も早く、お店もメニューも選ばれて美味しいといって召し上がられました。
氏は、施設内にいるときはいつものんびりされマイペースです。時に度をこして食事も遅くなったりするのですが、今回の外出では、まったくその気配はありませんでした。
やはり、刺激をうけたり、雰囲気とか大事なんだろうなとつくづく感じました。 今後は、車椅子でも近隣へどんどん出かけて外部の刺激をとることも必要だし、お身体の調子を見ながら安全の確保をして歩行も取り入れ、体力をアップできるよう支援を行ないたいとつくづく感じました。
普段なかなか自ら言葉を発せられず、声かけしたときも一度は「なに?」と聞きなおすことが多いのですが・・・今回の外出では会話もしっかり出来たように思います。
氏との関わりを深めていく中で、すこしずづですが理解できてきたように思います。次の外出は、Y様が心から喜んでもらえる企画を考えたいと思います。

02:02 | Posted by admin