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【Mさんの笑顔】 とちの実 小谷野

2016年06月14日 | とちの実

とちの実で働き始めて3年になるんですが、働き始めたころあまり関わりが無かったが入居者様がいました。その
方は1日のほとんどを部屋で過ごされていたからです。
ですが、3ヶ月が過ぎ半年ほど経つ頃には居間で過ごすことが多くなってきました。
居間の掃除をしたり、玄関先や道路まで掃き掃除をされたりときれい好きな面が見られるようになりました。です
が、あまり笑うことが無く、笑顔も見られませんでした。
話は変わりますが、とちの実にはちょっとした花壇とプランター、植木鉢がいくつかあります。近所の方のご厚意で
葉牡丹、紫陽花などを頂いたりこの時期になるとキュウリの苗を頂けます。
その方は趣味として植物の世話をされており、毎年、紫陽花が綺麗に咲くのはその方のおかげだったりします。
キュウリも大きく育ち、近所の方から『大きく育ったわね。』なんてお言葉をいただけたりします。
今年はプランターを新調しキュウリとトマトを種から植えてみました。3月下旬に種を植えたのですが、後から調べ
てみると種植えの時期が早かったようで、植えた後、1ヶ月ほど芽が出てこず、「まだ出てこないよ。」「いつになった
ら出てくるの?」としきりに尋ねられる様子がみられていました。5月に入るとキュウリの植えた場所からいくつか芽
を出すようになりスタッフを呼び「見て見て。出てきた。」「ほらまた出てきた。」と笑顔で報告して下さいます。そんな
時、『こんな顔で笑うんだ。』と思いました。働き始めた頃では想像の出来なかったなという思いです。
日々、日の当たる場所にプランターを移動されている様子を見てハラハラする気持ちと今日も元気だなと思う気持
ちと半々な感じです。
これからトマトも芽が出て来ることですし収穫時期にはドヤ顔で「俺が育てたんだ。」と言われるんだろうなぁ。

09:40 | Posted by admin

【想う気持ち】  とちの実 渡邉

2016年05月15日 | とちの実

入所から、1年半前にご入居されたT様、お部屋にこもりがちで、うつ的症状もあって入所当初は言葉を選びながら恐る恐る接していたことを思い出します。しかし、今でも声かで気を使うことが無いと言えません。
T様は、ご自分の意見を発せられる時に上手く発語出来ず、言葉が出てこないこともあり、かなり自身を喪失されている傾向があり、「死にたい」などのネガティブな発言があるのです。
私なりに、これまで少しずつの時間を重ねて、その時その時の状況にあわせて、お話かけをさせてもらっています。
T様が伝えたい言葉をゆっくり読み取りながら気持ちを汲み取る努力をしてきました。しかしながら、未だにT様の深い辛さを理解して、安らいだ気持ちになって頂くことはとても困難なことであり、まだまだ努力が必要だと感じています。
会話の途中で、「あー もう何も考えたくい」「考えられない」などと拒絶される事も多く、「ありがとう」と言わなくてはいけないところで「ごめんなさい」と言ってしまったり、まだまだ自分の対応が未熟で、T様のニーズに答えられない事、そして、T様も気持ちを私にわかってもらえない事でもどかしい思いもしているのではと、落ち込むこともあります。
これから先、ご支援のなかで改善出来ることも、新たな問題も入り組んで変化のある日々が訪れるだろうと思われます。
私は一日の始終に、必ずT様のお部屋を訪ねて、「今来たところです よろしくお願いします」、「今日は帰ります。今度はいついつきますね」と伝える事を自分の中で決めて実行しており、今後も続けようと思っています。
そんな中、今年に入って嬉しい気持ちになることがありました。何度か私が帰宅する際にT様は、自室(2階)の窓から顔を覗かせて、手を降ってくださるのです。
もしかしたら、初めて気づいた時以前より私が帰るのを見守っていてくださったのではないか?又、退社する際は、着替えをしたり、出る時間はまちまちになるので、いつから待ってくださっているんだろう?と申し訳無い気持ちも生まれました。
それから、帰る際はT様の部屋の窓を必ずみて帰るようにしていますが、時々姿が見えない事もあり、少し寂しいきもちと心配な気持ちになります。そして自分の今日の対応を振り返り反省することにしています。
このように、T様から私は嬉しい気持ちを頂き、そして考える気持ちを出させてくださいました。しかし、私からは日常にプラスになることができているのか大きな課題がありますが、1年半前よりT様の「笑顔」は増えてきていると信じています。

11:33 | Posted by admin

【食べること】  とちの実 中島

2016年04月10日 | とちの実

もう何年も前のこと。朝食の席にて、ある男性の入居者さん(Aさん)が、しかめっ面をしてご飯をかきこんで食べておられるのを見ました。ときどきそういったご様子がありました。あまり美味しく食べているようには見えない。取り立てて食前に気を悪くするようなことはなかったと思うし、嫌いな料理を食べているわけでもない。こちらでは計り知れないお気持ちがあったのでしょう。 じつは私はこのAさんが美味しくなさそうに朝食を食べる姿が好きでした。食べたくないときは食べないという選択も、ときによいと思います。それはAさんもよくお分かりだったと思います。しかしAさんは食べる。頑張って食べる・・・。 私はAさんのその姿から「俺は何がなんでも生き抜くぞ!」という決意を感じて、胸にぐっときたのをよく覚えています。 私達はできるだけ、入居者さんに美味しく楽しく食べてもらえるように支援をしますが、頑張って食べる、というのもいいものだなと、そのときに思った次第です。
それから何年かしてAさんは食べることが難しくなり、また、私達の力では支えることができないご状態となり、とちの実をご退去されました。あれほど食べて生きる意思を表出していたAさんを最後まで支援できなかったことは本当に申し訳なく、歯がゆく、落ち込みました。他にもっとできることがあったのではないかと。
食べることについて、Aさんから学んだことは今、私ほかとちの実の職員のバックボーンになっています。生活支援の中でも食事に関することはとりわけウェートが大きく、幅広く奥も深いです。また、ご
高齢の方にとっての思わぬ危険も隠れています。入居者さんに能力を発揮してもらい、安全に楽しく美味しく食べて頂けるよう、今後とも支援の質の向上を目指していきたいと思います。

16:03 | Posted by admin

【介護の現場から見る衆議委員選挙】  とちの実 小谷野

2014年12月09日 | とちの実

12月14日に選挙がありました。各政党のマニフェストを見比べて思ったことを書いてみようと思います。
今回の解散理由として消費税10%増加を見送り、アベノミックスの見直しとしています。
個人的な意見として消費税増加には賛成の意見を持っています。その理由として増税分で「保育士・介護職員の処遇改善」「待機児童解消」「低所得の高齢者支援」の取り組みを行うはずだったのですが、今回の見送りに伴いこれらの問題も先送りになりました。
人員も確保しにくく、離職率の高い職業で「人材育成する時間が持てない」というのが現場で思うことが多く、離職して違う職業に付いている知り合いも何人かいます。
続けている知り合いに話を聞くとどこも同じで「人材が育たない。」と聞くことが多くあります。下が育たず、現状の職員が疲弊していくという悪循環がどこでもあるのが現場で働く職員の現状です。
2025年には5人に一人が高齢者となる日本です。はっきり言って「待ったなし」の状態が続きます。これらの問題に特効薬はなく、地道にコツコツとやっていくしかないです。
政治家の方々にはしっかりやってもらいたいと思い、投票してきました。

08:17 | Posted by admin

【有難うございます】 宮崎

2014年10月28日 | とちの実

とちの実で働き始めて約3年になります。入居者の御逝去や退去、体調の変化での救急車の出動要請や、反対に新しい入居者さんを迎えたり、とても目まぐるしい3年だったと思います。
入居人数9人の小さな施設で、退去された方含め14名の利用者さん達との出会いは、とても価値のあるものでした。
職員に対し手をあげられたり、ひどい言葉を投げつけられたり、入居者さんの遠方見守り中に、その入居者さんに見つかっておまわりさんに突き出されそうになったり(悪いことしてないのに嫌な汗をかきました)、お金も持ってないのにバスに乗ろうとされて、必死に止めたり(泣きそうでした)、本来深刻になってしまいそうな状況だったけど、その方たちの世界観に触れるたび、怒ったり、笑ったり喜怒哀楽をフルに活用させていただいた環境だったと思います。本当に入居者の皆さまには感謝してもしきれません。有難うございます。
入社するときに有難うの気持ちを忘れないという思いは、今も継続できたか反省し切りです。
新年に向け新たな1歩を踏み出す弾みをつける年の瀬にしたいと思います。

17:44 | Posted by admin

【入居者さんと外出】   とちの実 渡邉

2014年09月14日 | とちの実

とちの実で仕事をはじめて1年半がたちました。担当させもらってる入居者Y様とはちょうど一年前にも、お誕生日企画で氏の思い入れのある巣鴨へ二人で出かけ、散策しました。
まだ氏のこともあまり知りえてない頃で不安が一杯あり、無事に行程をこなし帰宅することばかりが気がかりの外出でした。
そして、今年は満90歳を迎えられ、私にとっても二回目のお誕生日の企画を考えなければならなかったのですが、去年とは少しY様の身体状況も変化があり、無事に楽しんでもらうことができるか不安がありました。
氏は、月に一度体操教室へも行かれるくらい元気だったのですが、今年3月末頃から、脚腰に痛みがあり、受診にて坐骨神経痛の診断をうけました。その後、数日間リハビリへもかよわれました。
この頃から、日常の動作を行なうたびに「痛たた、痛たた」と口癖のように発せられ、身体をかばって、無理の無いようにした為、めっきり活動量が減ってしまい、散歩や買い物へでかけても、行きは歩いて帰りは車椅子でないと体力が持たなくなったようです。
これまでの氏のお誕生日企画、ほとんど外出をして外食をすることが多く、ご家族もこのような対応を望まれています。このような状態で、どこかに出かけることができるのか不安でしたが、氏と相談して、先日(9月上旬)池袋サンシャインの水族館へ2人で出かけることにしました。
当日は、あいにく曇り空から小雨がふる状況でしたが、タクシー、電車、地下道と屋根のあるところを移動することができ濡れることなく目的地へたどり着くことが出来ました。
水族館で水槽をきょろきょろ見ている氏に話しかけると、笑顔をみせてこたえてくれました。ただ、少し感じたのは、やはり車椅子ではなくご自分で歩いて色々と見たいところへ移動したかったのではないかな?と感じました。
水族館のメインでアシカショー(約15分)を見たのですが、雨はやんでいたのですが、少し肌寒くて気になりました。
たびたび「大丈夫ですか?中にはいりますか?」とお声かけしたのですが、「大丈夫」としっかり観賞されました。
体調を気にしながらもその後、サンシャイン内のレストランで食事を摂ることにしたのですが、まったく心配するどころか、いつもより決断力も早く、お店もメニューも選ばれて美味しいといって召し上がられました。
氏は、施設内にいるときはいつものんびりされマイペースです。時に度をこして食事も遅くなったりするのですが、今回の外出では、まったくその気配はありませんでした。
やはり、刺激をうけたり、雰囲気とか大事なんだろうなとつくづく感じました。 今後は、車椅子でも近隣へどんどん出かけて外部の刺激をとることも必要だし、お身体の調子を見ながら安全の確保をして歩行も取り入れ、体力をアップできるよう支援を行ないたいとつくづく感じました。
普段なかなか自ら言葉を発せられず、声かけしたときも一度は「なに?」と聞きなおすことが多いのですが・・・今回の外出では会話もしっかり出来たように思います。
氏との関わりを深めていく中で、すこしずづですが理解できてきたように思います。次の外出は、Y様が心から喜んでもらえる企画を考えたいと思います。

02:02 | Posted by admin

【お疲れさまでした】   とちの実 仲座

2014年08月14日 | とちの実

去年の2月にとちの実に入所され、今年の3月に入院先の病院にてお亡くなりになられたI・Tさん、本当にいろんなことを教えてくださいました。
もちろん、きっともともとのI・Tさんはとても素敵で優しい方だったと思います。
この認知症という病にかかってしまったI・Tさんは時折人格が変わってしまい、落ち着かなくなってくると、思い通りにいかなければ、手を上げてしまうという症状が出てしまうことがあったので、私はとちの実に入職して始めて、支援にあたるのが、とても怖いと思ってしまった場面がいくつかありました。
そんな中で、周りの入居者様達と共同生活を続けていくのは難しいのでは・・・と思うことも正直ありましたし、でもせっかくの縁でとちの実に入所されたのだから、どうにかここでともに生活をしていくことは出来ないのか・・・しかしもっとも大切なのは、ご本人が望む幸せなのだけど、この現状で氏が望む幸せな生活はどのようなものだろうと、当時は複雑な想いを持ちながら毎日を送っていました。
月1の会議で全スタッフと林田代表とで話し合い、このままの状態では共同生活はどちらにしてもきびしい。入院先で向精神薬を飲んで少し落ち着いた状態を保てるようになったら、とちの実に戻ってきてもらい、ともに生活を支援していきましょうという苦渋の判断をしました。
I・Tさん、一緒にお散歩に行ったとき、「寒くないかい?」と何度も私に聞いてくれて、手をつないで温めてくれましたね。
私達によく、「ごめんよ」と何度も言ってましたよね。私達の方こそお役に立てずにごめんなさい。時折見せてくださる素敵な笑顔や優しさを知っているからこそ、とてもやるせない気持ちになりました。一番辛かったのはI・Tさんの方ですよね。好きな人達から煙たく思われてしまうこんな症状きっといやだったと思います。本当に、本当にお疲れ様でした。やっと解放されて今は大好きな甘いものやおせんべい好きなだけ食べてくださいね。また違う世界で会えたら暖かい日に一緒に楽しくお散歩しましょう!

02:02 | Posted by admin

【どうもこんにちは。】   とちの実 小谷野

2014年07月14日 | とちの実

とちの実の小谷野です。
介護の仕事初めて(とちの実では1年ほどですが)約5年経ちました。日々思うことは入居されている利用者さん達は元気がいいなと思います。9名での生活ですからそりゃ色々な人間模様が展開されて行きます。あの人が嫌い、あの人はいい人だ。あの人はなんだか分からない等など。
皆さんで暮らしているので、なんとか場の雰囲気、コミュニケーションなど気を使うのですが、認知症の観点から見れば決して悪いことではないと思うのです。
場所や物の認知が出来なくなってしまう病気ですが、人を認識し、好き嫌いの感情があるということは、少なくともその人に対し興味があるということだと思うのです。
「嫌よ嫌よも好きのうち」なんていう言葉がありますが、興味があるからこそだと思うのです。いろんなことに興味を持っていただくことで、その人を知ることが出来るのではないでしょうか。
この仕事を始めたときに先輩職員から「その人に興味を持つこと」と教わりました。既往暦や持病などを知ることは大事ですが、それよりもその人が何に興味を持ち、何を楽しみしているのかそれを知ることが大事だなと思います。

02:02 | Posted by admin

【巾着田に行ってきました】   とちの実 宮崎 

2014年06月14日 | とちの実

4月11日Sさんの誕生日企画で巾着田へ行って来ました。
ここ最近は、お台場やスカイツリーなど都会が続いたため少し田舎の自然を堪能しても良いかも知れないということで巾着田になりました。
この時点で東京は桜が散り葉桜になりかけていましたが、埼玉の山奥は、ちょうど桜満開でちょうど良いはずでしたが、前日に強風が吹き、桜が散ってしまわないか心配していましたが、日高の桜はしぶとく咲いていてくれました。
丁度、菜の花の見頃も重なり黄色とピンクの綺麗なコントラストにSさんのテンションも上がってとても楽しそうでした。巾着田内には馬も半放し飼いの状態でかなり近いところで見たのですが想像以上に大きく、びっくりされていました。そのほかにも水車小屋で、そばの実を引いてる様子を見て始めてみたと感動されていました。
懐かしい田園風景を見れ農家で育ったという事で農作業をしている、知らないおじ様に大変でしょう?と楽しそうに話されていました。また巾着田のなまえの由来を聞いて感動されていました。
食事は飯能にある、ホテルの11階の展望レストランで食べ放題を楽しまれました。最初は花より団子とばかりに食べることに集中されてましたが、天気が良く秩父地方(?)の山々を堪能されていました。
来年は芝桜ねと誕生企画が終わる前に来年のリクエストを出されてしまいました(苦笑)。

02:01 | Posted by admin

【Iさん】   とちの実 中島

2014年05月14日 | とちの実

今年で91歳になられるIさん、とちの実に2009年の夏にご入居され、4年半の間生活をされましたが、医療的な支援が必要となり、5月にとちの実をご退去されることになりました。
Iさんは一見小柄で温和なおじいちゃん。いえ確かにそうなのですが、それだけではありません。戦時中は海軍におられたそうで、一本芯が通ったというか、大変な底力を感じさせる人です。目がかなり見えづらくなっておられるのですが、感覚を頼りに包丁で野菜を切る姿にいつも驚かされていました。 お酒がお好きで毎日のように晩酌を楽しまれ、川越への旅行の宴会で“できあがった”お姿を思い出すと今でもニヤニヤしてしまいます。 また、一緒に居酒屋に行ったときは、杯を持つ手に集約された年月に恐れ入るばかりでした。・・・お酒の話が続いてしまいましたね。
特に思い出深いエピソードがありまして、それは二人でお買い物に出かけたときのことです。 私は(おそらく他の職員も)、入居者さんに殊更にアピールして自分の名前を覚えてもらうということはなかなかありません。「ああ、いつものあの人ね」という存在であることが多いです。 Iさんにとっても私は、顔なじみ(声なじみ)のあの人なのだろうと思っていたのですが、そのとき突然呼ばれたのです。「中島さんよぉ」と。 名前を呼んでもらえるのがあんなに嬉しいとは思ってもみませんでした。 よくある話なのかもしれませんが、誰が何と言おうとIさんとの、このエピソードは私にとって特別なのです。
Iさん、たくさんの素的な思い出をありがとうございました。
穏やかな時間をすごされますよう祈ります。

02:01 | Posted by admin