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【掃除の時間】  つげの実 蔵田

2023年06月30日 | つげの実

つげの実では、夕食後にみんなでリビングの掃除を行う事が恒例となっております。
「よし きた」と、はりきって行う入居者さん、みんながやっているから何となく参加している入居者さん、始まるのを察して、スーッと自分の部屋に帰られる入居者さんと、ご様子はさまざまです。
その時、ぼくはトイレ掃除を行っていることが多いのですが、ちょっと離れた場所から、みんなの掃除の様子を見 ていると、少し掃除をして椅子に座っていた入居者さんに一緒にリビングの掃除を行っていたスタッフが、その 座っていた入居者さんに、「そこを拭いてください」と台ふきを渡していました。ぼくはそれを見ていて、テーブルを拭いてもらうことをお願いしたのだろうと考えていましたが、その入居者さんは立ち上がり自分が座っていた椅子を拭き始めました。人の捉え方はさまざまなのだなと思いながら見ていましたら、最後にはすべてのテーブルをぐるっと一周して拭かれておりました。
この方にとって、一周してすべてのテーブルを拭かれることはとても大変なことですが、意欲を持って一生懸命取り組まれている姿がとても印象的で、よい気持ちとなりました。
なにげない日常生活の中での気づきを、入居者さんと生活を共にしていく中でこれからも大切にしていきたいです。

10:37 | Posted by jizai

【後悔しない最期をむかえる】  とちの実 渡邉

2023年06月30日 | とちの実

毎年のことですが、「GWは何処かいきますか?」「休みはいつから何日間?」などと、世の中は賑わっています。
実はわたくし、何故かこの時期、あまり良いことがないのです。
今年も残念なことですが、入居者A様と永遠のお別れをすることになってしまいました。
A様は、かなりのご高齢ですが、ユーモアもあるお元気な方でした。しかし昨年の夏、脳梗塞を患われ入院されました。そして数ヶ月後、とちの実に帰って来られましたが、車椅子の生活を 余儀なくされ、暮らしは以前とは一変されました。
そして4月の中旬から水分がとれなくなり、点滴の処置を受けることになりました。
ご家族さまは、お身体の状態について医師の話を聞かれたうえで、「とちの実」で最後まで過ごすとご判断されました。ご本人様も入院をすると家族に安易に会えなくなるということが大きく、「ここにいる」とおっしゃられました。
ある日の夜勤でのことです。体動が多く、ベッド柵に手を打ち付けそうになっているので、手を握ると私の手を握り返されたのです。そして、「あなたと一緒にいきたい、寂しいから」とおっしゃれました。
何か察しているのかと切ない気持ちになりました。
私は何と返答してよいのかわからないまま、手をにぎっていました。
別の日に、童謡をCDから耳元でながし、側で口ずさむと、一緒に歌をうたってくれました。その次の日も一緒に歌いたいと、同じように寄り添いましたが、少し顔を頷かせる様子だけでした。ゆっくり、ゆっくりと変化していくなか、約半月ほど、職員は入れ替わりですが、皆、誠心誠意をこめて支援していました。
ご家族様も、時間が許す限り面会をつづけておられました、きっと大事な会話が出来たのではないでしょうか?
そして、A様は、ご家族様の見守りの中で旅立たれたのです。
最期は「その人らしく」が理想ですが、運命は分かりません。A様の様にご家族に看取られることはごくわずかかもしれません。
だれもいつとは全く予測でききない分、どの立場でも素直に出来る限りの思いを伝えられたらいいなと思いました。

10:37 | Posted by jizai

【ぶなの実のアイドル♪】  ぶなの実 内田

2023年06月30日 | ぶなの実::ぶなの実3F

先日、Iさんが永眠されました。享年97歳でした。
ぶなの実に入居されて12年8ケ月が経過した所でした。
入居される前は、経管栄養でお食事されていましたが、どうしても経口摂取がしたいとのご希望があり、ぶなの実に入居されました。入居したばかりの時は体調を崩して入退院を繰り返されていたそうです。その後は日に日にお元気になり、食欲もあおりで、何よりもあんぱんやケーキがお好きでした。Iさんは失語症をお持ちでしたが、「はい」「わかった!」「まだ?」「そう?」など気持ちを伝えて下さいます。
ファイル 611-1.jpegぶなの実のスタッフや実習生は、絶対にIさんに癒されると言います。
私もファンの一人です。普段は寡黙な方なのですが、時折見せてくれる笑顔に職員はメロメロです。
お買い物に行った際には「あるから」と左胸をたたき、お金を払おうとしてくださる姿が頼もしいのです。車いすで買い物に行った時には、籠の中をバランスが良いように整理してくださいます。時には長いごぼうが籠からはみ出していたのが気になり、ポキッと折ってしまわ れることも!!
レジに並ぶ際は、いつも左端のレーンと決まっています。なぜかというと、Iさんのお気に入りのお姉さんがいらっしゃるからです。そのお姉さんの時は笑顔が倍増します。
しばらく近くのスーパーへ行く事が出来ない期間が続くと、スーパーの方から「お父さんは元気?」と声をかけて頂けることがしばしば。さすが、ぶなの実のアイドルです。
お部屋から、Iさんの「はい」という声が聞こえないことがとても寂しいです。
8月には高校野球が始まります。天国でもお好きだった高校野球を観戦している事でしょう。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

10:37 | Posted by jizai