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【老後のこと】  ぶなの実 森田

2022年07月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

身内のことになるのですが、私には独身の叔母と叔父がいます。この二人は姉弟なのですが、二人暮らしをしており、ほぼ同時期に認知症になりました。二人とも施設になんか入りたくないと頑なに拒んでいましたが、先に叔母の足が悪くなり、ショートステイを利用することになりました。そして叔父は自分の姉を看ていた自負があったのですが、その姉が家に不在になったことで急速に認知症が進んでいきました。訪問介護を利用しながら、叔父の妹たち、私の母もその一人なのですが、何かあるたびに呼び出され、電車を乗り継いで叔父の自宅まで行き手伝っていました。やはり在宅介護では限界が近づき、度々施設を探してはいたのですが、東京近郊では年金だけで入れる施設がないのです。叔父の年金はひと月約15万円です。施設の利用料は支払えても医療費やおむつ代などは別途かかります。ちなみに特養に入れればいいのですが、現在の制度では要介護4以上でないと申し込みが出来ません。
そしてネットで探しに探したのが埼玉県西部にある住宅型有料老人ホームでした。かなり奥地です。
条件としては全ての料金が年金内で支払えて、少しお小遣いも残り、駅近ということでした。電車賃もかかってこの上、駅から遠くてタクシー代なんて支払っていたら看ていく方が破産してしまいます。
今叔父は無事施設に入ることが出来、身内としては一安心です。昔、親せき一同で観光に行った場所で、聞き覚えのある地名に叔父は喜んでいます。施設の支援内容に思うことはありますが目を瞑っています。本来だったら、叔父にはグループホームが合っていたように思います。しかし今の制度では経済的に入ることは叶いませんでした。
今回、叔母・叔父の件で改めて自分の最期はどこで誰と過ごすのか考えさせられました。もしも私が認知症になったら夫は看てくれるのか。老後、二千万円問題⁉など山積みで、グループホームはこの先もあるのか。
悲しいことですがお金がないと施設に入れない現実があります。因みに叔母は今夏に特養に入所出来ました!
なんだか悲しい未来の話になりましたが、今はとにかく一生懸命働くのみです!

11:02 | Posted by jizai

【外国人のスタッフへ】  つげの実 蔵田

2022年07月31日 | つげの実

つげの実には、現在、ネパールの方とベトナムの方がスタッフとして仕事をされております。
前回のどっこいしょの記事を書かれておりますが、いままでに、ベトナムの方や中国の方、韓国の方は在籍されていましたが、ネパールの方は初めてです。
私はネパールの方と話した事や身近に一緒に過ごしたことはなく、ネパールが世界のどの辺にあるのかもわかりませんでしたが、いろいろと教えていただいております。私も日本に住んでみて、感じた事やイメージなどを聞いてみております。2人とも、日本はいい国、みんな優しい、安全、母国では、夜気軽に出歩くことができないと言われております。
外国の方から、いい国、優しい、と思われ、こんな住みやすいいい国を作ってくださったのは、今、ここで生活されている入居者さんたちのおかげだと思っております。
ベトナムの方に「介護の仕事をどのように考えていますか。」と文章で書いていただいたことがあります。
「介護の仕事は、知識、忍耐と温かな心が必要なのだと思います。」と書かれておりました。
一生懸命、着替えをされる入居者さんがいらっしゃいます。
でも、なかなかズボンに足をとおすことができないでおります。
すぐにでも、そばに行ってお手伝いしたい気持ちを、グッと耐えて、遠くから見守りをさせていただいていると、やっとの思いで、ズボンに足がとおると、私のほうを見てとても素敵な笑顔をされます。この瞬間がスタッフとして最高の時間です。
お2人にも、この仕事を通じて、入居者さんたちのすてきなご様子を沢山感じていただければと思っております。

11:01 | Posted by jizai

【文明】  とちの実 林

2022年07月31日 | とちの実

コロナが少し落ち着いてきたと思った矢先に6月が己の仕事内容を忘れた働きをしていた2022年。
エアコン代の節約などと言っている場合ではなく、文明の利器をフル活用せねばこの夏を乗り切れるかも怪しいこの頃。
お年寄りが多いグループホームといえど、その文明の利器を活用する方ももちろんいらっしゃいます。主に携帯電話です。
ご家族やご友人とお話したいという想いから、よく携帯電話を触られている入居者Aさんがいます。Aさんが職員に操作方法を尋ねながら操作している姿を見て、ふと思った事を口走ってしまう。
「携帯の操作って難しいでしょう?続けられて凄いですね。最近の機械は僕でもよくわからない物も多くなってきましたよ」
「私もよくわかってないし、全然覚えられてないです。でも娘や友達とできるだけお話したいから」
笑いながらAさんは言われます。彼女は認知症の度合いも比較的軽く、入居前の生活を色濃く覚えている方です。最初の頃は脱走を試みたり、帰りたいと懇願してきたり、泣いたりと色々ありました。それでも今はグループホームという場所で精一杯前向きに過ごされています。そう考えると我々のやってきた事にもしっかりと意味があったのだと実感できます。
「年齢を重ねても新しい文明の利器を使いこなそうとしているのは凄いと思いますよ。」
素直に告げるとAさんはどこか恥ずかしそうに笑って
「ありがとうございます。なんだかお話していたらお腹が空いてきちゃった。久しぶりにカステラ食べたいですね」
いつの間にか文明堂の話になっていた。

11:01 | Posted by jizai