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【感情との向き合いかた】  とちの実 中島

2020年08月11日 | とちの実

少し古いデータになりますが、2014年にベルギーのルーヴェン・カトリック大学が学生233人を対象に感情の持続時間について調査を行いました。感情を27種類に分類し、それぞれの持続時間について、悲しみ120時間、憎しみ60時間、喜び35時間、不安24時間、安心感8時間、怒り2時間、苛立ち1.3時間・・・等といった結果を確認しています。
サンプルの人数は少ないですが、面白い研究だなと思いました。
私達は仕事上、入居者さん、仲間の職員といった沢山の人達の感情と向き合わないといけません。何より自分の感情とも、いやがうえでも向き合わされます。暴れ馬のような自分の感情をどうにか御(ぎょ)したいと、観察と探求を日々続けています。
さて、ここから先は私見になりますが、私達はその感情が持続している間、無意識的にその感情を維持するための出来事を探し続けるようです。
例えば、仕事で仲間と上手く連携がとれずに苛立ちを覚えたとしましょうか。すると、その苛立ちのキッカケは過ぎ去ったとしても、苛立った気持ちの残っているその1.3時間のあいだ、私達の心は苛立ちの種を他に探し続けます。それは例えば仕事を終えて電車に乗ったときに、ドアの前で陣取っている人に向けて再燃をするかもしれません。普段だったらそこまで気にならないはずなのに。
あるいは、技術的な未熟さから入居者さんと上手くコミュニケーションがとれずにイライラを募らせている職員がいたとしましょう。当人のイライラした心は、重箱の隅でもつつくかのように、そのイライラした心を更に刺激するための材料を探します。そして、「給料が安い!福利厚生が足りない!」といった方向に行き先を見い出すかもしれません。
悩ましいことに、こういったことに自分で気付ける人はなかなか存在しないようです。本人にそれを指摘しても普通は受け入れられません。ですから周囲の人が遠回しに気づかせてあげる必要があります。
さて、これが認知症状態の人だとまた話が少し変わってくるようです。
特定の感情を維持するための出来事を探すと同時に、出来事をご自分の記憶の中から新たに「創造」をなさることが見受けられます。
例えば、夕方になって「そろそろ家に帰らないと。でもどうやって帰ったらいいのか分からない」という不安な気持ちが現れたとしましょう。支援者の働きかけにより、帰宅することに関しての不安が一時的に解消をしたとしても、継続している不安な感情は、新たに不安の種を創造するかもしれません。例えば、「バッグに入れていたはずの財布がない」という困りごと(客観的にはお財布は最初から存在しない)として現れるかもしれません。
結局、こういった場面における支援のポイントは、本人が抱えている感情にどう向き合って対応するか、ということに帰着するわけです。
ですので、私としては相手が入居者さんでも、職員でも、自分自身でも、感情と出来事(あるいは感情と思考)は、ときに切り離したり、くっつけたりをしながら、それと向き合うように心がけています。
人間の心って奥が深なぁと、いつもいつも感じています。

11:53 | Posted by jizai

【つげの実で毎日台所に立つご入居の女性】  つげの実 徳永

2020年08月11日 | つげの実

コロナコロナで憂鬱の毎日ですね。
当たり前の日々が懐かしい位です。
私事ですがつげの実での入職がそろそろ1年となります。
まだまだ半人前でご入居の方に助けられてばかりです。
前年度の4月、右も左も分からず入職したばかりの私にとてもお元気な女性が台所に立つ姿が印象的でした。
明るく面倒みが良いkさんは365日休む事無く、多い時には10人分の食事をお一人で作ります。
毎日、毎食です。
凄い事ですよね。
私には絶対に不可能な事です。
kさんは台所仕事は嫌いじゃないんだよ、と明るく応えます。
時には朝5時から南瓜を煮たり、きんぴらを作る等とても働き物です。
そんなkさんが最近足を骨折されて、私達職員はとても心配しました。
kさんは答えます。
ちょっと、怪我しただけさ。みんな大げさなんだよ、と。
幸いkさんの足は良化され、いつもの様に元気にスタスタ歩かれ、今日も台所で美味しい料理を振舞って下さいました。
いつまでもお元気でいて下さいね。
これからもつげの実の台所をどうか宜しくお願い致します。

11:53 | Posted by jizai

【10年目の発見】  ぶなの実 宝田

2020年08月11日 | ぶなの実::ぶなの実3F

こんにちはぶなの実Aユニットの宝田です。
私はぶなの実で働き始めて10月で10年になります、約10年間働いていますがこのコロナの状況で色々と変わった事がありました。入居者との買い物も大人数で行ってはダメ、外部からの訪問も一時的にダメ、毎年楽しみにしていた旅行にも行けなくなてしまった、などなど、今まで当たり前にしていたことが制限される事になってしまったのです。ですがネガティブな事だけでもないのです!
なんと!ぶなの実では家用カラオケを導入することになったのです!!家用だからそんなに沢山の曲が入っているわけではないですが・・・笑
そこで印象的な事があったので一つ紹介します!Iさんは失語症なのですが、カラオケで同期の桜を流してしばらくすると「だぁ~だぁ~だだぁ~♪」と歌のリズムに合わせて歌ったのです!「そう?」とか「はいはい!」など簡単な言葉は喋ることがあるのですが音楽に合わせて歌えたことにびっくりしました!外に出る事が減ったからって悪いことばかりではないな!とポジティブに考えて、まだまだ見つけていないみなさんの魅力を探せるチャンスだなと思いました。

11:51 | Posted by jizai

【編集後記】  林田

2020年08月11日 | 編集後記

ボーっとした日々が続いていたと思ったのですが、ここにきて、仕事がせわしなくなってきています。皆様はいかがでしょうか。
新型コロナウィルスが、猛威を振るってすでに4,5か月経ちました。第一波の時に想像したように、第二波が現在大きなピークになってきています。毎日ニュースが流れているのですが、感染者数を見る限り第一波を超えたようです。ですが、今回のほうが重篤な方や死者が少ないように思います。これは、病気のありようから考えてもよかったことだと思います。
現在、お盆の休み期間になる直前で、人がどういう動きをするのかが読みにくいことと、この病気に変な狎れが出てきているのではないかなと想像してしまうのです。
狎れが、この病気対策の土台部分にあると、どのような対応策をとっても不十分だと思います。特に、行政の打ち出している施策の内容を見てみてもどこか中途半端で、各自治体と国の施策の方向性が同じとは思えない内容が散見されます。
第二波が、第一波に比べて対応ができているのならば、その対応できているところを早く見抜きより強力な施策をみんなで行っていく必要があると思います。そのことが、この病気の本当に恐ろしい狎れの状態からの脱却につながると思います。

11:50 | Posted by jizai