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編集後記 林田

2018年03月28日 | 編集後記

先日、あるYouTubeを見ていたら、「その職業を選んだ理由は楽だから。」と話している人がいました。確かに、長時間働くことが良しとされた時代ではありませんし、私も長時間労働をただ行うことは反対です。
しかし、楽という概念を上位に挙げていくことは、少し立ち止まらなければならないかなと思うこともあります。
楽と言う言葉の中には、思考をしない。と言う要素も入ってきます。考えるということは、実は非常に疲れる行為であり、体力も必要とします。
人間は、他の動物と比較して大脳を進化してきました。その代償として大脳のエネルギー消費率は、他の器官よりとびぬけて大きなものになっています。つまり、燃費が悪いのです。
燃費が悪いということは、お腹が空きやすいのです。日本人が飢餓から脱却したのは戦後の話です。それに引き替え
飢餓は何万年も続いてきました。ですので、人間の脳は、お腹が空くことを避けるために必要でなければ考えることをしなくなるのです。
しかし、これからは考えずに済むということが世の中を大きく変える可能性があります。
AI(人工知能)の存在です。
せんだって、AIに関する二つの番組を見ました。一つは将棋の世界、もう一つは機械が故障した時の対応に関する話でした。
どちらとも、AIの対応は人間と同等もしくは人間以上の能力を発揮するようになっています。どちらのAIも当然自己学習能力がついています。それを開発した方々が話をされていたのですが、どのようなプロセスで、どのような考えで、実際の行動(将棋では指し手、故障の対応でしたら必要な物品の選択)を取ったのか、説明ができません。と言われていました。
つまり、人間が考えることをしなくても、AIが考え対応してくれる時代はそう遠くないのです。そしてその対応力は、すでに人間以上の能力を持ってきているのです。
そうしたら、楽(考えずに済む)を基準にしたら、そのほとんどをAI任せにしていくことになります。
私たちが、認知症対応型共同生活介護という事業に対し、「有する能力に応じた自立」を目的に2000年から方針転換をしたときに感じたことがあります。
考えなくてよい生活は、入居者さんたちにとって楽なのだと。しかし、自分で考えて行動することを奪われた入居者さんは、生きているのではなく、生かされているように見えます。
人間は、飢えと闘いながらもなお、考え行動し生き抜いてきました。それは、命をつなぐことであり、その対価として満腹の幸福感のほかに、達成感や協力する喜びを得てきたのだと思います。
AIが生活に入ってくることは避けがたいでしょう。しかし、自分で考え行動するということの重要さと喜びを決して忘れてはいけませんし、まして、自分が、支援者であるにもかかわらず、人が考え行動することを奪うことは許されません。
AIが一般化するなかで、本当の意味で人間らしい仕事というものは、私たちのような職業に残っていくのではないかと思っています。(林田)

18:39 | Posted by jizai

【Nさん、麻雀旅行へ行く。】 つげの実 新山

2018年03月28日 | つげの実

入居されてから外部のご友人と麻雀旅行へ出かけるNさん。
多い時では毎月。「今回は負けちゃった。でも楽しかったー。はやく次も行きたいよ。」と笑いながら話すNさん。
あの日、私は新宿駅までNさんを送ることになり、一緒に行きました。つげの実を出てから駒込駅まで歩く。切符を買う。電車に乗って新宿駅まで。
サクサク行動するNさんのうしろをついて行く、私、新山。新宿バスターミナルでNさんのご友人を待つ。かなり待ちました。Nさんから聞いていたご友人の方をイメージしてた通り黒服に包まれた、芸能人なみにオーラを放った3人組が向こうの方からやってくるではありませんか。
(おおお、めっちゃかっこよすぎるやろーー。と新山、心の声がなぜか関西弁になる。笑)
私は「Nさん、もしかしてあちらの方が、ご友人様ですか?」と聞くと「おーーーーー。」と席を立ちご友人と抱きつくNさん。
その時、つげの実で見せる顔から別の顔を見せたNさん。キリッと背筋が伸びる。
そして新山が「はじめまして。新山と申します。宜しくお願い致します。ペコリ」と挨拶をすると最高高齢者のご友人の方が丁寧に挨拶すると他のご友人の方も続いて挨拶。
短い時間でしたが、その神秘的な空気に触れ、Nさんのかっこいい生き方をイメージした通り一致した瞬間でもありました。「いってらっしゃいませ。」と新山は、つげの実に戻る。
後日帰ってきたNさんに話を聞いたところ、その麻雀旅行は20年続いているそうです。

18:38 | Posted by jizai

【皆の笑顔。】 とちの実 森

2018年03月28日 | とちの実

今年のお正月は、初めて担当になり、元旦に皆でおせち料理を頂きました。
お正月らしいお花を飾り、女性の入居者さんは、「きれいだね、松があるからお正月らしね」と、喜んでくれました。
綺麗に盛り付けられたおせち料理を、皆さんお腹いっぱい食べました。そして、11日に新年会をすることになりました。
お寿司を食べて、プレゼントを配ることになりました。プレゼントの中身はそれぞれで、その人が使えるものにしました。タオルやカップ、お皿とそれぞれでした。プレゼントを配る時の、皆さんのキラキラした目がとても印象に残
ます。貰った袋をしっかりと握っている人、すぐに開けて隣の人と見せ合う人、皆さんそれぞれに楽しそうでした。
悩んで選んだ物もありましたので、良かったと思いました。
その後、カルタをしたり、紙のピーピー笛で遊んだりしました。やっぱり、何歳になっても女性は、お花とプレゼントが好きという事ですね。
ステキな笑顔が見られた一日でした。

18:37 | Posted by jizai

【あまい誘惑】 ぶなの実1F 松林

2018年03月28日 | ぶなの実::ぶなの実1F

OKさんに献立を尋ねると「私はなんでも良いよ」「みんなと一緒で良いよ。」と仰り、自分の希望を仰ることはありませんが、お菓子を選ぶ時だけは特別です。
夕食の買い物に出掛けた際、お菓子売り場が目に入ると「ちょっと待って!あのお菓子見せて!」と仰り、積極的にお菓子を手に取ってじっくりご覧になられます。
中でも甘いお菓子が大好きで、同じくお菓子好きな私と趣味が合います。そして、「甘いものと一緒にしょっぱい物も買って行こうよ」と、太る道への甘くてしょっぱい言葉を仰います。
そんなOKさんは、買い物に出かけると、普段、お話をされない昔の事やご家族の事などをたくさん話されます。そうすると、どんなに店が混んでいてもニコニコ笑顔の上機嫌で帰宅され、とても満足そうなご様子です。どんな重い荷物でも「大丈夫、大丈夫」と仰って、沢山持ってくださいます。
OKさんはお身体の関係で、車いすで生活をされています。出かけたいときや希望のあるときに実現できない事もあります。そういった生活の中でも「自分でできることは自分で」という強い意志を持たれています。生活支援の大半を私たちが代行することが多くなりがちですが、OKさんの強い意志や得意な事を小さな事でもいいのでたくさん見つけ、支援に繋げて行くことの大切さを学ぶことが多い日々です。
ただ…OKさんは最近、体重が増加傾向にあります。なので、お菓子は控えて頂きたいところですが、色々と学ばせて頂いていますので、ちょっと位なら良いかな…って思ってしまいます。これがお菓子よりも甘い言葉ですね。OKさん、今年は少しづつでも良いので運動もしましょうね。

18:35 | Posted by jizai

【泣き笑いのお仕事】 ぶなの実3F 前倉

2018年03月28日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ぶなの実の皆さまに出会えておっかなびっくりのお客様だった私も、毎日毎日泣いて笑って10ヶ月を過ごすことが
でき、入居者さんにとっての「いつもの顔」になりつつあるのでしょうか。ふとしたときに私を探して微笑んで下さるのを見て、人生の幸せを噛みしめているこの頃です。
さすが噂通りの介護業界で人材が入れ替わり、まだ1年経たないうちに他のスタッフにアドバイスをする機会が増えてきました。支援の意味を改めて考え直し、見直しながら助言、他のスタッフの介助を見てまた盗み、考えるを繰り返し、いい刺激にはなっています。それでもまだ新人気分が抜けず、悩んだら全て先輩方にぶつけるだけぶつけて丸投げで仕事した気になっていましたが、新人のつもりは自分だけなのでは?という空気をそろそろ無視できなくなり、いい加減今年は甘えられないなぁと、今更ながら心を改めることにしました。スタッフにとっても心強いチームメイトとなれるようさらに精進を、とこちらで宣言させて頂きます。ハードル高いですが入居者さんの利益になると信じて、更に生き生きと安全に過ごしていただけるよう毎日悩み続けます。
今年もまた皆さまの健康で元気な笑顔を見て幸せを噛みしめる、泣き笑いの1年が過ごせますように。

18:33 | Posted by jizai