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【新しい仕事】   ぶなの実3F 井口

2010年09月03日 | ぶなの実::ぶなの実3F

はじめまして、ぶなの実 井口です。
今年の四月から働き始めましたが、今までは旅行会社で国内専門の添乗員をしておりました。昨年退職してヘルパー2級を取得したことをきっかけにぶなの実でお世話になっております。
ぶなの実は北区にオープンする新規グループホームでしたので、工事期間に色々なところで研修させていただきました。研修先では、それぞれの生活があり、おうちにお邪魔しているようで楽しい中での勉強でした。
六月からはぶなの実での生活がスタートしましたが、研修のみの経験で不安でいっぱいでした。しかし入居者さんや仲間に、料理や掃除など日々の生活を教わりながら少しずつですができる事が増えてきました。それでも毎日教わることばかり、まだまだ未熟です。だからこそ、このぶなと一緒に成長して実のなる木に生りたいと考えています。これからも新しいお仕事を一生懸命がんばっていきますので、よろしくお願いいたします。

15:38 | Posted by admin

【わたしがTさんの好きなところ―とちの実のやわらかな心の呼吸―】   ぶなの実 佐久間

2010年08月03日 | ぶなの実

Tさんは、だいぶ以前は「のんびり家」に入居されていた。その頃の私は、のんびり家のすぐ近くで、同じ文京区にある「お寺のよこ」という事業所に勤務していた。だから、お寺のよこの利用者と一緒にのんびり家を訪問したときに少し話しをしたり、時たま、路上で買い物や散歩に出ているTさんに出会ったりしていた。多くの思い出はないのだが、ユックリ話し、穏やかな表情の方という記憶はある。
私は、去年の6月にのんびり家から異動となり、とちの実にやってきた。Tさんは、春先に、健康を損ねて入院したのちに、経管栄養のための手術を終えて、とちの実にもどってきていた。食べ物を口から食べられないということ、口から食べることが命とりになる危険性があるということ、栄養剤を人工のチューブで胃に直接流し入れるということ。
最近は、心臓の手術も、血管に沿って細いチューブを心臓まで入れておこなってしまうという。考えれば、考えるほど、体がむず痒くなる。考えすぎると、恐ろしさに感覚は凍りついてしまい、理解は不可能になってしまうこともある。
日常的な想像のはるか先にある静かな日常だ。
未曾有の長寿社会、高度な医療技術の一般化、介護保険制度の社会的浸透、職業的介護従事者の広汎化、そしてそれらを支える社会的な冨の蓄積、どれを失くしてもこのあらたな日常は来なかった。そういう意味では、太くもない人類の歴史の、そのさらに気を失いそうなほど細い糸がこの日常を支えている。
Tさんは、喋らない。時として何日おきかに、「うーん。うーん」と、一息が続く限りに長いうなりを5分ほど繰り返す。苦しそうだ。長いうなりなものだから、聞いている職員も息が少し苦しくなる。「何が苦しいのかな」と考える。
大腸が便を送るために激しく蠕動をして痛むのか?たしか激しい頭痛のともなうことが人によってある既往歴があったから、の可能性はないだろうか?それとも唾が口の中に溜まってしまい飲み込むことが苦痛なのでは?いろいろ考えるが結論など出るはずもないのだが・・・・。ひとしきりに顔を紅潮させて、力一杯のうなりが治まると、穏やかな表情と静かな呼吸のTさんにもどる。何もできなかった私は、ほっとして気持ちが自分にもどる。
Tさんの日常に比して、私たちの日常は明らかに過剰だ。
私たちは、外界からの刺激が緩まると、現実との繋がりが見失われてしまったかのようになる。政治の世界までが「劇場」でなければ成立しない状況は、政治家と非政治家の関係がなにも生み出さないものになりかねないということだと思う。空虚さと過剰さとは同じものに他ならず、そのことに巻き込まれると、ますます巻き込まれていく。
Tさんは、異性へのときめきを表さない。食べる喜びもなく、わけあって食べる喜びもない。誰かと出会っていくために自分と周りに気をつかうこともない。動くのもほんのちょっとだけ。だったらきっと心も体も硬くなるはずだ。
だけれども、Tさんの体はとてもやわらかい。とても柔らかく、少しの緊張もなく介護の手にゆだねている。これはたいへん上級の作法だと気付く(作法などなくともそれはそれでよいのだが)。だから、私たちは、Tさんの体にふれるとほっとする。緊張を強いられずに「しっかりしないと」と思う。なのに、このやわらかさは、病理学の目から見れば、もっとも原始的な幾重にも守られている生体反応としての筋肉を作用させる中枢神経系のある部分がはたらかなくなっているという深刻な状態を表している。
Tさんは、目をつむっている。但し、時たま5分くらい目をあける。その、世界と関わろうとする最小の意思は、私たちがぼーっとしているときよりもしっかりした目つきなものだから、「まるで何かが見えているみたいだ」と思う。黒く澄んだ瞳の眼には、小さく世界の像が写っている。だが何も見えていない。顔を近づけすぎても、手をかざしても、まぶたは動かず、眼球も動かない。そして、また目をつむってしまう。
どうやら私たちは、Tさんの日常のなかに、ものすごい力で引き込まれては、ものすごい力でそとに出てくるという確かで無駄でもない心の呼吸を繰り返しているようなのだ。

15:37 | Posted by admin

【ぶなの実が開設しました】   ぶなの実 森川

2010年07月03日 | ぶなの実

初めまして、ぶなの実です。
ぶなの実は北区滝野川に6月19日にオープンした新しいグループホームです。管理者は、つげの実から異動になりました森川が承っております。
ぶなの実は、当法人初の2ユニットのグループホームです。4階建ての建物で、1・2階が6名で1ユニット、3・4階が9名で1ユニットの計2ユニットです。計15名の方々が生活されます。
もちろん、ユニットを越えてコミュニケーションを取ることも大歓迎です。そういった意味では、1ユニットのみのグループホームに比べ、ホーム内は賑やかな場所になります。
まだ開設したばかりで全てのお部屋は埋まっておりませんが、入居者様が多い分、近々皆様で楽しいイベントを考えていきたいと思います。15名寄れば文殊の知恵(!?)でワイワイ楽しんでいきます。まずは、入居者様と共に、この滝野川という街を探検するのも面白いでしょうか。どうぞこれからもぶなの実を宜しくお願い致します。
地域の皆様へ私達はこれから、ご入居者様をぶなの実で、長期的に支えてまいりたいと思います。それには、地域の皆様のご協力が必要不可欠です。その協力というのは、ごく自然な事で結構です。私達ぶなの実の人間が外を歩いておりましたら、一声掛けて頂く、それだけで入居者様にとって、私達にとって、大きな励みになります。
それは、入居者様も私達も、このぶなの実での生活にまだ日が浅く、新しい地で関係を築いていけるか、とても不安だからです。だからこそ、本当に一声掛けて頂くだけで結構です。お力を貸して頂き
たいと思います。
今後、5年、10年と、入居者様には豊かで安心した暮らしが送れるように、そして、地域の皆様には愛されるグループホームになるように、職員一丸となって努力していく所存です。宜しくお願い致します。

15:18 | Posted by admin