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編集後記

2017年09月30日 | 編集後記

脳(海馬)で記憶することがうまくいかなくなること。これが、アルツハイマー型認知症を中心とする、認知症の症状の特徴です。
うちの入居者さんたちの多くは、この症状が出ます。以前、某大学病院の先生と話したことがあったのですが、その先生は、実行機能障害(段取りを取るような機能です)がその主な症状と言われました。私は、実行機能障害が起きるのは記憶障害が原因だと考えていますので、いまいち議論が噛みあいませんでした。実際どのように考えるか結論は出ていませんが、記憶ができる。記憶をし続ける。と言うことは、その方の人生そのものになりますし、自分とは何を考える情報源になります。アイデンティティと直結するわけです。
そのような意味では、記憶とはとても重要であり、記憶が無くなることに恐怖を感じることは無理のないことです。
そして、記憶は苦しみの原因にもなります。忘れられるならどれだけ楽になるのだろうかと考えることも、私は年々増えているように思います。
忘れることを意識的に行うことは、かなり難しいことです。覚えることは意識的にできることも、ままあるにもかかわらず、忘れることは思うに任せません。そのことが精神をむしばむような気がすることがあります。
しかし、記憶にだけそのこと(人生や生きていること)の価値を付託するのは、記憶に申し訳がないように思うのです。
記憶することは、本来自分の豊かにし周りの人たちと幸せに暮らせるために行うことだと思うのです。
ですので、記憶がとどまらない認知症状態にある方でも、自分が豊かであり、周りの人たちと幸せを分かち合えるなら、記憶の有無と幸不幸がつながらないということも可能なのではないかと考えています。
そして、それらのことを気づかせてくれるのも、それらのことに確信を持たせてもらえるのも、これまで、そして今、一緒に生活をしてもらっている入居者さんたちの存在だと考えます。
自分の力ではどうにもならないことでも、目の前にいてくれる入居者さんたちが、真摯に人生を向き合っている姿に救われることばかりです。本当に、ありがとうございます。(林田)

10:52 | Posted by jizai

【お誕生日のできごとから。】  つげの実 西田

2017年09月30日 | つげの実

つげの実の利用者様は、夏から秋にかけてお誕生日が続きます。
7月は、アイスケーキ、茶月のお寿司、手作りのフルーツポンチでJ様94歳のお誕生日のお祝いをしました。皆さんから「いくつになったの?」「何年生まれ?」「大正生まれすごいねー」「おめでとう!」「ありがとう」とシャンパングラスを持ちながら利用者様同士の会話が行き交ったり素敵な時間でした。
つげの実利用者様の平均年齢は87歳。皆さまとてもお若く見えます。
8月終戦記念日が近づいた頃、利用者様同士でお話されていました。
「なになに?」と私が首をつっこむと「東京大空襲の話をしていたんだよ。原爆も大変だったけど東京もひどくやられたからね・・。」とお話して下さいました。とても実感こもっていました。またゆっくり聞かせて頂こうと思います。
そして8月は、T様86歳のお誕生日を皆さんでお祝いしました。
「この年で祝われてもてれくさいねー。でもこんなに祝ってもらったのはじめてだよ。うれしいね。ありがとう!」と照れながらも皆さまからあたたかい拍手。
アイスケーキにたてられたロウソクをしばらくうっとりした表情で見つめたあとフーッ!と吹き消すTさんがとても印象的でした。
私もおめでとうな年と言えなくなったな・・・なんて言いそうになりますが、そんな事ない。お誕生日を迎えられた素晴らしさを思いきり感じる大切な日と改めて思いました。
Happy Birthdayを楽しみに。

10:50 | Posted by jizai

【変わりゆく日々。】  とちの実 森

2017年09月30日 | とちの実

とちの実に来て、2年が過ぎました。
私の担当のAさんの日々大きな変化に驚きながら過ごしています。
私が働き始めた頃は、朝は洋服に着替えてご自分で降りてこられました。
今は着替えも一人では難しくなりました。
2年前に出来た事が、今はいくつ出来るかな、と思い寂しくなる時もあります。そして、何より寝ることが少なくなり、しかも、私が夜勤の時は起きている事が多く、何でいつも私の時に・・・と思っていました。
そうだ、この際、眠くないなら起きていればいいし、居間が好きなら居間に居ればいい、私も好きにして~と、思うようにしました。少し気持ちは楽になりましたが、この先、次はどうなるかな、と思い日々変わってゆくAさんと過ごしています。

10:48 | Posted by jizai

【我、揺るがず】  ぶなの実1F 伊藤

2017年09月30日 | ぶなの実::ぶなの実1F

皆様がいかがお過ごしでしょうか?ぶなの実Bユニットの伊藤です。
今回は、どんな時でも自分の決めたことには考えをまげず一本気の通ってそれでいて気品があるFさんのお話です。
みなさんも時には、機嫌が悪かったりするときがあります。
ある日の事です。みなさんお食事を摂っているとFさんの隣席で食事を摂っていたTさんと腕がぶつかってしまいました。
「あなたもう少しそっちに行きなさい」と少し口論になり、「私の席のここからここまでの幅から、私は少しもずれてないのよ」と一言。
確かにTさんのほうが少しずれてるみたいです。
お互いの話を聞いてから納得してもらい、落ち着きました。
男性に対しても一歩もひかず、自分の考えは曲げず、我、揺るがず、我、一歩も退かず、我、自己通す
なりの精神力です。
はわわわわ、尊敬です。さすがです。
そんな筋の通ったFさんですが、花壇のお花が大好きでよくお水をあげています。お花にも詳しくよく花言葉や、種類を聞いています。
可憐で素敵です。
時には、「あなたも大変ねー、いつもありがとうねー」と一言。こちらこそありがとうねーです。
いろんな方が生活しているぶなの実Bユニットです。やっぱり一人、一人個性があって人間味があふれていて素敵です。
これからも元気で楽しく生活して行きましょうね。

10:42 | Posted by jizai

【東京ドーム野球観戦】  ぶなの実3F 宝田

2017年09月30日 | ぶなの実::ぶなの実3F

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どうもこんにちは、今回は5月にIさんと野球観戦へ行った時のお話をさせて頂きます。
Iさんは前にもAユニット全員で野球観戦に行った事があり、その時に帰るのを嫌がるくらい楽しまれていたというお話を聞いたので誕生日外出に野球観戦しに行きました。
自分はなぜテレビで野球を観れるのにわざわざみんな球場へ見に来るのだろうかと不思議に思っていたのですが、いざ観戦してみると野球が始まる前のいろんなイベントとか、ホームラン、ファールボールの飛んでくる迫力とか、応援しえる人の声とか球場へ来ないと感じられない空気があるんだなと感じました。なのでその空気を自分達も楽しむ為に一緒にジャイアンツのユニフォームを着て、フライドポテトとジュースを片手に観戦しました。
今回は帰るのを嫌がったりはしませんでしたので、きっと楽しんでくれていたと思います。

10:37 | Posted by jizai