(喪中につき、新年の挨拶は控えさせてもらいます。)
初めてのお正月を迎えました。ぶなの実ではようやく開設から半年が経ちました。この半年、あっという間だったというか、客観的に見て、私は必死でした。このぶなの実をどう運営していくか、昨年の夏の暑さを思い出せないほど悩みに没頭しておりました。
入居者さんは、きっと様々な想いが交錯していたと思います。それは、生まれて初めてグループホームに入居される方が、オープンから2、3ヶ月で一気にご入居されたからです。加えて、グループホームに勤務するのが初めてという職員も少なくありませんでした。この私も管理者として初めてだらけでした。入居者さんも職員も、皆さん初めてだらけの半年だったのです。その全体的な不安感を直接感じていた私は、何とかしなくてはと悩みが尽きませんでした。
そんな中、昨年10月28日に第一回の運営推進会議がありました。運営推進会議とは簡単に言いますと、入居者様、ご家族様、関係機関の方々、地域の皆様にご参加頂き、ぶなの実の普段の様子のご報告や、ご意見ご要望をお伺いする会です。
今回は初めてということで、ご参加者様皆様に自己紹介をして頂きました。
司会の私はとても緊張していて、ろくに頭も下げることができませんでした。そんな私に代わって入居者さんの方々はしっかりとご挨拶して下さいました。その姿は、私は初めて見る、入居者さんの皆様のかしこまった姿でした。
深々とお辞儀をされ、とても綺麗な日本語。落ち着いた口調や、慣れた挨拶。
例えば、ご入居者のFさんは、私とケンカをして、最後には私が泣いたことをお話しになりました。会議は和やかな雰囲気になりました。
この時気付いたのです。私は、ぶなの実を何とかしようと必死で、入居者さんに助けてもらう事を忘れていたのです。つげの実で勤務していた頃、私は入居者さんに沢山助けてもらいました。
それは、包丁の握り方一つ教えてもらったり、入居者さんの悩みを聞いているはずがいつの間にか自分の悩みを聞いてもらったりと、様々です。
本当に感謝の気持ちで一杯です。
初めてのお正月を迎えました。お餅を食べました。
私は入居者さんが餅を喉に詰らせないか、ハラハラしながら、きっと恐い顔で一緒に食べていました。ふと、Nさんが私に言います。「ゆっくり食べないとね、喉に詰らせたら大変だからね」。
気を張っていた私の線が、少しだけ緩みました。笑顔でお雑煮を食べることができました。また一つ助けられたのです。
こうして少しずつ少しずつ、入居者さんに助けてもらい、ぶなの実は成長していきます。
これからも宜しくお願い致します。