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【一年のときを経て…】   とちの実 渡邉

2014年04月14日 | とちの実

私にとってとちの実は、介護職員としてお仕事をさせていただく初めての場所です。
去年の3月にドキドキしながらドアを開けてから、あっと言う間に1年が経ちました。当初は、右も左も解らず、オロオロするばかり…そんな中、入居者のIさんも最近入所され施設の環境に馴染めない様子、ストレスもあったでしょうし、 混乱もあったと思われ、アセスメント、行動の把握も大変でした。
様々なBPSDもあり、自我を通される事が多く、対応、対処には先輩職員の方々のアドバイスがなければ、新人の自分はなかなか難しい方でした。
思わぬ行為に驚かされる事が多々ありましたが、優しい笑顔で「ありがとう」といって下さることも沢山ありました。
認知の進行に併せて食事や水分の摂取が困難になり、一時入院をされましたが、去年の11月に、退院されとちの実に帰ってこられました。
しかし、入所当時と比べてかなり体力が衰え歩く事は出来ても、自力で出来る事も限られました。
ただ以前より拒否反応もすくなく散歩をされました。
短時間ですが近隣を出掛ける事ができました。とちの実で、年越しを過ごす事もでき、これからは、Iさんらしくいられるよう職員一同、ご支援していきたいと思っていた矢先、年明け5日、急に意識がなくなり救急搬送され、しばらくの間、入院治療に専念されてましたが、3月10日に肺炎の為、永眠去れました…介護職員になって1年で入居者の方を亡くしてしまう事なりました。正直、入院先で他界でもありますし、1年足らずの関わりだった事もあり、バーンアウト・シンドロームにはなりませんでした。 ただ、とても考え深い気持ちです。Iさんにとっての人生の終止符がこれで良かったのか…人は生まれる時と同様、最後の時も選べない…Iさんの尊い命の終わりに直面し改めて思い知りました。
同時に、認知症の方の支援に携わる自分が、その方の人生(生きざま)に大きく左右する存在と再認識しました。
それぞれ、その方らしい「暮らし=人生」を送り、悔いのない人生といえるようにご支援にしていきたいです。
これからの一年は、Iさんの分も他の皆様には、初心に戻って接していきたいです。

02:01 | Posted by admin