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【徘徊するAさんのこと。】  つげの実 富永

2021年08月30日 | つげの実

Aさんはつげの実で一番お若い男性。
「今日、仕事ありますか?」「食いっぱぐれちゃった」等、仕事、お金の相談や同じ事を何回も繰り返し話す。Aさんは仕事を辞めて2年程経つらしい。認知症になる前は、仕事に対し責任感の強い人だったのだろう。本当は優しい人柄なのはスタッフ含め皆知っている。しかし、時には立腹して暴言を吐く事もある。コワモテ(失礼)なので怒るとコワイ(笑)。
正直に言うと日常に繰り返される言動にストレスを感じない訳ではない。辟易してしまう事だってある。仕事だと割り切っていても、スタッフも人間だから。
しかし、これも“つげの実のルーティン”と少しだけ割り切れるようになってきた?!
まだお若いせいか、どんどん歩行でき、朝早くから食事時間を除き、殆ど丸一日散歩(排回)に出てしまう。雨が降っていてもこの行動は続く。
仕事とはいえ、春夏秋冬後追いする我々も大変だ。
少し後から付いて行くと、いつも買物している商店街の店員さんが気に留めていて下さるのが分かる。雨が降っていると濡れないように傘を差し出してくれる。たまに後追いに出遅れてAさんを探しているとバッタリ出会った担当病院の看護師さんが「Aさん、あっちで見かけましたよ」と教えて下さる。少しずつ変化して行くAさんの姿を地域の人が受け入れ、気に掛けて下さるのが有り難い。本人が理解できなくてもAさんの居場所は地域に支えられ、我々スタッフの心配りに包まれる事で成り立っているのだと思う。
でもね、Aさんにお願いがあるの。スタッフが一人待機している時は、「どうかお手柔らかにお願いしますねぇ~(笑)」
今日もスタッフはAさんの散歩(排回)を安全に見守り頑張るのだ!

22:24 | Posted by jizai