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【生涯現役】  つげの実 新谷

2021年03月30日 | つげの実

皆さま、初めまして。昨年12月より「つげの実」に採用していただきました新谷と申します。
過酷な戦争と、戦後の廃墟から奇跡的な復興を遂げた日本。「つげの実」のご入居者様は、そんな時代をたくましく開拓し、高度成長とともに日本を力強く支えてくださった大先輩です。寄り添う機会をいただき、うれしい限りに思っています。約3か月とまだ日は浅いですが、生活のサポートをさせていただく中で入居者様お一人おひとりに強い個性を感じ、所作や言葉のすみずみにあらわれる唯一無二の人生観に感嘆させられてばかりです。
たとえば、飲食のご関係で活躍されていたAさん。竹をスパっと割ったような江戸っ子気質で、日々率先して9名分の主菜、汁、ご飯を鮮やかな包丁さばきで作られています。白菜をてきぱきとそぎ切りにし油揚げをあわせた澄まし汁、脂ののった紅鮭を豪快に焼き上げたと思ったら美味しく見えるよう繊細に盛り付け。それらが流れるように美しい段取りで行われ、気がつくと食事の30分前くらいになっているのです。何より炊き上がったご飯をボールにうつし、熱々に立ち上る湯気をうちわであおいで水分を飛ばすひと手間はさすがで、「美味しい食事を食べてもらいたい」というAさんの「料理人の心意気」を感じずにはいられません。こうして絶品のごはんが生み出されているからか、「つげの実」の入居者様はご飯を残していることがとても少ないです。
私も邪魔にならない範囲でお手伝いをさせていただいていますが、これからもAさんに、いきいきとお元気で料理の腕をふるっていただきたい、たくさん笑ってもらいたい。そんな気持ちを込めて、しっかりと介助と見守りをさせていただきたいと思います。

17:20 | Posted by jizai