とちの実では昨年の12月と1月の2か月間で3人の入居者さんをお迎えしました。皆さん女性です。
まずはAさん。美容師さんです。会話がお上手で、「あなたその服の色ステキね」といった言葉かけをよくされています。褒められた人は必ず喜びますし、美的感覚もさすが鋭いなと思います。Aさんは日中は何度も「(家に)帰りたい」「帰らないと・・」「帰り方がわからない」と不安そうに仰います。職員としてはAさんに穏やかに過ごしていただくために、「パパさんが後でお迎えにいらっしゃいますよ」と、事実ではないことを話してその都度落ち着いていただいているのですが、他にもっとAさんにとってよいアプローチがあのではないかと考えているところです。
次にご入居されたBさんは物静かな方ですが、事務所の横を通るときにはいつも声をかけて下さいます。昔バレエをしていたそうで、なるほど、スラッとされています。日中、お部屋でカーテンを閉めてお一人で過ごされることが多いので、職員が訪問してお話しをしたり、食事作りにお誘いしたりといった働きかけをしています。ご入居当初、お風呂に入りたくないと仰ることが続いたのですが、女性職員達が粘り強く支援をしてくれたのと、ご本人の適応能力で、最近は納得の上で気持ちよく入浴をされることが増えているようです。
そして最後にご入居されたCさん。常時杖を使って歩行をされます。杖が必ず必要という入居者さんの対応をするのは、じつはとちの実では初めてで、とても勉強をさせてもらっています。階段も頑張ってお一人で上り下りされます。これからも永く歩き続けてもらえるように支援をしていきたいと思います。Cさんにとちの実のアルバムをお見せしたところ、私の昔の写真を見つけて下さり、「女の人みたい」「女の人だ」と繰り返して笑っていらっしゃいました。「妻は私のことをオネエだと思っていたらしですよ」と話すと更に笑っておられました。
慣れない人同士でやはり話がしやすいようで、最近のリビングの様子は、一方のテーブルにAさんBさんCさん、他方のテーブルには以前からの入居者さん・・・と、グループが分かれていることが多いです。
2ヶ月の間に3人もの方がご入居されたのは開設時を除けば初めてのことです。なるほど、コミュニティはこう変わることもあるのか。と感慨を覚えました。
新旧の入居者さんがお互い支え合って生活できるように、これから時間をかけてコミュニティの支援をして参ります。