とちの実に今年で88歳になられた入居者様がいます。畑仕事をされていた方なので、足腰はしっかりしており、調理も得意でテキパキ行われています。
誕生日のお祝いに遠出して美味しいものでも食べてもらいたいなと思っていたのですが、4月に足を骨折してしまい、入院となってしまいました。お見舞いに行くと病院食があまり美味しくないとボヤいては、とちの実に帰りたいと言われていました。その後、リハビリ病院に転院しリハビリ生活。当初は10mほどの平行棒を往復するだけで、疲れていた様子がありましたが、1週間ほどするとあまり疲れた様子も無く、平行棒を歩く回数も増えていました。その後もリハビリを続け、フロアを理学療法士さんと一緒に歩かれるまで回復し、とちの実に戻られました。ただ、リハビリ含め約3ヶ月となった入院生活のため、体力の低下が見られており、外出するときは車椅子を押して行き、途中疲れた様子があれば座って移動してもらっています。
そんな生活の中でどんな事がしたいですか?と聞いたところ、「うーん。まあ。のんびりさせてもらっているからね。それで良いよ。」と今の生活に馴染んでいただいているようです。介護職員としては、骨折した以前と同じく元気な生活に戻って欲しいと思っていたのですが、『のんびり』という言葉にどこか焦っている自分が居たのかなと思いました。
今まで大変な人生を送られていた方なので、ここでの生活は『のんびり』とした生活をしていただければと思います。
ただ、来年の誕生日のお祝いでは美味しいものを食べに行ってもらいたいです。