秋の紅葉がきれいなときに、つげの実の1泊旅行として、山中湖のほうへいってまいりました。
久しぶりの1泊での、旅行でしたが、7年前に一度行った場所ではありました。旅館も一緒のところでしたが、今回違っていた点としては、大きなマイクロバス1台で移動したことでした。1台のバスに皆で乗り込むことによって、「これから旅行に行く」という意識が高まりよかったと感じました。
車内から皆で一緒にみた、富士山はとてもよい思い出となりました。
また、2日間とも、この時期にしては、暖かな気候でお天気がよかったことも、この旅行をよりよいものへとしてくれました。普段の皆さんの行動が、このようなところであらわれるということをあらためて実感いたしました。
この旅行では、はじめて入居者さんと一緒にお風呂に入らせていただきました。
日々の入浴の場面でご支援をさせていただいたり、何回か1泊での旅行にも行かせていただいていたのですが、今回が一緒に湯船につかることは初めてでした。
ご一緒した入居者さんは、湯船に浸かられることがとてもお好きな方で、つげの実では声をかけなければ、ずっと浸かってらっしゃるのではないかというお方です。体を洗ったりすることは、どちらかというと億劫がってしないほうのお方です。
このときも、浴場からは、富士山がきれいに見えるすばらしい景色で、ご本人はご満悦でした。きっと長湯になるのだろうな、と思いながら、どうしようかな、と思っておりました。心苦しかったのですが、何回か声をかけさせていただき、出られることになりました。
今日は、このまま気分よくあがっていただいてもいいかな、と思いながら、ご一緒していると、その入居者さんは、歩いて出口ではなく、洗い場のほうへ向かい、腰をおろしゆっくりではありましたが、タオルで体を洗い始めました。
正直ちょっとびっくりしましたが、普段とはちがう一面をみることができることも、旅行ならではの大切なことだと感じました。最後には、お互いの背中を流し合い、よい思い出となりました。
夜には、旅館内にちょっとしたカラオケルームがありましたので、そこで宴会を行いました。全部で10曲歌ったのですが、そのうち3曲をぼくが歌いました。
歌いましたではなく、正確には、入居者さんたちに歌わされました。
2日目には、河口湖にある、猿回し劇場にいき、お猿さんたちのお芝居を皆で見ました。
車椅子の方たちは、座席の一番前で見させていただいたのですが、お猿さんが舞台の一番前にきたときに、車椅子の入居者さんが手をのばし、もう少しでハイタッチをしてしまうのではないかとヒヤヒヤしたり、舞台最前で、立ち上がり拍手をしながら、お猿さんに声援を送る入居者さんがいるなど、楽しく見ることができました。
今回、もっとも大きかったことは、この旅行に向けて、入居者さんとスタッフが協力しあい、同じ方向を向き続けながら進めていけたということでした。
最後に、私情で申し訳ありませんが、ぼくにとっては、今年一番の楽しい思い出となりました。