今年は、例年よりも、梅雨入りが早くすっきりしない日が続いていると感じます。
そのようなこともありまして、衣替えという時期でもあったのですが、家の物の整理をしてみようと考えて行ってみました。衣類だけではなく、引出しや棚、クローゼットなども行っていると、一冊の本が出てきました。
だいたいは、読み終わると、古本屋に持っていってしまうのですが、その本だけはあえて取っておいたような気がしました。でも、繰り返し読み返すことはなく、ずっとしまってありました。
その本は、「合衆国秘密都市」という、今から20年前の1991年に発売されたものでアメリカのスラム街のストリートチルドレンを題材にした物語の本です。
スラムの腐敗した街に住む、主人公の少年が、少し離れた廃墟になった場所を見つけ、仲間たちと一緒に自分たちが安心、安全に住める「都市」を自分たちだけで作っていこうという希望に満ちた物語です。
この「都市」は、主人公の少年やその仲間たちの努力や考えによって、自分たちが思っていた、望んでいたものになっていきます。
そして、最終的には、この「都市」がこの少年たちだけで、継続して築き上げていくということではありませんでしたが、理解ある大人たちも加わり、この「都市」と少年たちの未来は希望に満ちたものになった、なるであろう、というところで物語が終わります。
この物語は、「希望」ということを第一のテーマに考えたものだったと思います。
よい言葉だと思いますし、これからに向けて大切なことだとおもいます。
もうひとつあげるとするならば、「家族への思い」だと感じます。
この主人公の少年は、おじいちゃんへの想いが強く、このおじいちゃんの言ったことはよく守り、スラム街で暮らすなかでも、決してぐれることなく毎日を過ごしていました。
物語の最後に、「都市」の名前を決めていいと言われた時には、そのおじいちゃんの名前にしていました。
主人公が、おじいちゃんから言われたことで、印象に残っている文章があります。
街中で怖い目にあったことを話すと、おじいちゃんは、「それでいいんだ。怖がるもんがあれば、怖がるのが利口というものさ。すると今度は用心するし、一つ賢くなるってわけだ」です。
この本は、もう一般の書店には、売っていないと思いますし、古本屋さんでもなかなか見つからないのではないかと思っています。
もし見つけたらおしえてください。