介護のお仕事に就きましてから、日ごろ常々「食」について考える事がたくさんあります。
①献立について。②利用者様の好物について。③誤嚥防止の食材。④味付け。⑤歯の具合による加工方法。
①の献立につきましては、毎回、利用者様に何を召し上がりたいかたずねます。
何でもいいよ(大体がこのパターンですが…)、お寿司!、お肉!うなぎがいいねぇ~。今日は大根が1本もあるか
ら、これを使ってさつま揚げと煮付けましょうか。など個々の方々によって、さまざまな返答があります。毎日同じ利
用者様に尋ねると、決まってお寿司!と張り切っておっしゃいます(笑)。毎回お寿司であきないですか?とよく伺う
のですが、かなりの大好物のようで、いつの間にかぺロリと召し上がっていらっしゃいます。
②の好物につきましては、普段の利用者の食事風景を拝見していて食事のすすみ具合や、介助が必要な利用
者様も食事介助をしていると、「あ、これお好きなのかな、すすみが早いな」など感じる事があります。
③誤嚥防止の食材としては、職員として普段心がけている事ですが、やはり食事の際の飲み込み具合、食べや
すい物、食べにくい物、食材の固さにも気を配ります。
だいたい利用者様と調理をさせていただくのですが、やはりそこは上記のような職員の配慮が必要になってきま
す。なるべく繊維質の食材は避けて、噛みつぶしやすいよう通常より軟らかめに仕上げることを考えます。
④の味付けは、利用者様のすすみ具合を見ていると、はっきりとした味付けや甘辛い味付けのメニューがすすみ
がよいと感じる事が多々あります。ただ、自身としましては血圧の事を考えますと塩分はちょっと…と思ってしまい
ますが。
⑤の歯に関しましては、やはりご高齢になりますと、全入れ歯、部分入れ歯、歯茎のみ、残りのご自分の歯が数本、
など様々です。常食でも召し上がる方、細かく刻みで食べられる方、フードプロセッサ―で跡形もなくとろみを付けて
食べられる方、様々です。
以上の事に限らず、様々な視点から利用者様が召し上がりたいものを、なおかつ栄養
面が偏らないものをと試行錯誤しています。今思うのは、この仕事をするのでしたら、
管理栄養士の資格が欲しかったな―と、もっと若いころに学んでおけばよかったなーと
思っております。