今回のどっこいしょではIさんについてお話をしたいと思います。
Iさんは2011年9月にご入居されました。入居したばかりの時は体調を崩して入退院を繰り返されていたそうです。そんなIさんも今年で96歳!今ではぶなの実の最年長です。
ですが、今でもお買い物に一緒に行って下さったり、料理もしてくださったり、洗濯物も畳んでくださったりと働き者のIさんです。
Iさんは失語症をお持ちになられておりますが、「そうですか」「困ったな」「はい」「わかった!」「まだ?」「そう?」など気持ちを伝えて下さいます。
そんなある日の出来事です。
普段はIさんがエレベータに乗った際にお声かけすると降りて来て下さるのですが、その日は頑として「いい!」とおっしゃって降りてきて下さらなかったのです。まずはいつものパターンで一旦4階に一緒に上がり、3階にてお声かけをする。「ダメ」と。次は2階に行き、またも首を振って降りてくださらず。1階でも同様でした。何度か繰り返しましたが一向にIさんは降りて下さらなかったのです。
さて、どうしようかと考えました。次にIさんにエレベータのボタンを押していただきました。何度か繰り返しているうちに「違うな~」「困ったな~」と私に不安な気持ちを伝えてくださるようになり、1階に着き、外に出た瞬間に「これだ~」と。不安な気持ちが一気に吹き飛んだのが私にも伝わってきました。心と心が通じた瞬間に胸が熱くなりました。
その日のお昼ご飯はラーメン!!チャーシューを買いに行こうとお誘いしました。そして、私がチャーシューを取ると、「なんだ、こんな物を買いに来たのか」といったような感じで「はっはっはっ」と大きな声で笑ってくださり、私もほっとしました。
Iさんがいつまでもお元気で過ごせるよう、私たちもコロナに負けず、頑張っていきたいと思っております。
お写真は夕食後に晩酌をされている時の物です。Iさんのこの笑顔にスタッフ一同癒されております。