ぶなの実の象徴というべき存在だったご入居者のKさんが、10月で他の施設へ移るためにご退去となりました。Kさんこの半年ほどで、生きる姿が変わっていきました。その最大要因は歩けなくなったことだと考えます。元々よく歩き、ふくよかな方だったので膝に水が溜まりすく、水が溜まると痛みで歩けなくなるので、水を抜きに通院をしていました。
今年の2月に水が溜まり病院へ行きましたが、Kさんが動いてしまうので針を刺すことは難しいと言われ、そのままぶなの実に戻られ、痛いながらにも歩かれていました。しかし痛みがあるので、以前のような軽やかな歩きとはいきません。そこから少しずつ歩くことを止めてしまいます。スタッフがお声をかけても立ち上がりもしなくなっていきます。歩かなくなるとお喋りもしなくなっていきました。お喋りをしなくなると大好きだったお食事も摂らなくなっていきました。1日何リットル飲んいでるの??と驚くくらい飲んでいたお茶も飲まなくなり、全てのことに介助が必要となっていきました。
歩かなくなったことにより認知症の状態が悪化し、歩くこと食べるといったこともわからなくなっていったようでした。
でも最後まで自分のことは自分でするという確固たる意志を時折感じることがありました。本当は介助されて食べたくもないし、トイレだって1人で行きたい!!
Kさんへの歩くことへの支援をもっと行っていれば、生きる姿を変えずにいられたのではないかと、今も後悔の念は尽きません。Kさんには大変申し訳ないのですが、私に歩くことの大切さを身をもって教えてくださいました。この後悔を今いるぶなの実のご入居者にはしないよう支援を続けていきたいと思います。
Kさんありがとうございました。