log

【野良犬の消えた国で】   ぶなの実1F 佐藤

2014年03月03日 | ぶなの実::ぶなの実1F

僕の子供の頃は小学校に野良犬が紛れ込んできて先生が追っ払ってくれるという光景が、まるで風物詩のようにあったが、いつの間にか街からは野良犬が消えた。
感染等の危険があるから何処かに連れられていっているのだろう。現代の街はクリーンな状態。
話は変わって今も心に引っかかっている事がある、入居者のT さんが一人で外に出かけた時に自転車と衝突してしまう事故があった。
その時の相手の方からの言葉は「何でこんな人を外に出しておくんだ!」で、それに強烈な違和感があった。
(因みにT さんは職員の徹底した見極めによって外に一人で出て帰って来れる能力が一般の高齢者並みにあると判断していたし、もし帰って来れなかった時の為にGPS を持っていたり15 分に1 回自転車で所在確認をしに行っていた)
野良犬は人間の尺度で、君達は危険だから街にいちゃダメ、君達レベルの危険度ならば街に出ていいよと誰かが住み分けた結果街から消えて、これについて悪いとか言うつもりはなく、T さんに関して言えば今度は人が人に対して君達は危険だから外に出ちゃダメとか、外に出ていい等とすみ分けていて、今現在実情としてそのような事はあって、これもストレートに否定する事もしないけれど、その(動転していたとはいえ)何でこんな人を外に出しておくんだ!
という言葉の傲慢さにだけは、ただ切ない気持ちになってしまった。
街の野良猫を見ながら思った事。

16:18 | Posted by admin