漫画「タイガーマスク」といえば私はテレビのアニメ番組(再々放送!?)を思い出します。主人公である伊達直人が素性を伏せて自身が育った孤児院へ寄付をするという内容はなんとなく覚えています。昨年クリスマスに「伊達直人」を名乗る人物がランドセルを児童相談所へ寄付したことから全国へ広がっていったようです。
先日あるラジオ番組でこの現象について話していたのですが、児童養護施設で働く現場の人の言葉が耳に残りました。
「この現象が広がるにつれて、何かしてあげたい思いと実際の現場で困っていることとが一致していないように感じる」
寄付をしたいという人の中にはまだ『孤児院』というイメージがあるらしくランドセルなどの物資を送る人がいるが、近年では親は存在するが虐待などの理由で一緒に生活できないケースが多くランドセルに困っている人数は少ないこと、施設の生活から社会人としてひとり立ちする際に家具や電化製品に困るケースが多いことを説明されていました。さらに続けて…
「どうか、かわいそうな子供達としてではなく一緒に生きているんだという視点で見守ってください。そして、これがきっかけでもいいのでまずは知ってください」というような内容のことを話されていました。
私たちの現場でも『グループホームの存在や認知症についてたくさんの方々に理解してもらいたい。』まったく同じことが言えます。仕事としては発信している側ですが、生活する受け手側として あらためて考えさせられました。これだけ情報があふれた社会ではありますが、本当に必要な大切な情報を私たちはほとんど知らないということを まずは自覚した方がいいのかもしれません。