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【笑顔に勝る美人なし】  とちの実 渡邉

2016年12月31日 | とちの実

今年の9月は殆ど雨降り、それも殆ど台風の影響だったように思われます。
最近では、「気圧症」などと言われる体調の変化で、憂鬱な時期を過ごされた方も多いのではないでしょうか?
とちの実の皆様も、あまり外出もできなかったので、気分が晴れなかったのではないでしょうか?
そんな中、この時期に関わらずいつも不機嫌な様子が見られる方がいらっしゃいます。
今年のお正月にご入所されたA様は、福々しいお顔立ちで、容姿も小柄で愛らしい方です。始めは緊張もあったのか夜間帯眠れない事も多かったですが、「わからないことがあったら教えてください。お世話になります。」と、いつもニコニコと接してくださいました。数日すぎて、穏やかな方で、なんとも笑顔の素敵な方だと思っておりました。
 1ヶ月ほど経過すると随分生活にも慣れていただけ、緊張も溶けてきて会話をすることも増えてきました。そして、これまでの背景には、「しっかり者で無くてはならない状況」で過ごされ、いろんな事に気を使い、叱る立場の状況もあったのだとわかってきました。
 徐々にA様は、周りの状況に、居ても立ってもいられない出来事が色々見えてきたようです。おしゃべりをする方、食事がのんびりしている方、咳払い頻繁にする方など、注意しないと気が収まらない為、A様はその方々にキツく指摘をするのですが、毎日繰り返される状況は、目の上のたんこぶであり、日に日に苦痛になっているようでした。
スタッフが間に入り、共感し、また弁解し、理解をしてもらおうとA様に関わってきましたが、どうもこうも、「ダメなものは駄目」と一歩もゆずらないのです。逆に「うるさい」と言ってスネる事もあります。
現状、皆様の集う居間へ来られる時は、顔をしかめて、周りを見張るかのように座ってキョロキョロしています。
私も、譲れない嫌な事はありますので、A様の気持ちもわかりますが、入居された時の印象とは、まるで別人の様な表情になっておられるのでなんとか笑顔になって欲しいと強く思っています。
 日々の生活の中で、ふとした時に見せるA様の笑顔は、本当に「えびす顔」の様でとても素敵なのです。
 今、コミニティーの形成の難しさになかなか苦戦しています。
「人のフリ見て我がふり直せ」ではないですが、もしかしたら自分の笑顔も減っているのかもしれません。美女や美男は大好きですが、やはり心がほっこりするのは笑いかけてくれる表情です。
素敵な笑顔の力は偉大です。動物の中で人間にしかできない表情をもっともっと大切にしなければと思います。

08:26 | Posted by jizai