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【起きた時の素顔】  ぶなの実3F 前倉

2018年08月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

準備好きな私の希望と夜勤者の少ない状況が続き、半年ほど皆さんの寝起きの素顔に触れることができましたので、今回は少しずつ紹介してみたいと思います。
いつも目を閉じて意志を滅多に示されないNさんは、差し込む日の光に薄目を開け私の顔を見て声に耳を澄まし、お茶を飲む間ひっきりなしに話しかける私の方を見て仕方なさそうに頷いて相槌を打たれます。Cさんは寝癖で大きくなった頭で「おはよう」とニッコリ、私の声掛けに「そう、そうなの」と頷かれ、その後顔を拭いてすっきりすると今度はテレビに話しかけられます。はい次、はい次、とやることに追われるのに長年慣れてきただろうIさんは、私の顔を見て「おはよー」と低く言うと、またやることが始まった、次は何?何でもOKだよ、と言わんばかりによっこらしょっと起き上がり指示を待っておられます。わからないことへの不安に怯え、時に声を荒げることもあるYさんは、たくさん話して気持よく目覚めると、私と一緒に窓の外の朝日にゆっくり手を合わせられます。その間にOさんが身支度を整え、居間に降りてきて状況判断し、まだ終わっていないゴミ出しや朝食の準備をしながら早く起きたIさんとお話しされます。夜更かしが続く日は慌てて降りてこられたのがよくわかります。Zさんは長年の習慣からか、いつも起きてすぐに天気を尋ねられ、現場の仕事ができるのかを心配してからゆっくりと時間をかけて髪を梳かされます。夜中起きてテレビを見ていることが多く「朝が弱いのよ」と笑うAさんは、目を覚まし空が澄み切っている
と嬉しくてしょうがなくて、外を眺めながら何度も「雲ひとつない!木も揺れてない!」と言って喜ばれます。Tさん・Sさんは朝食の時間だとなかなか呼びに来ないスタッフにやきもきされ、降りて来ては「やっぱりまだか」と居室へ戻られ、やっと呼びに来た、まぁまぁ、と居室の中まで歓待し席を勧めて下さいます。居間に揃った皆さんで盛り付け・配膳しながら穏やかに朝食が始まります。モリモリと召し上がって頂く姿に幸せな気分になり、つい私も口数が増えます。
それぞれの入居者さんと個別に向き合う時間の少ない中、朝のこの時間はとても貴重で贅沢で、これからもずっと大切にしていきたいと思います。

17:41 | Posted by jizai