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【歩くことの大切さ】  ぶなの実3F 森田

2017年12月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ぶなの実の象徴というべき存在だったご入居者のKさんが、10月で他の施設へ移るためにご退去となりました。Kさんこの半年ほどで、生きる姿が変わっていきました。その最大要因は歩けなくなったことだと考えます。元々よく歩き、ふくよかな方だったので膝に水が溜まりすく、水が溜まると痛みで歩けなくなるので、水を抜きに通院をしていました。
今年の2月に水が溜まり病院へ行きましたが、Kさんが動いてしまうので針を刺すことは難しいと言われ、そのままぶなの実に戻られ、痛いながらにも歩かれていました。しかし痛みがあるので、以前のような軽やかな歩きとはいきません。そこから少しずつ歩くことを止めてしまいます。スタッフがお声をかけても立ち上がりもしなくなっていきます。歩かなくなるとお喋りもしなくなっていきました。お喋りをしなくなると大好きだったお食事も摂らなくなっていきました。1日何リットル飲んいでるの??と驚くくらい飲んでいたお茶も飲まなくなり、全てのことに介助が必要となっていきました。
歩かなくなったことにより認知症の状態が悪化し、歩くこと食べるといったこともわからなくなっていったようでした。
でも最後まで自分のことは自分でするという確固たる意志を時折感じることがありました。本当は介助されて食べたくもないし、トイレだって1人で行きたい!!
Kさんへの歩くことへの支援をもっと行っていれば、生きる姿を変えずにいられたのではないかと、今も後悔の念は尽きません。Kさんには大変申し訳ないのですが、私に歩くことの大切さを身をもって教えてくださいました。この後悔を今いるぶなの実のご入居者にはしないよう支援を続けていきたいと思います。
Kさんありがとうございました。

08:11 | Posted by jizai

【楽しいですよ、おかげさまで】  ぶなの実3F 前倉

2017年11月30日 | ぶなの実::ぶなの実3F

お世話になり半年が経ちますが、相変わらず思いとは違う出来事の連続で、利用者さんにも、教えて頂く先輩方にも、未だにたくさんの感動を頂いています。
利用者さんのその瞬間のご意思と、もう少し先の幸せが相反する場面に悩み続け、ただただ時間ばかりかけていたときに、それぞれの利用者さんとの「関係性」について考えてみようというアドバイスを頂き、新たな試行錯誤の機会を得ることができました。「親しく」というのはプライベートでかなり苦手な分野なのですが、それでも鼓舞して続けてみると同僚ができた、というように喜んで一緒に働いて下さる方がいて、ご機嫌を伺って損ねてきた方が頼りになる先生風に接すると安心され、コイツには愚痴を吐き出せるし嫌いなお風呂は断れると逃げ道にされ(ナメられ)、一生懸命お願いすると嫌になるけれど四の五の言わず当然、という顔をすると「お前に任せた」と言わんばかりに信頼して下さって…等々、十人五十色の私との「関係性」に注目していくうちに、業務や社交辞令ではない、家族のやりとりのような遠慮のない雰囲気を感じてもらえてるのか
なぁと胸が熱くなる瞬間が格段に増えてきました。「大変なお仕事ですね」と労って頂くことが多々ありますが、その度に返す「楽しいですよ、おかげさまで」という言葉は結構本気なのです。
これから寒くなっていきますが、一緒に笑いながら風邪を吹き飛ばせるよう自身と皆さまの体調に気をつけて、「関係性」も発展させていきたいと思います。

17:00 | Posted by jizai

【Aさんのお迎え】  ぶなの実3F 蝦子

2017年10月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

今年の夏も、あっという間に過ぎ去ろうとしています。今年は6~7月は雨もあまり降らず、かなり暑い日が続き、8月は雨が16日間降り続き、入居者様もかなり憂鬱な時を過ごされたのではないでしょうか。
入居者様の中に、Aさんという方がいらっしゃいます。私がはじめてぶなの実でお会いした時は、ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、何かピリピリしているように見え、なかなか話しかけるきっかけが見つからず、「こんにちは、私は蝦子と申します」位しか言えませんでした。Aさんが居間にいる間は、みなさん静かになりがちです。
私がAさんと楽しく話すようになったのは、ある時パーマ屋さんへお迎えに行ったときからでした。それまでは買い物もほとんど一緒に行った事もありませんでした。先輩方には、Aさんとお話をしてくださいね、と言われていました。
お迎えに伺うとAさんは、私の腕にご自分の腕をからませて楽しそうに戻ってこられました。
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Aさんはお1人で、時たま外に出ていらっしゃる時があります。お迎えに行ったとき私は、早くぶなの実に戻ることだけを考えて接していました。やはりそれでは余計に頑固になってしまいます。
それからは無理に戻らずに、近くのコーヒーショップでお茶を飲んでから戻るようにしています。そのときも私のリュックサックに手を添え、「迷子になるから持ってよぅ」とお茶目なところも見せてくれます。
Aさんだけではありませんが、入居者様とこれからも楽しく生活のお手伝いをしていきたいと思います。

19:03 | Posted by jizai

【東京ドーム野球観戦】  ぶなの実3F 宝田

2017年09月30日 | ぶなの実::ぶなの実3F

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どうもこんにちは、今回は5月にIさんと野球観戦へ行った時のお話をさせて頂きます。
Iさんは前にもAユニット全員で野球観戦に行った事があり、その時に帰るのを嫌がるくらい楽しまれていたというお話を聞いたので誕生日外出に野球観戦しに行きました。
自分はなぜテレビで野球を観れるのにわざわざみんな球場へ見に来るのだろうかと不思議に思っていたのですが、いざ観戦してみると野球が始まる前のいろんなイベントとか、ホームラン、ファールボールの飛んでくる迫力とか、応援しえる人の声とか球場へ来ないと感じられない空気があるんだなと感じました。なのでその空気を自分達も楽しむ為に一緒にジャイアンツのユニフォームを着て、フライドポテトとジュースを片手に観戦しました。
今回は帰るのを嫌がったりはしませんでしたので、きっと楽しんでくれていたと思います。

10:37 | Posted by jizai

【Yさんとの誕生日外出】  ぶなの実3F 前山

2017年08月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

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5月下旬に、入居者のYさんと誕生日外出に出かけました。
お笑いや落語が好きなYさんのために池袋演芸場に寄席を見に行きました。
最前列で見ることができ、落語と漫才を楽しみました。
Yさんは、落語家さんの話に熱心に耳を傾けられ、笑うところでは思いっきり笑ってとても良い笑顔で楽しんでおられました。
笑いすぎて(笑いすぎだけが原因ではないですが…)調整中の入れ歯を外してしまったことはここだけの話としておきます…。(笑)
最後は、「楽しかったですね、また来たいですね。」ととても満足そうな笑顔で仰っておられました。
帰路はややお疲れの表情でしたが、充実したYさんの笑顔を見ることができ、本当に良かったです。

10:09 | Posted by jizai

【元ダンサーMさんとのこれから】  ぶなの実3F 森田

2017年07月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

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ぶなの実のご入居者Mさんはその昔、新宿コマ劇場でダンサーをしていたそうです。
81歳になる今でも美貌やスタイルはそのままで、ダンサーだった面影があります。今も足が90度以上あがるのです!!
芸能の世界で過ごされていたMさん、今も夜型人間です。朝ごはんはほとんど召し上がらず、昼から活動開始です。そして夜な夜な自室の整理や深夜テレビの通販ショッピング観賞…が趣味??。
Mさん、少々気が短く、入居者さん同士で衝突することもよくあります。昔の話などを引き出そうとするのですが、今は考えることが苦手なMさんは「どうだっていいじゃない。」と突っぱねられることがしばしばあります。私の伝え方が悪いのか、私のしゃべり方は今風でいうと「上から目線」で話しているのか、気に障ることもよくあるようです。
私はご入居者との関係を築くときにはお互い腹を割って話すといいますか、言いたいことを言い、あるときは喧嘩もし、信頼関係を築いてきました。Mさんとはまだ1年半ほどのお付き合いですが、正直信頼関係を築けてはいません。芸能という世界で生きてこられた方なので、今までの私の通り一辺倒のやり方では難しいのだと痛感しています。私自身がMさんに対して、ネガティブな部分に目を向けてしまうことが多いので、ポジティブな部分にスポットを向けてアプローチをしていき、Mさんとの信頼関係を築いていけるよう支援を続けていきたと思っています。10年以上も当法人で働いてきたのに、まだこんなことを言っていて本当にお恥ずかしい限りです。

10:12 | Posted by jizai

【はじめまして】  ぶなの実3F 前倉

2017年06月30日 | ぶなの実::ぶなの実3F

はじめまして、前倉と申します。ぶなの実Aユニットで数多くの生活に触れることができ、その多さ故に悩みもてんこ盛りでした。忙しい諸先輩方へのしつこい相談(この場をお借りしてお詫び申し上げます)、介護に関わる力学や心理学、体験などの本を読み漁り、実践しては失敗を重ね、脳細胞と身体をフル空回りさせている間に1月以上経ちました。
中でも当初から増え続ける悩みの1つに「ご意思」があります。食後間もなく質問される次の献立…等に代表される間の悪いご意思の確認は誰のためのものなのか。少しずつですが、積み重ねられた嗜好や生活背景、現在の体調や感じ方に注目する高い関心を持ち続ける力と、心のこもったささやかなはからいを身につけていくことで、誘導や強制の入らない心地よいご意思に添うことに繋がるということを、諸先輩方の対応を見て感じはじめました。ここ1月のたった一つの成果です。長い闘いになりそうですが楽しみです。よろしくお願いいたします。

17:02 | Posted by jizai

【初めまして】  ぶなの実3F 蛯子

2017年05月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

初めまして、ぶなの実Aユニットに勤務している蛯子と申します。私がぶなの実で利用者様のお世話をさせていただくようになって早いもので、この4月で1年になろうとしています。初めての勤務の日は本当に緊張したのを覚えています。それは利用者様とどう向き合ったらよいのか、どんな話をしたらよいのかを考えて利用者様が私を受け入れてくれるのかどうか不安でした。そして初めてお会いした日にその不安はなくなりました。利用者様に自己紹介した時、皆さんにこにこしながらお話をしてくださいました。
今1年が経った時思い出すのは初めて買い物に一緒に行ったTさん、買い物の途中で色々お話してくださり、戦争に行ったけど戦地へ行く前に終戦になった話しなど歩きながらしてくださいました。またNさんは食事介助の時、私が「Nさん今日は大好きなお魚ですよ。美味しいですか。」と声を掛けるとNさんは細い目をパッチリと開けて私をじっと見て笑顔を見せてくれたり、うなずいてくれたりします。そういう時が一番嬉しいと思います。
そして私が常に気をつけているのは勤務中はマスクをしているので、利用者様に私とわかるようにマスクをずらし、必ず跪き目を見てお話するようにし、帰る時もなるべく声掛けして帰るようにしています。
私は出来る限り長く利用者様と生活を共にして行きたいと思います。

17:18 | Posted by jizai

【Tさんの誕生日外出】  ぶなの実3F 宝田

2017年04月30日 | ぶなの実::ぶなの実3F

こんにちは、宝田です、今日はTさんとの事を書こうと思います。
以前からTさんは落語が好きだといっていたので2月3日にAユニットのTさんの誕生日外出で池袋の演芸場へ寄席を観にいきました、落語を聴く事自体が殆ど無かったのでどんな感じなのか全く想像が出来ていないまま会場に入るとそこには超満員の人が!
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「すごいなぁ~毎日こんなに人が一杯になるんだね~」って話をしながら会場に入り席へ座ろうとするが隣同士で座れる場所が無く僕は一番後ろでTさんは僕より2つ前の席へ座りいざ開演。Tさんは少し耳が遠いので聞こえるのか心配でしたが会場も大きくなく、芸人さんもすごく近いので聞こえているようで一安心。落語、漫才、手品、切り紙など寄席なので色々な演目を観れてTさんも大満足のご様子、演目も最後の方になると「それではこれから豆まきをしますので頑張ってとって下さいね!豆の入った袋に当たりくじが入っているものもあるのでとったら確認してください!」と、Tさんも立ち上がりやる気満々で「鬼は外!福は内!」と言いながら頑張って袋をとろうとしていました、僕のところには1個も飛んでこなかったのですがTさんは1個れて帰りの際に中身を確認、残念ながら当たりは入っていませんでした。
会場を出てもTさんの興奮も冷めることなく「いやぁ~直接落語を観に来ることは無かったから楽しかった、また来ましょう」と、また次回も一緒に行ける事を願いながら帰路につきました。

08:03 | Posted by jizai

【故郷の被災地に学ぶ】  ぶなの実3F 前山

2017年03月31日 | ぶなの実::ぶなの実3F

ぶなの実Aの前山です。早いもので2017年がスタートし、1ヶ月が過ぎようとしています。ぶなの実Aの入居者様も今年に入り、大きく体調を崩されることなくお元気にお過ごしです。
昨年末、私の実家のある地域で大火災が起きました。幸いなことに、私の実家は火災の被害には遭いませんでした。友人、知人、親戚で被害に遭った人もいません。
しかし、小さい頃から慣れ親しんだ街が跡形もなく燃えてしまい、大きなショックを受けました。火災直後から、連日テレビで報道されていて、自分の生まれた街が「被災地」と呼ばれている事が信じられないというか、違和感を覚えたように思います。
小さい頃、母と弟と一緒に徒歩や自転車で、商店街を何件か回って買い物をした楽しい記憶がよみがえり、あの町並みが消えてしまったんだなと切ない気持ちにもなりました。
そんな中、商店街で被害の少なかったお店の方々が商売を再開されたり、ボランティアの方々が瓦礫の中から懸命に被害に遭われた方の思い出の品を探す姿をテレビで見て心を打たれました。
また、被害に遭われた地区の皆さんが声を掛け合い避難され、亡くなられた方が居なかったことが本当にすごいことだと思いました。それから、出火元の程近くに介護施設があり、地区の方が車椅子を押すのを手伝ったりされ、皆さんで協力して避難されたそうです。これは、長年の信頼関係、他者を思いやる気持ちが地区の皆さんにあったからこそだと思います。
今年は、今以上に入居者様そして地域の皆さんとの信頼関係を築いていきたいと思っております。
また、地元の復興を心から祈り、自分に出来ることを行っていきたいと思います。

16:23 | Posted by jizai