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【季節は巡り、時は流れる…】   とちの実 中島

2011年09月23日 | とちの実

この夏、とちの実では新しい入居者さんをお迎えしました。お名前はMさん。東京生まれの東京育ち、チャキチャキしたという表現がピッタリの明るい姉さんです。とちの実の雰囲気も更にパーッ!っと明るくなりました。
Mさん、ときどき旦那様のことを話して下さいます。なんでも、趣味のテニスを通じて出逢われたとか。きっと当時最先端のお洒落さんだったのだろうなと想像します。「旦那さんのこと大好きなんですね」と私が冷やかすと「愛しています」とハッキリ返してくださいました。何十年も連れ添ってきた旦那さんについてのこの言葉にはとてつもない重みがあります。
Mさんは料理がとてもお得意です。ご本人はいつも謙遜されますが。華麗な包丁さばきに見とれてしまいます。長時間の作業にもほとんど疲れを見せません。それはびっくりするような集中力です。
集中・・・。難しいです。私にとっては。子供のころ通信簿に"集中力がない"と書かれた気がします(この原稿を書いている間も何度ウロウロしていることか)。
でも私達にとっての問題は、この意味での集中だけではないように思います。私達の心は、いつも未来を追い求め、ときに過去を振り返り、明日は何を着ようか、何を食べようかと思い煩い、今とは違う時を彷徨いがちです。もちろん必要なことなのでしょうが。
しかし私達は過去に生きているわけでも、未来に生きているわけでもない。だから、今、この瞬間に集中して全力で生きたい。 たとえば人の言葉に真摯に耳を傾ける、握っている手のぬくもりをしっかりと感じる、仕事で最善を尽くす、つまりは全てに真心を込めるということ。Mさんはもちろん、日々全力で生活しておられる入居者の皆さん方はこの大切なことをいつも背中で語ってくれているようです。
Mさんはお裁縫もお得意で、ご自分の服はいつも手作りされていたそうです。今度その腕前も披露してくださいね!

14:07 | Posted by admin