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【回復する力】   つげの実 吉田

2013年08月14日 | つげの実

皆様はじめまして、つげの実の吉田です。
つげの実でどっこいしょに文章を載せていただくのは初めてになります。つげの実に異動になり三ヶ月目を迎えておりますが、以前はぶなの実で二年八ヶ月ほど働かせていただいておりました。
そして、ぶなの実とつげの実で関わらせていただいた入居者の方々で、やはり人間と言うのは凄いなと実感させていただき、自立支援の大切さを再確認させてもらった出来事がありましたので、その事について書かせていただきたいと思います。
皆さんは入院されたことはあるでしょうか?
一口に入院と言っても、一日から数日の入院、数週間から数ヶ月かかる手術なども絡んだ入院まであるとは思いますが、そしてこれらの入院から退院された時にどうだったでしょうか?
入院期間が長かった方ほど、身体が本調子になるまで苦労したのではないでしょうか。中にはリハビリの必要な方もいらっしゃったと思います。
これは一般的に廃用性症候群という身体機能が低下した状態のことなのですが、グループホームの入居者の方のように認知症などを患っている方の場合、このリスクがとても高いのです。
実際、ぶなの実のMさんも、つげの実のKさんも、今まで歩けていた方が、二、三ヶ月で立つことすら難しくなってしまいました。しかしここからの回復が凄かったのです。
退院当初のMさんは、自分で食事をすることすら難しい状態でした。立って歩くように回復するなど、どれほど先なのかとも思ってしまうほどでした。
それが数日で食事が自分で取れるようになり、一週間で立つことが出来るようになり、数週間で歩く事が出来るようになり、一ヶ月で入院以前に近い状態に回復しました。
そしてつげの実のKさん、食欲はあった方だそうなのですが、箸やスプーンなどの道具が使えなくなってしまっていました。
以前は自分から外出することもあったそうですが、立つことや歩くことも難しくなっていました。
しかし、退院直後から立つことや歩くことへの意欲は旺盛で、足に力を入れてもらうように声をかけると、かなり頑張って足を踏ん張ってくれていました。
Mさんの回復を見ていた自分には、これは直ぐに歩けるようになるのではと期待したことを覚えています。
そして一ヶ月、まだ自立歩行は出来ませんし、食事を直接手掴みで行なうことも多いですが、自分から「そこまで歩いて行くのね」などと言ってトイレに立とうとしたり、フォークやスプーンを持ってもらうと、一生懸命ご飯を載せようとしたり、好きな歌が流れると鼻歌を唄いながら頭でリズムを取ってみたり、今後の回復にとても期待してしまうような行動が多く見られるようになりました。
この半年の間に、先に書いたMさんとKさんの回復力を目の当たりのさせてもらい、人間の力は凄いなと実感したとともに、その回復をサポートする自立支援の重要さも再確認させていただきました。
別に病院への入院が悪いわけではありません。誰だって重い病気になれば病院に頼りますし、病院も治療に全力を尽くしてくれます。
しかしその後の退院で終わりではなく、それからの私達の自立支援も非常に大事であり、なにより本人の意欲を引き出すことが自立支援に繋がるんだなと強く感じた数ヶ月でした。
認知症になってしまったら、能力は落ちていく一方と言うのが一般的ですし、今の医療ではそうかも知れません。でも、このように来月、再来月が楽しみになるようなこともあります。そんな楽しみをくれたMさん、Kさん、ありがとうございます。そしてこれからも、宜しくお願いします。

01:54 | Posted by admin